雨音とドリップ音と、鼓動と。
早朝、起きて台所へ。
少し薄暗いけど電気は着けない。
屋根や窓を叩く雨音が響き、
無性に珈琲を淹れたくなる。
ポットでお湯を沸かし
ゆっくりとした動きで
ペーパードリップ。
サーバーに静かに
珈琲のしずくが音を立てる。
ミルクを入れずブラック。
コーヒーマグを握りしめ
ゆっくり、すする。
目を閉じて、耳を澄まし、
雨音だけに気を注ぐ。
やがて珈琲の熱が
全身にとどろき、
雨音と胸の鼓動と重なる。
ゆったりと大きな息を吐く。
熱々の珈琲が恋しい季節。
この恋しさで
「大好き」という言葉がよぎる。
「大好き」が言い表すのは、
最上級の想い。雨がいざなった。
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