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築地川と祝橋

スローリー余話
川と橋と美味しいもの#16

築地川埋立前の風景。手前から2ッ目が祝橋(写真提供:中央区立京橋図書館)

1980年後半バブル期の広告業界では「電通」のことをその本社所在地であった「築地」と呼称する習慣がありました。あの丹下健三氏が設計した力強いデザインの旧電通本社ビル(1967年竣工)のあった築地と銀座をつなぐ首都高速都心環状線(埋立前は築地川)の上に架かる「祝橋」。かつては地方新聞社や地方放送局の東京支社が銀座や築地周辺にあり多くの広告関係者が行き交ったと想像できる「祝橋」。ここを銀座方面に向かった横丁には昔から愛される手づくり「コロッケ」の『チョウシ屋』があります。元は精肉店だったのですが今や『コロッケサンド』や『ハムカツサンド』が有名な売切れ御免の人気店です。
(以下、2023年10月発売『東京Slowly² vol.2』より)

手作りゆえの“売切御免”

銀座三丁目
チョウシ屋

閉店前にほぼ毎日売り切れる人気もの

多くの芸能人に人気のお惣菜とサンドイッチの有名店『チョウシ屋』は、この界隈を「京橋区木挽町」といった1927(昭和2)年の創業した精肉店。当時、コロッケは家庭料理として普及していた時代にじゃがいもと挽肉を使った『ポテトコロッケ』をお肉屋さんのお惣菜として販売し一躍人気に。現在も創業以来のレシピを忠実に守って作られている。『ちょうし屋』のコロッケは、揚げたてはもちろんのこと時間が経っても美味しい逸品だ。毎日早朝からじゃがいもを蒸し手作りされるコロッケは忘れかけていた記憶を呼び戻す。

揚げたてはもちろん。冷めても美味しいコロッケ

お惣菜としても人気だが、食パンもしくはコッペパンを選べる『コロッケパン』は近隣で働く人のみならず場所柄、楽屋への差し入れなどにも使われる人気商品だ。最近テレビ番組で絶賛された『ハムカツパン』とともに銀座土産として買い求める顧客も多い。お店は三代目の若旦那と二代目の女将さんのツーオペレーション。閉店は午後6時だが、ほぼ毎日閉店前には完売する食品ロスとは無縁の老舗。「事前に電話で予約する」その手間も厭わない美味しさだ。

コロッケとの相性抜群のコッペパン

チョウシ屋
〒104-0061 東京都中央区銀座3-11-6
03-3541-2982
営業時間:火-金11:00-14:00 16:00-18:00 
売切れ次第終了
定休日:土・日・祝・月