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日本橋川と日本橋 その参

スローリー余話
川と橋と美味しいもの#24

魚河岸があった頃(写真提供:中央区立京橋図書館)

江戸時代には一日に千両のお金が動くと言われた日本橋の魚河岸ですが、明治維新による社会や経済情勢の変化により市場は一時衰退します。その後、東京府の「魚鳥並青物市場及問屋仲買営業例規並税則」による市場の運営がはじまり安定的な庶民への食の提供がはじまりました。一方、明治政府は文明開化を推し進めるなかで日本の中心地・日本橋に魚河岸があることが前近代的と考え魚河岸の移転計画を発表していましたが賛成派と反対派の意見が分かれ関東大震災で大きく損傷し築地に移転するまで日本橋に魚河岸があったのです。そんな時代から宮内庁御用達の鮮魚店『高根屋』を発祥とする『繁乃鮨』は日本橋本町一丁目にあります。

目利きから生まれた
美しい美味しさ

繁乃鮨

明治初期に日本橋魚河岸に魚屋『高根屋』として創業。宮内庁御用達を拝命し今でも神事に用いる魚を納めているという。昭和初期に魚屋としての目利きを活かして「江戸前の味を堪能いただきたい」という思いで鮨屋として創業し現在に至っている。三代目のご主人・佐久間一郎さんの気さくな人柄もあり老舗でありながらも気軽に入れる雰囲気と伝承の目利きによって揃えられたお魚を正統派の江戸前鮨を頂けると最近では海外からのお客様も増えている。魚屋時代からの目利きによって仕入れる旬の最高のお魚を真心こめて握られる江戸前鮨はいずれも美しく頂く前に“美味しさ”を愛でる愉しみがある「美しい美味しさ」だ。

繁乃鮨
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町1-4-13 高根屋ビル
03-3241-3586
営業時間:11:30-13:30 17:00-21:30
定休日:土・日・祝