月面散歩

回る惑星たち

君と出会って、
初めて月に行っちゃったんだ。

2人で真空の中を散歩した。

真新しい雪のように、
まだ誰も踏みしめたことのない月面に足跡を残した。
浮いてどこかに行ってしまわないように、指を絡めて、
ひんやりとした君の掌が重なると安心した。

ねぇ、あのステップは覚えてる?
三拍子、優雅なヴァイオリンの音色
最後にはさ、なんだかすごく目が回って
2人で寝転んで宙を眺めたよね
微かに光を発する星がたまに見えた気がした

あたりは真っ暗だった
でも君の肌についた星が見えて、
それにくちづけをした。

月が回る。

2つの足跡。
それを独りで辿るのは少しさみしい。

君との月への旅は
名前を忘れちゃった星みたいに
そっとそっと
夜空に浮かんでいるよ
ずっとずっと


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?