見出し画像

起業1年目の教科書

2015年6月15日初版
著者 今井 孝 (株)キャリッジウェイ・コンサルティング 代表取締役

レコメンド⭐⭐⭐⭐

1年目から無理なく年収1000万円を稼ぐ

独立・起業についての本を集中的に読み込んでいる最中、気づかされたことがあります。それは、本の中には著者の個性が反映されているということです。多くのコンサルタントが存在し、様々な専門分野に精通している中で、この著者は起業家の人材育成を重要視していることが伝わってきました。

著者の人に対する優しさに触れることができたとき、ひとりの読者として励まされました。このように本を通じて著者の個性がわかるなんて、正直驚きです。コンサルタントは個性が強い人が多く、本を出版することは自己PRのツールのように考えている人もなかにはいます。

しかしながら、一部には自分が苦労をして得た知見について次世代に伝えたいという純粋な想いを持った人がいます。著者は後者の純粋な想いを持った人だと思いました。

また、起業に関連する本には、タイトルに「教科書」という単語がよく使われていることもわかってきました。おそらく、リスクの高い起業に挑む人々が、何かしらのガイドブックを求めるからではないでしょうか。

本書を読めば、起業に対する不安や恐怖が消えると書いてあります。起業して1年目で年収1000万円はハードルが高いように感じますが、さてどのような秘策があるのでしょうか。印象に残ったところを以下、解説していきたいと思います。


はじめに

本書のはじまりは、切迫した展開から始まります。起業したばかりの大事な友人からの絶望的な電話です。友人は、起業に対して無謀なチャレンジをしていました。

多くの人々が抱く、起業とは難しい挑戦であるという誤解により、起業が上手くいかない2つのパターンが存在するのです。まず一つ目は、友人のように無謀なチャレンジをしてしまうパターン。もう一つは、怖くて一歩も踏み出せないパターンです。

著者は、これまで3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝え、マーケティングに関する教材が累計3000本以上購入されたという実績を持っています。この紹介文を読むだけで、本当かなと疑惑を感じてしまうのは、私だけでしょうか。著者は、1973年に生まれ、大阪大学大学院を卒業したとありますので、私と同じ就職氷河期の世代です。

また、著者は大手のIT企業に8年間勤めた後に独立したとありますので、30歳で起業したことになります。そのころは、ITバブルの余韻もまだ残っていた時代です。きっと大変な道のりだったのではないでしょうか。

成功する人は、起業に大きなチャレンジが必要ないことを理解しているそうです。最初は、だれもがお金がなく、人脈やコネもない普通の人々です。ただ、成功者と一般の方々の違いは、大きな夢に到達するための細かな階段を作っているということだそうです。どういうことなのでしょうか。

著者自身も起業時に商品のテストマーケティングをせずに販売をしてしまい、たくさんの在庫を抱え込むという経験をしました。その経験から、彼は成功への「階段思考」を身につけることができたのです。

本書では、まずは小さな一歩を踏み出す勇気を持ち、起業に対するストレスや恐怖心を取り除くこと。万が一失敗しても、そこからまた小さな一歩を踏み出せばいいことが語られています。

ここから先は

4,206字

ベーシックプラン

¥390 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?