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病理結果を受けて、頭の中で整理する ~とあるOLの乳がん日記㊸

43.

病理結果を聞いて、一通り、先生から言われたことに、心がズタズタになったので、とりあえずなんでもいいから、一つずつやることを頭の中で整理しようとしてみた。

とにかくなるべく早く、妊孕性温存の検討をしなきゃいけなくて、つまり、将来子供が欲しいなら、抗がん剤で生殖機能が損なわれるかもしれないから、今のうちに卵子をとっておかなきゃいけないということだった。

でも、これも保険の対象外なので、お金がかかるらしく、日本は、生きていく上で最低限の保障はたくさんしてくれているけれど、「人並」の「幸せ」を手に入れたいときは、容赦なくお金がかかるんだなと思った。

私は子供を「産まなくてはいけない」と思っていて、もし、抗がん剤をすることで閉経したり、子供が持てなくなる可能性があるのであれば、抗がん剤をしたくないと思った。
でも、私のガンの性格上、抗がん剤をしないと再発リスクがある、ということであれば、もし再発したら、あのとき抗がん剤をやっていればよかった、と後悔すると思った。

じゃあ本当に抗がん剤を受ける必要があるのか?という疑問には、約40万円の遺伝子検査があって、もし、しなくていいという結果が出ればいいけれど、もし結果がクロだったら、そもそもこの40万円が勿体ないと思って、それより、私は再発するんだろうか、再発したら、今度こそ死ぬんだろうかとか、再発のことを考えると怖くなって、頭の中が堂々巡りした。

先生の説明が終わると、もう診察室から出なきゃいけなくなっていて、初めてここに来たときみたいに、やっぱり看護師さんが、一緒に来てくれた。
頭がごちゃごちゃしていて、看護師さんに何を聞こう、何から聞こうと、それだけで頭がいっぱいだった。

「僕は抗がん剤、受けたほうがいいと思いますけどね」

だから、私はその言葉を聞いていなくて、先生は情報を出すだけ出して、どうしたらいいとか、何も言ってくれなかったと思っていたけれど、退出する間際、こちらを見ずに、ぼそりとそう言っていたと、あとになって母が、私にそう言った。

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