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「Saudade」について

ポルトガル語の単語の中でも
比較的日本人による認知度が高く、
何かと取り上げられることが多い

「SAUDADE」

ですが、

ご多分に漏れず、
カタカナ表記は
「サウダージ」

で、

欧州葡語話者が

「そんな美しくない発音の言葉ではない!」

と言いそうな表記&読み方です。

「SAUDADE」
とは、
「郷愁」、「なつかしさ」
という意味の言葉で、

ポルトガル語圏の人々が、
「他の言語にはない、唯一無二の単語、
ポルトガル語の魂そのもの」

と信じて疑わない

大切な大切な言葉なのです。


といいつつ、「郷愁」ですよ、
「なつかしさ」ですよ、と
説明しているくらいですから、

恐らく周りのヨーロッパの言語と
比較した誰かが
「他の言語にはない」と
言ったのが浸透してしまっただけだとも
思われるのですが…。

*****

ともあれ、この
「SAUDADE」、

欧州葡語話者が発音すると、

「サウダードゥ」

のようになります。

ブラジルの発音、つまり「サウダージ」

とは、雰囲気が随分違います。

ちなみに
カーボベルデ・クレオールでは
「Sodad」

といい、
これは以前こちら  ↓ でご紹介した

セザリア・エヴォラの
名曲のタイトルにもなっていますが、

正直、こちらの方が
本家ポルトガルの「SAUDADE」
似ています。

又、そもそもの問題に触れてしまうと、
ブラジルの「サウダージ」の
カタカナ表記を
日本人が読んだ時の発音は、
「ジ」に「破裂感」がなく、
汚い音に聞こえ勝ちなのです。

というのも、

「サウダージ」の「ジ」は
「ディ」の音の延長にあるものなので、
「ji」や「gi」と表記するものとは違うものなのです。

ちなみに日本語の「ジ」や「ヂ」は
この「ディの延長の音」と
「ji」や「gi」の音の中間辺りに
位置するので、

どちらに転んでも当てはまらないという
残念な側面を持っています。

次に両者の音が交互に聞こえるよう
これらの音を含む単語のブラジル葡語発音を
録音してみますので、
再生ができる方々は聞き比べて見て下さい。

単語は以下の5つです。

dia = 「日(英語のday)」
giz = 「チョーク(白墨)」
tarde =「午後」、「遅い」
jiboia = 「ボアコンストリクター(蛇)」
saudade =「郷愁」

ということで、

本日は「ジ」という読み仮名への不満を述べただけになってしまいましたが

本日もお読み頂きありがとうございました。

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※「落語家の猫」はこたつぶとんさんの作品です。


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