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タモリとサウナと庵野秀明

娘と冷凍のたこ焼きを食べようと10個をレンジへ。レンジから取り出し、鰹節とソースをかけようとすると「醤油をかけたい」との要望を承る。たこ焼きに醤油だと?あり得ない。私は醤油はパスする旨を伝え、自分の分と娘の分は別皿管理とし、それぞれの志向に合う調味料を使おうではないか、と提案するも「否。全てのたこ焼きに醤油をかけ、統一したいのである」との主張で一歩も譲らず。こちら側も、負けじとたこ焼きの基本はソースであり、頑張って譲歩してもポン酢、明石焼きなら出し汁で、という一般論を強く提案するも、全く受け入れられず。「たこ焼きさんも醤油じゃなくてソースをかけて欲しいよ〜って言ってるよ!」などという擬人化した見え見えの嘘を吠えるも、そんな声は聞こえてこないと一蹴。一悶着の後、結果、無惨にも全てのたこ焼きに醤油がかけられたのであった。そして、意外に美味かったという話です。以上です。

続・サウナーへの道。遂に「サウナ・スパ 健康アドバイザー」を取得するに至る。所謂一つのネタである。初めてスカイスパ横浜へ。フィンランドサウナの湿度のずっしり感に感動。入った瞬間の熱さの重みで、こだわりが一発で伝わってくる。プレミアムアウフグースの狂騒。全裸のおっさん達がサ室の中で笑顔で汗をかき、熱波師とアガりまくり、その後集団で水風呂に向かう様子は、さながらサバンナの動物ドキュメンタリーでヌーの群れがをハイエナに追いかけられ、水辺に追いやられるシーンを彷彿とさせる。幸せ且つ、異常な光景である。恐らく日本にしかないだろう、これは。朝イチに行ってコワーキングスペースで仕事しつつ、サウナ入りつつ、カツカレー食べつつ、サウナ入って、仕事して…。結局、休日も溜まった仕事を捌き、溜まったストレスや澱をサウナで洗い流すマッチポンプ振り。ああ、早く人生をととのえたい。

「タモリと戦後ニッポン」読了。この本を書き上げる為の膨大なインプットと筆者の緻密なタモリの再構築に脱帽。戦後ニッポンというよりはタモリの半生とお笑い第二世代中心のお笑い論と読んだ。明石家さんまとビートたけしとタモリというBIG3比較のくだりも面白い。この本を読むともっともっとタモリのことが知りたくなる。しかし、タモリのことを知れば知ろうとするほどタモリは遠のいていき、言わばタモリは水のような存在と気づくはずだ。今後、テレビでタモリを見るとき、私はタモリもまだ見ぬ満洲や福岡の坂の上からの風景を私は想起するに違いない。そう言えば、千原ジュニアのタモリとのエピソードで、いいとも!が終わるのが発表された時期にタモリから誘われ、2人で飲みにいった後、タモリの家に行き部屋でウイスキーを飲みながら爆音でジャズを聴いて、その後トンカツを食べに行く話、最高だったな。私もタモリの八雲の豪邸に遊びに行かせてもらいたいな。タモリは本人が言うところの〈ネアカ〉であり、村社会やジメジメした自己憐憫に連帯するような日本人のメンタリティをディスり、記号的な遊びに興じてきた。まさにジャズ的。タモリのインテリジェンスに日本人は、自分たちの中産階級へアップデートされていく躍動を確かめたのだろう。私はタモリを失いたくない。

バンクシー展なるものが開催されると聞き、唖然。壮大なギャグと理解する。

松本人志と庵野秀明の対談を観た流れで、庵野秀明のNHKのドキュメンタリーをアマプラで。めちゃくちゃ面白くて震えた。奥崎謙三と同じレベルの被写体の力。製作側もドキュメンタリーがなんたるかを完全に理解していて、ポレポレ東中野、イメージフォーラム、アップリンクで掛けられるレベルの名作ドキュメンタリー。ちなみに私は「エヴァンゲリオン」を1回も観たことがないので、これはもしかすると40代の愉しみになり得るのではないか。取り敢えず「トップをねらえ!」から見始めるぞ。

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