野村恭彦(Slow Innovation代表 / KIT虎ノ門大学院教授)

「渋谷をつなげる30人」「京都をつなげる30人」などを数年間続けてきて、イノベーション…

野村恭彦(Slow Innovation代表 / KIT虎ノ門大学院教授)

「渋谷をつなげる30人」「京都をつなげる30人」などを数年間続けてきて、イノベーションは「スローフード」のように、プロセスを大切にし、人と人との関係性をつくり、小さな変化がさざ波のように社会を進化させていく「スローイノベーション」に向かっていくのだと実感しています

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最近の記事

ヘンカク旅〜「THE TOKYO TOILET」ツアーのもつ意味は?

先日、渋谷で開催された「THE TOKYO TOILET」ツアーに参加した。そのとき偶然にも日経MJの取材も入っていて、記者さんとカメラマンさんとも仲良くなった。記事には、私もずいぶんと写っており、特に2枚目の写真などは、トイレで手を洗う記念写真のようだ。このTOKYO TOILETツアーがもたらす、社会にとっての意味を考えたい。 「THE TOKYO TOILET」ツアー記事では、「公衆トイレが観光スポットになっている。東京・渋谷で3月、トイレだけを巡るツアーが始まった。

    • コミュニティナースのビジネスモデルから学ぶ社会変革の可能性

      コミュニティナースが注目されている。多角経営型、行政支援型、企業スポンサー型など、さまざまなビジネス形態で、「共助関係のハブ」として多くの地域において、なくてはならない存在になっている。 おむすびスタンドのコミュニティナース次の記事では、おにぎりブームの紹介に加え、「そのおにぎりを、地域住民の健康の見守りにつなげる看護師がいる」ことを伝えている。「おかえり」「今日はどう?」と、おむすびスタンドを訪れる客に声をかけるという小鹿千秋さんは元看護師だ。看護師時代に「病院を出ると独

      • トモダチ経済圏〜「終わっても仲間」がイノベーションを生む

        このところ、大企業のアルムナイ(同窓生)ネットワークが花盛りだ。終身雇用が終わりを告げ、雇用の流動性が高まったため、社員の持つ知識や経験をつなぎとめたい企業の思惑と、懐かしい仲間と繋がっていたい社員の気持ちが一致する。アルムナイのネットワーク化のその先に、どんなイノベーションの苗床が生まれるか考えたい。 ネットワーク1.0:同窓会次の記事は、パナソニックが中途退職者の交流ネットワーク「アルムナイ」を4月に立ち上げる、というものだ。「希望者が戻りやすい環境整備を急ぐ」と記され

        • スロー・イノベーション〜「スローと経済成長」の矛盾を超える視点

          「スロー」を掲げて仕事をしていると、忙しい毎日を送りながらも、実は整った生活をしたいと願っている人が、実に大勢いることがわかる。みんな、「スロー」にすることを感覚は求めているのだけど、頭は「ファスト」を手放すことを恐れているのだ。しかし語義矛盾的ではあるが、「スロー」にすればするほど儲かる(つまりイノベーションが起こせる)ならば、「ファスト」でいることに何のメリットもないのではないか。「スローで経済成長する」という矛盾を超えるための視点を考えたい。 経営をスローにはできない

        ヘンカク旅〜「THE TOKYO TOILET」ツアーのもつ意味は?

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          「私は男でフェミニストです」に学ぶジェンダード・イノベーション

          この世界はバイアスにまみれてできている。バイアスを完全になくすことは不可能だが、自分のバイアスがほかの誰かを生きにくくしているとしたら?と思うと、なんだか居心地が悪い。今回は、「ジェンダード・イノベーション」というキーワードに注目し、ジェンダー平等を精神論だけではなく、イノベーションの機会として捉え直す可能性について考えたい。 ジェンダード・イノベーション日経の記事に、「ジェンダード・イノベーション」というキーワードが何度も登場するようになった。次の記事では、「人工知能(A

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          市民協働まちづくりのプラットフォーム〜門川大作京都市長の本当の功績

          門川大作京都市長の任期終了先週末、いつも着物の名物市長、門川大作さんが、16年間にわたり務められた京都市長の役割を終えた。 私の京都への移住と本社移転の理由は、門川市長のつくってこられた「市民協働まちづくり」がもたらした、「市民協働に関わるたくさんの仲間」の存在である。市長の16年の終盤は、財政再建、コロナ対策、いまは人口減少対策に取り組む姿ばかりが目立っていたが、私の目からみると、門川市長の最大の功績は「市民協働まちづくりのプラットフォーム」の可能性を示したことである。

          市民協働まちづくりのプラットフォーム〜門川大作京都市長の本当の功績

          100年思考〜未来の価値観で現在の文化は裁かれるのか

          毎年、日本各地で開いてきた「つなげる30人」。一つの都市に関わる行政、企業、NPOから30人の主体的な参加を促し、30人が一つになって「都市の未来」をつくる、社会イノベーションプログラムです。先日、今年度の「京都をつなげる30人」の最終報告会がありました。今年度の京都をつなげる30人で検討されたテーマの共通点は、「100年先の京都を考える」でした。100年後を嬉々として語り続けられる都市は、京都しかないでしょう。今回の記事では、「100年後を考える」ことの意味を掘り下げてみた

          100年思考〜未来の価値観で現在の文化は裁かれるのか

          ファミリーキャリア起点の組織開発

          KIT虎ノ門大学院のゼミでは、それぞれの社会人学生が自分自身の問題意識から研究テーマを選びます。その一人の修了生の研究テーマが、「自分らしい働き方」だったのですが、大企業に勤めながら2人の子育てをする社会人学生の彼女は、何度も「マミートラック」という言葉を使っていました。男性性を中心とするその伝統企業では、良かれと思って女性の成長機会を奪っているようでした。日本企業でのジェンダー平等の実現には、制度だけではなく、組織風土が変わる必要があります。今回の記事では、「ファミリーキャ

          「食」という魔法〜あっという間に関係性を変える圧倒的な体験価値

          人との深いつながりを作ろうとしたとき、どういう形で会うのかはとても重要です.。会議室で会う、相手の家を訪問する、こちらの家に来てもらう、ランチを食べる、夜ご飯を一緒に食べるなどなど。あなたが本当に相手との良い関係を作ろうと思った時は、いつもどうしていますか。ここでは、ただ食べるを超えた、「食の特別な体験価値」について考えてみたいと思います。 食を通して文化を知る食は、文化的な壁になることもあります。私も初めての国際会議でインドに行った際に、どのカレーも辛すぎて食べられず困っ

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          週休3日制のムーブメントはホンモノか〜一緒に試してみませんか?

          週休3日。なんて素敵な響きなのでしょうか。水曜日を休みにすれば、月曜火曜と働くと休みがあって、また木曜金曜ともう二日働くと、土日がきます。月曜から金曜まで毎日残業して、それでも仕事が終わらずに土日にもはみだすような働き方をしてきた人にとって、週4日しか働かないというのは「成長の放棄」に見えるかもしれません。この週休3日の波に、企業の経営者はどう対処したらよいのでしょうか。 日本でも広がる週休3日制次の記事では、「給料が減らない週休3日制を取り入れる動きが広がりつつあります」

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          公園3.0:地方の駅前をぜんぶ、みんなでつくる公園にすることは可能か?

          まちづくりにおいて、公園は大きな可能性だと思います。渋谷にいたときは、笹塚・幡ヶ谷・初台を横断する緑道公園の整備に、地元区民のアイデアと実験を取り込むためのファシリテーションをしました。当時は、南池袋公園が話題になっていて、訪れると、カフェを中心に気持ち良い芝生の空間が広がり、公民連携の公園づくりの力を感じたものでした。今回の記事では、公園の民営化のその先の可能性を考えたいと思います。 民間のお金で公園を整備するパークPFI次の記事では、福岡で「稼ぐ公園」づくりに成功してい

          公園3.0:地方の駅前をぜんぶ、みんなでつくる公園にすることは可能か?

          サステナビリティ時代のグローバル経営とローカル経営〜世界経営者会議からの示唆

          最近はSDGsバッジをする人も影を潜めてしまいましたが、サステナビリティ時代への転換が当たり前になったからでしょうか、あるいは、一時の流行が過ぎて、忘れかけてしまったのでしょうか。グローバル企業はいま何を考えているのか、日経新聞の世界経営者会議に注目しました。 サステナビリティ時代のグローバル経営日経新聞主催の世界経営者会議のなかに、三菱ケミカルグループ社長のジョンマーク・ギルソン社長の「未来を拓く科学・技術と、変革のリーダーシップ」というセッションがありました。聞き手が、

          サステナビリティ時代のグローバル経営とローカル経営〜世界経営者会議からの示唆

          地域の未来を観光に頼っちゃって大丈夫?

          観光産業は税収につながりにくいと言われています。その証拠の一つに、京都市はこれほど多くの観光客が来ているのに、財政ワースト市町村の上位に名を連ねています。しかし、多くの自治体が今後の税収の期待を観光と移住に求めているという現状があります。移住は国内での人の取り合いにすぎないので、どこかが出っ張ればどこかがへっこむだけです。だから国としての頼みの綱は観光になるのですが、それは100年後の未来から振り返って、良いインパクトを生み出すものになるのでしょうか。 観光客の数の競争では

          地域の未来を観光に頼っちゃって大丈夫?

          町内会はDX(デジタルトランスフォーメーション)すべきか〜京都で感じた町内会の「濃いつながり」

          地域コミュニティっている?と思いながら渋谷区に長いこと住んでいましたが、いま京都市に住んでみて、地域コミュニティの中に、ウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)を支える答えがあると感じるようになりました。たぶん移住者だからこそ、京都の「つながりの濃さ」を前提としたコミュニティ運営が新鮮であったかいものに見えたのだと思います。そして、コミュニティを一番大事な社会インフラなのだと考えるようになりました。 京都の町内会の「濃いつながり」京都に来て一軒家に住むことにすると、まず

          町内会はDX(デジタルトランスフォーメーション)すべきか〜京都で感じた町内会の「濃いつながり」

          短期的に「文化で稼ぐ」だけ?〜100年後に「もっと美しい京都」をつくるために

          京都は長年にわたって、文化と経済のトレードオフのバランスをとってきました。その結果、じわじわと文化や街並みを削って、経済を回してきたと言っても間違いはないでしょう。私は、京都で町家保存に取り組む地主の方が「このままだと京都は、ただ世界遺産のある普通の街になるぞ」と怒りながら語っていたのが忘れられません。街並みの保存を個人に任せっきりの行政の政策に対する不満があるからです。一方で、世界的なトレンドとして「持続可能な経済」、つまり環境や文化を守ることが経済によって後押しされる時代

          短期的に「文化で稼ぐ」だけ?〜100年後に「もっと美しい京都」をつくるために

          能のお稽古を始めてみると〜ビジネスリーダーにおすすめしたい3つの理由

          京都に移住してみると、能というものがたいへん身近にあることに気づいたんです。神社含め、能舞台はあちこちにあるし、お稽古をしてくれるお師匠さんもたくさんいらっしゃる。初心者向けの能舞台のイベントもちょくちょく開かれています。お師匠さんによると、能を鑑賞する人は少しずつ増えているのですが、能のお稽古をする人はとても少ないとのことです。それはそうですよね。能のお稽古をするなんてことは、東京にいたときは考えもつかないことでした。この間、初めての発表会に出たことをSNSで知らせると、何

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