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花はなぜ美しいのか

春が来て、路地裏に咲く花も美しい。

若い頃は花に全く興味がなかった。

しかし歳を重ねると、花鳥風月が気になり始める。

自分なりに理由を考えてみると、花鳥風月に見られる生命力が気になっているようだ。若い頃は自分の中の爆発的な生命力を持て余し、むしろその開放に忙しかったが、枯れ気味になってくると、季節ごとに増減する生命力の躍動感が愛おしく感じる。

そういうわけで花を愛でるようになってしまった。最近はカメラを買って、時おり花を撮影している。

それはさておき、花はなぜ美しいのだろうか。

なぜ改良されて人間の趣味思考に合わせられるのか。私が花であれば、生殖の手伝いをする昆虫を最大限におもてなしするが、植物は私の考える以上に狡猾でかつ長期戦略を持っているのかも知れない。

ほとんどゼロの確率で偶然が重なり、宇宙と地球と生命と人間が都合よくポンと出現したが、花もまたその一部なんだろう。花も都合よくポンと美しく咲くことができる。花だけ不器用なはずがない。人間が美しいと思う花が生き残っただけだ。花はそれだけ人間に美しさを提案する能力があった。選ばれて生き残るために。だからこそ美しい。

地球に王国を立て、その王として君臨する人間様。その人間が強いと知っているから花は美しく答えてくれる。人間が無力化し植物の繁栄にむしろ邪魔になってくると、一斉に花は異臭を放ち醜い形状となって、人間を毒気で殺しに来るのではないか?

人類が弱体化すれば花の美しさは消えるかも知れない。

そういった緊張感の中で花は美しく咲き、人をコントロールしている。

だからこそ銀座には胡蝶蘭が咲き乱れ、社長をコントロールする花の化身がいる。




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