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「天」とは?

古来、人は何を探していたのだろうか?
己の不可知さを内在するがゆえに、
それに似た何かを探っていたのだと思う。
不可知ゆえに自らを見ることができない。
だからこそ、最も似ている何かを探るのだ。
それは鏡に映る己の姿ではない。
そのような凡庸さでは満たせない何かだからこそ
人は天空の星空を仰ぎ見た時、
これこそが一番似ているものだと探り当てたのだ。
その時、昔の人はそれを「天」と呼んだ。

しかし、

「天」とは我々が天空宇宙と呼ぶ、科学的に見た天体ではない。
現代では「天」は形骸化してしまった。
生活に「電灯」が導入され、文明生活が実現したその時に天空の星空は消滅したからだ。
同時に己の不可知さも消え入ることになる。

科学に飲み込まれ、やがてはタグ付けされ、
すべてがモノ化されていく。
このままだと我々も出荷される豚の隣に並ぶことになるかも知れない。
この苦境に耐えて、人類は文明をジャンプさせることはできるだろうか?
それとも滅びるにはいいタイミングなのか?

「天」とは? 何ですか?

もう答えられない。

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