点っていた

気がついたら点っていた ふわりと。
その時にあなたの灯りも何故か見えた
確信はないけどあなたの瞳の奥を見つめると
その瞳は赤く灯っているように見えた
あなたから贈られる視線は
やわらかくて、あたたかくて、いい心地だ


大事に燃やしていた ぽわりと。
でもあなたの灯りはいつの日か見えなくなった
急にあたりは暗くなったようだ
私は私の灯りを信じたかった
でも見失ってしまったんだ
灯りは消えてしまったんだ

煙だけが充満していた ゆるりと。
鼻が痛くて、目が痛くて、涙が出る

足元には形のない灰が落ちている さらりと。
煙は何故か消えなかった
苦しい、苦しい
あなたは今何を思っているの
夜中についたスマホの光り
あなたからの着信
あなたも煙の中を彷徨っているの

2人の灰色の煙が交わった時
またあなたの灯りが見えた気がした
あぁやっぱり。
2人の赤色の炎が私たちを灯した。
夢のようにその夜は過ぎて、
私はまた灰の中にいた

でももう大丈夫
あなたの灯りをもう一度感じられただけで
心のどこかが少しだけ満たされた
もう大丈夫。さようなら。

十一月の冷えた風を感じて眠った ぴりりと

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