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午前3時半からチェックインが始まるフライト(2)

サントメの小さな空港にまもなく到着するであろう
リスボン行きの飛行機を待っていました。

フライトはポルトガル航空 (TAP) のもので、
ヨーロッパの中ではすこぶる貧しいとはいえ、
ユーロ圏の先進国の飛行機ですから、
多少は期待していました。

ところが、期待も何も、
待てど暮らせど飛行機そのものが来ません。

仮にその瞬間飛行機が降りてくるのが見えたとしても、
搭乗までは、そこから早くても1時間以上はかかるでしょうから、
「密」な待合室で待ち続けるのは正直辛いものがありました。

前夜、2~3時間の仮眠をとっただけで、
午前3時半過ぎから3時間近くかけてチェックインを行い、
待合室という名の「密」な空間に閉じ込められてから
4時間以上待たされたのです。

*****

まもなく午前11時になろうかという頃、
ようやく飛行機が到着しました。

それからは意外と早く、30~40分程で搭乗開始、
お昼ちょっと前には無事離陸しました。

取り敢えず飛んだので、安心はしましたが、

これが例えばアンゴラであれば、
南ア航空の飛行機に搭乗した瞬間、
「ああ、普通の世界に戻った!」
と、ホッとするものなのですが…、

この時の飛行機は、
外から見ても古くて埃を被ったような
煤けた様子で、
中も相当使い込んでいると分かるもので、

迎え入れてくれたのは、
愛想の「あ」の字もないアラフォーくらいのCAと、
図体だけは大きいけれど、
まだ顔に幼さが残る若いCAでした。

私の席は一番前で、終始CAの様子が丸見えだったのですが、

まず、

飛行機がタキシングを始めると、
CA席に座った若い方のCAが
受話器を取ってアナウンスをします。

反対側にいる先輩に、「行くわよ、行くわよ」と
目で合図したかと思うと、
あんちょこシートを手に、

「Welcome abord on Emirates Airlines...

ん?

Emirates??

グァーハッハッハッハ~!」


エミレーツ航空のアナウンスシートをそのまま読んでしまったことに
気付いたCA、膝を叩いて笑い転げてしまって、
なかなか立ち直れません。

おいおい、そんなに足広げて膝を叩きまくったら
パンツみえちゃうって…。



てなわけで、

そのおんぼろ飛行機が、エミレーツのお下がりを
てんで大事にしないで使ってきたものだと
皆に知らしめてしまった若きCAちゃん、

しきりなおして読み直すも、
ツボっちゃってるから、なかなか読み切れません…。

最初は思わず一緒に笑ってしまった乗客も、
呆れて首を横に振りながら顔を見合わせる状態です。

ようやく読み終えたと思ったら、
飛行機は既に雲の中。

あっという間に巡航高度に達し、
今度は機内サービスです。

とにもかくにもCAは、二人ともサービス精神の欠片もなく、
通路側の客に
「肉?魚?」、「飲み物は?」
と訊ねて、言われたものを手渡したら、
その並びの他の客には

顎で「ん?」といった態度…。

そんな食事のサービスが終わると、
2人はゆっくり座って
おしゃべりに興じることに…。

ものすごい大声で、ああでもない、こうでもないと
ひたすらしゃべり、時折

「ギャッハッハッハッハ~!」


と笑い転げる…。
(その度にパンツが見えそうになる…。)

*****

その後、
しばらく出たり入ったりがあったトイレの往来も落ち着いたので、
私も今のうちに行っておこうかなと思った矢先、

例の若い CAちゃんが入ってしまいました。

「ま、CAが入ったあとならきれいだろうし、ちょうどいいや」

と思って待っていると、

やや時間は掛かったものの、化粧直しをした彼女が出てきました。

そして、出てくるや扉を足で蹴って閉めたのにはびっくりしましたが、
それ以上にびっくりしたのは、

その際、床にトイレットペーパーの端切れなどが
転がっているのが見えてしまったことです。

「やれやれ…。」


で、どうしたかって?

仕方がないので、予定通りトイレに行き、

「飛行機のトイレっつうのは、こうやって使うもんなんだよ…」

と、ブツブツと独り言を言いながら、
一通りの掃除をして出てきました…。

何やってんだ、私…。>爆!

*****

こうして、唖然としてしまって、ほとんど寝ることもなく、

リスボンに着いたのは夕方でした。

って、夕方だったのは、ポルトガルがサマータイムだったからで、
そうでなければ既に夜になってしまっていたのでしょうね…。

それにしても、
リスボン ⇔ サントメ間のフライトは、恐らくTAPが成績の悪い職員の
懲戒処分先か何かとして利用していたんでしょうかね…。

いやぁ、本当にびっくりしました…。

*****

でも、その後、
急いでホテルにチェックインして、町に繰り出し、
取り敢えずは遊べたので、

今になってみれば、

こんなフライトを経験する人なんて、そうはいないでしょうから、
これも「我が財産」だと思っています。

ほら、だって、こんな笑える記事が書けちゃったんですもの♪ (笑)


今回もお読み頂き、誠にありがとうございました!

キラキラトイレットペーパーキラキラその2

※ 「キラキラトイレットペーパーキラキラその2」は
こたつぶとんさんの作品です。






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