見出し画像

経理職のキャリア考察

AIに代替されるであろう職業として経理職が上位に入っています。基本的に経理職はデータの入力作業がメイン業務であるため、手入力するより領収書や請求書からデータを読み込みすれば業務効率化できるのかもしれません。

しかし機械化、自働化するためには、既存の業務フローを構築しなおす必要があるため、制度導入時は一時的に現場に混乱が生じます。

そこで、新規の業務フローが完全にマニュアル化できるまで、会社では一時的に人海戦術で対応するという状態になります。

直近でいえば、インボイス制度導入が該当します。消費税の納付税額にも影響があるため、担当者がインボイスナンバーをチェックする業務です。

そもそも経理職の人材は忍耐力が人一倍強く、細やかな業務に向いています。ですから一日中、インボイスナンバーをチェックするだけの業務を与えられたとしても、やり抜く根気強さは持っていると思います。

しかし、長期的にみればこの業務も自働化の対象になりそうです。大変なわりに付加価値を生まない業務、つまりコストとしてみなされてしまいます。

実際に、電子帳簿保存法施行をきっかけに領収書等の証憑からのデータ読み取りを自働化し、大企業から中小企業まで幅広くサービスを提供している企業が業績を伸ばしていますし、ある大手企業では、経理業務さえも海外拠点に業務移管しています。

このように、「売上や利益を生まない、コストであれば徹底的に削減したい」、という利益追求は営利企業にとって当たり前ながらも、コストとして切り捨てられる側に立てばたまったものではありません。

では、人材は完全にコストなのかというと否。利益を生み出す人的資源になるのかどうか、その線引きは個人のユニークさによります。ユニークとは、他では代替が利かないという独自性です。

例えば、マニュアル通りの仕事であれば、いつか機械化、自働化される可能性があります。ですが、マニュアル通りにいかない仕事であれば、パターン化できないため機械化は難しくなる。だから、ここで人が仕事に関与する価値がでてくるのではないかと思うのです。

私は、将来的に経理職がなくなることはないと考えています。
というのも、会社を経営していくうえで、お金を管理することが全てと言っても過言でないほど大切だからです。一般的に、経営資源は、ヒト、モノ、カネと言われますが、カネがなければ会社を設立することも運営することもできません。

では、カネの管理を誰に任せるのかが問題になってきます。
ある程度会社が大きくなれば、経営者が出納を管理するというわけにもいかなくなります。そうなれば絶対に必要になるのが経理職人材です。

そのため、経理職が必要なくなるなんてことは絶対にありません。


一方で、経理職は異業種間でも転職しやすいというメリットもあります。専門知識や資格があれば、中途採用の求人はたくさんあります。

ただし、経理職は給与水準が比較的低いのが悔しいところです。会社の規模によりますが、課長クラスで約500万円~600万円、部長クラスで700~800万円ぐらいでしょうか。
(たまにヘッドハンターから1000万円超えの求人案件も届きますが、
そのような求人は複雑な事情を抱えている場合が多いため無視するほうが無難です)

加えて、転職時のチェックポイントをあげるならば、会社の従業員数です。正社員、契約社員、派遣社員の人数と男女比、組織図がわかれば、人員配置を確認してください。
ブラック企業の場合は、契約社員と派遣社員の数が異常に多いのが特徴です。理由は、アナログ業務をマニュアル通りに慣習的に行い、通常業務が忙しすぎて業務改善する余裕もない会社の可能性があるためです。

このお話が少しでも参考になれば、幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
スキ、フォローいただけると、とても嬉しいです!!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?