見出し画像

【ブルアワーにぶっ飛ばす】感想


『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(prime video)

ーーこんにちは、本当の自分。
さようなら、なりたかったもう 一人の私。


不思議な映画だった。
でも本当は誰にでもある複雑な感情を
砂田によって思い知らされた気がした。


現実は厳しくて他人どころが自分のことも
よく分からないからとりあえず走る。

向き合わないように、目を背くように
自分のことを理解しないように生きる。
走っていれば考えなくて済む。
とりあえず笑って流す。
酒を浴びて逃避する。
なにも考えたくない。知りたくない。
ただ、清浦だけはこんな自分を慕ってくれる。

大嫌いな地元、家族に向き合ったとき
自分自身を嫌でも知ることになる。
本当の自分、これが自分。
ブルアワーが差し掛かるとき
清浦との別れがおとずれる。

砂さん、そういうのダサいっすよ

ダサくてカッコ悪い不器用な自分でもいい。
寂しがりで弱い自分でもいい。
なんでもいいから、生きてればいい。

砂田の茨城から東京へ戻る車中の顔、
めちゃくちゃいい表情だったな。

好き嫌いの分かれる作品だと思うが、
私は夏帆のやさぐれ女感と母親役の南果歩で
最後まで間延びせず楽しめた。
あと、シムウンギョンがとても可愛い。

伊藤沙莉がちょい役で出てたが
めちゃくちゃ歌うまかったな。


私は田舎はないが愚痴っぽい母と、
無関心な父に関しては共感してしまった。
他に言うことないないのかよ、とか
いい歳していつまで怒らせんだよ、とか
分かりたくないのに分かってしまった。
そういうのって近くにいたら駄目なんだよ。
距離感は近いからいいってもんじゃない。
自分にとってベストならそれでいいや。
と思えた。

【ブルアワーとは】
一日の始まりと終わりのあいだに 一瞬だけおとずれて、空が青色に染まる静寂の時間。

ちなみに砂田の実家のモデルは
脚本もつとめた箱田優子監督自身の実家だそうだ。

興味がある方は是非☺︎