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誰か教えて!- 1997年に BBC が1日中執拗に流したフェイクニュースの謎...

1997年2月、初めてアンゴラ共和国へ行ったときのことです。

宿はその後数年間定宿となる
「ホテル・プレジデント・メリディアン・ルアンダ」、

私の記事に何度も登場し、
当時はボロボロ、
今は「メリディアン」でこそなくなったものの
こんなに「きれいでお高く」なっているホテルです。


インフラが壊滅状態の当時内戦中のルアンダとはいえ、
さすがはブランド的には高級なホテルのこと、

部屋には一応テレビもあり、
現地の TPA (Televisão Pública de Angola) の他、
BBCやCNNも観ることができました。
(とはいえ、映るのはせいぜい4~5チャンネルでしたが…。)

📺📺📺


ホテルの自室で各々過ごした
その出張中唯一の日曜日のことです。

テレビっ子の私(苦笑)は
朝からテレビを点けていたのですが、

そもそも4~5チャンネルしか映りませんから
取り敢えずそれらのチャンネルで
それぞれ何をやっているかを見て回り、
そのどれかに落ち着く

ということを何度も繰り返していました。

その日BBCは、
朝から何やら訃報を報じているようで、
国葬のような盛大な
葬儀の様子が映し出されていました。

「あら、誰かしら?」

と少し見ていると、
どうやら女性の政治家のようで、

その名は
マデレーン・オルブライトというらしい…。

「ふーん、知らないな、この人...。
でも、随分有名で偉い人なんだろうな」

と思いつつチャンネルを替え、
現地ニュースを観たり
CNNを観たりしていましたが、

BBCが報じているニュースに関しては、
他はどこも取り上げてはいませんでした。

その日はその後も
4~5チャンネル全てを取り敢えず覗いてみる
という行為を何度も繰り返しましたが、
朝から晩まで
BBC はその話に徹していました…。


翌日、
昼食の時だったか、
誰からともなく、その話になりました。

「昨日のBBC、観ました?」

「一日中誰だかの葬式やっていたでしょう?」

「あの亡くなったおばさん、誰だか分かります?」

「マデレーン・オルブライトとか言うんでしょ?」

「いや、知らないなぁ…」

「でも、あれだけ盛大な葬儀を行うんだから
よほど有名な人の筈なんだけどねぇ~…」

等々...。

こうして我々一行は
わずか8泊9日の日程を終え、

BBC が盛んに「亡くなった、亡くなった」と報じていた
マデレーン・オルブライトが誰なのかすら
知らないまま帰国の途に就いたのです。

私はというと、
何故かこの件が非常に気になったものの、

なにせ今のように検索すれば何でもすぐ分かる
という時代ではありませんでしたから、

いずれあれが誰だったのか調べられればと
「マデレーン・オルブライト」という
名前を暗記&メモしておきました。

そして
帰国後しばらくして
テレビを点けての「ながら作業」中、

にわかに
「マデレーン・オルブライト」という名前を耳にしたので
画面に目をやると、

見たからに追悼番組などではないニュースで、
元気なマデレーン・オルブライト氏の姿が映し出されており、

どうやらその人は
米ビル・クリントン政権の国務長官らしいと判明したのです!

「何なんだ、これは?!」


と、

正体が判明した安堵感と
存命であることを知ったことによる
「狐につままれた感」が入り交じり、

しばし呆然としてしまいました…。

🌀🌀🌀

そう、
マデレーン・オルブライトといえば、この方。


くしくも本年(2022年)3月、
今度は本当にお亡くなりになりました…。

享年84歳でした…。

それにしても
あの「騒ぎ」はいったい何だったんでしょう?!

BBC といえば、
毎年エイプリルフールには
「とんでもフェイクニュース」を流したりすることで
有名ではありますが、

私がアンゴラにいたのは2月ですから、
これには該当しません。

マデレーン・オルブライト
国務長官に就任したのが1997年1月、
BBC の「フェイク訃報」が流れたのが
その翌月の1997年2月です。

このタイミングでのフェイクニュースとなると、
当然ながら
政治的な意味合いがあったものと考えられます。

ましてや
マデレーン・オルブライトとは
その前年にこのようなエピソードを残している人物です。

1996年、CBSテレビ『60 Minutes』に出演して、レスリー・ストールから対イラク経済制裁について“これまでに50万人の子どもが死んだと聞いている、ヒロシマより多いと言われる。犠牲を払う価値がある行為なのか?”と問われた際「大変難しい選択だと私は思いますが、でも、その代償、思うに、それだけの値打ちはあるのです」(“I think that is a very hard choice, but the price, we think, the price is worth it.”)と答えた。なお、オルブライトのこの発言を腹に据えかねた国連の経済制裁担当要員3名(デニス・ハリデイ、ハンス・フォン・スポネック、ジュッタ・バーガート)が辞任。このうちハリデイは「私はこれまで(対イラク経済制裁について)“ジェノサイド”という言葉を使ってきた。何故なら、これはイラクの人々を殺戮することを意識的に目指した政策だからだ。私にはこれ以外の見方が出来ないのだ」とコメントを残している。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

こうなると、
単に彼女が国務長官になったことへの
批判&嫌がらせ」だったのだろうとも
思えなくはありませんが、

とにもかくにも
BBC(英国放送協会)たるものが
丸一日をこの「フェイクニュース」に費やしたのです。

そのようなことがあれば、
後に大きな話題になりそうなものですし、

今でもBBCの歴史的事案として、
それこそちょいと検索するだけで
何かしら出てきてもよさそうなものだと思うのですが…、

ネット時代になってから
幾度となくこの件に関する何らかの情報がないものかと
探しているのですが、
未だに梨のつぶてで…。

???


はて、

あれはイギリス本国や他の先進国を避けた特定の地域だけで
放送されたものだったということなのでしょうかね…。

はたまた
私の検索の仕方が下手なだけなのか...。

それにしても、
「偉大なアメリカ」とはいえ自国でもない国の
国務長官になった人物が気に入らなかったとして

BBC たるものが他番組全てを犠牲にして
1日中フェイクニュースを流し続けるなどということが
はたしてあり得るものでしょうか?!?!

なんとも不可解です…。

このことについてご存じの方がいらっしゃったら、
是非とも教えて下さいませ!

<(_ _)> <(_ _)> <(_ _)>


本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!


※ 「謎だよ~!!」、否、
「消えた電球」はこたつぶとんさんの作品です。





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