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「追跡 金正男暗殺」を読んだ【読書感想】

プチ鹿島が以前番組にて紹介。

この事件ってなんとなくしか知らなくて、実行犯はドッキリのつもりで殺すつもりは全く無かった、っていうことしか知らなかったのだか、最近映画になっているのを見かけたりして興味が湧いたので読んでみた。

話としてはマジかよ、の連続であった。

実行犯の2人は殺意なく(と証言している)自らの行動で金正男を殺してしまう。証言を元に時系列に沿って緊張感無く話は進んでいく。憶測で書かれている部分もあるのだが、確かに筋が通っているし、犯行を指導した方も初めから尻尾を切るつもりなら足がつかないのでこの方法も理にかなっているなとは感じた。

実行犯になってしまったこの2人は確かに気の毒だし、自分の行動が殺人に繋がってしまうなんてとても恐ろしいとは思う一方で、2人の不用意さというか全くもって思慮深くない感じから感情移入はあまりできなかった。ただ、悪戯レベルでやったことがきっかけで最終的に国と国とのやりとりに巻き込まれており、不用意だったとしても個人で抱える範疇を超え過ぎている。

国としての豊かさや隣国との問題とか個人の格差とか色々あって生じてしまうことがあるのだろうけれど、このドッキリがドッキリ番組として成立している感じも含めて日本では考えられないことである。

金正男は亡くなっているし国としては大きな問題であるが、物語としては非常に面白かった。それにしても表紙はもっとどうにかならなかったのか。

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