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さいかちどブンコの読書記録とゆたかな文庫追加図書

こんにちは。越谷こどもさんぽです。

今日はさいかちどブンコで借りて読んだ本の感想と、さいかちどブンコ内の私の一箱本棚、ゆたかな文庫の本棚に追加する本の紹介をします。
明日5月1日のとしょ係の際に借りた本の返却、ゆたかな文庫の蔵書の一部入れ替えをする予定です。

読んだ本
①「WONDER ワンダー」R.J.パラシオ著
アメリカの作家による小説で、生まれつき顔に重度の障害を負って何度も手術を繰り返してきた男の子が10歳で初めて学校に通い始める物語です。
主人公の男の子の顔は目、鼻、口、耳それぞれにかなりの変形があります。
意地悪をするつもりがないごく普通の人でも、自然と驚き、遠ざかってしまう、大変な見た目です。
大人でも衝撃を受ける顔を持つ主人公が、率直な同世代の子どもたちの集団とどう付き合っていくのか、引き込まれてながら一気に読みました。
章ごとに色んな人物の視点で語られるので、一見恵まれていそうな児童の事情や苦しみなどもわかり、人物それぞれの行動の背景など考えると本当に色々考えさせられます。
敬遠していたり、敵対していたり、うまく行っていない関係でも、一緒に多くの時間を過ごすことで絆が生まれることもあるんだなと思いました。共通の敵・困難も、絆を深めます。
理解できなくても同じ時間を過ごすことの力を感じました。
さいかちどブンコ、decima arcaさんの本棚で読めます!

②「スマホを置いて旅したら」ふかわりょう著
お笑い芸人のふかわりょうさんがスマホや本を持たずに美濃地方を3泊4日で旅したことを書いたエッセイです。
何もしない、ぼーっとする時間を大切にするため、スマホも本も置いて旅していきます。
旅先の美濃の名産の和紙と、水琴窟の話がよく出てきます。
旅の移動手段や移動先、宿泊施設などはあらかじめ組まれているので、通りすがりの人に色々聞くとか行き当たりばったりアナログで決めているわけではありません。
スマホではなく使い捨てカメラで少しだけ写真を撮る、リアルタイムでネットに上げたりしない、お店を選ぶときネットのレビューを見たりしない、というところがスマホを使わない要素です。

旅のまとめで出てきた、スマホの画面越しに自分と社会との関係性を確認し続けて、身の回りで起きていることに目を向ける時間が減っているという考察はそのとおりだと思いました。私も心当たりがたくさんあります。
いちばん大切なことは目の前のこと、目と耳の届く範囲のことなので、そこに注意を向けていきたいですね。
スマホを置いた状態を、糸の切れた凧とする表現もいいな〜と思いました。
スマホが生活を便利にする半面、誰かに都合がいいように行動を決められていないか、という視点がありました。
さいかちどブンコ、OSHiさんの本棚で読めます!

ゆたかな文庫本棚に新しく入れる本
①「良寛のスローライフ」松本一壽著
生涯自分の寺を持たずに、乞食僧として子どもと遊び暮らした良寛の質素な生き方を紹介する本です。
托鉢は、裕福な家の余った食べ物をもらうのではなく、貧しい家からもらうそうです。

良寛は飢饉のときにも農作業は一切手伝わず、子どもと遊んで食べ物を求めるだけでした。
食べ物を作らずタダ飯を食べることに批判もありましたが、この本を読み終わると良寛の生き方の芯にある信念がわかります。

良寛は巡回先の家の老人に按摩やお灸をしながら世間話をして、とても喜ばれました。
働けず、家で疎まれがちな老人は、良寛に向き合ってもらって心が救われたのだと思います。
老人が明日も来るように良寛に頼んでも、良寛は明日の命はわからないからと言って決して約束しなかったそうです。

また、良寛が草庵の中で病気で寝ていると、夜中に盗人がこっそり盗みに入ってきたそうです。
草庵の中には物が何もなく、良寛が寝ている布団くらいしかなかったので、盗人は布団を取ろうと引っ張りました。
良寛は盗人に気づいていて、粗末な布団だけでも盗ろうと必死の盗人を気の毒に思いました。
そして、布団を盗みやすいよう、寝たふりをしたままわざと布団から転がって、体をどけてあげたそうです。
盗人は無事布団を奪っていき、病気の良寛は布団なしで寝ることになりました。

「欲無ければ一切足り、求むるあれば万事窮す」という良寛の漢詩の潔さはすごく、まさに良寛の生き方を表していると思います。

一見不可解に見えるけれども筋の通った良寛の生き方を読むと色んな衝撃を受け、自分の生き方を省みることになります。

②「山野草のある庭づくり」久志博信著
日本の野山に昔から自生する山野草の庭での育て方を教える本です。
季節ごとの山野草の姿の写真を見るだけで、可憐で控えめな姿に胸がときめきます。
美しい山野草を楽しんでみてください。

蔵書から一旦外す本
①「これからの男の子たちへ」太田啓子著
有害な男らしさの呪縛から男の子を守るための本です。
私の妹に貸したいと思い、一旦蔵書から外します。

妹の家では幼稚園に行く男の子の下に赤ちゃんが生まれました。
子ども2人がいて食事やお風呂や寝かしつけの手が回らないので、月に何回かお手伝いさんに来てもらって手伝ってもらうそうです。
お手伝いさんから男の子に「お兄ちゃんなんだからちゃんとしなさい」と言われることに、妹は疑問を持っているそうです。
好きでお兄ちゃんになったわけじゃないのにお兄ちゃんらしくいることを強制されるのはかわいそうだと思うそうです。
その妹の感じたことを勇気づけてくれるのがこの本だと思ったので、この本はしばらく妹に貸して、家事と育児の合間に少しずつ読んでもらえたらいいなと思いました。

②「もうレシピ本はいらない」稲垣えみ子著
「美味しいもの」を際限なく求め続ける現代の食生活に疑問を投げかけ、シンプルで手間のない美味しい食事を提案する本です。
妹の食事の準備が少し楽になればいいなと思い、この本もしばらく妹に貸します。
先日noteであった著者の稲垣さんのチャーハンから考える家庭の料理考察も、この本のエッセンスが詰まっていてとても良かったので、リンクを貼ります。

色んな本を読んで色んな考え方に触れるのは楽しいですね。
さいかちどブンコでぜひ読んでみてください。

明日さいかちどブンコに返却と追加で持っていく本です。


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