SEIWA-BB 激遅ネット奮闘記
「無料の高速インターネット」
1年ほど前、生和不動産の賃貸物件に引っ越した。この「生和不動産」は大阪に本社を置く、資本金数十億の中堅のデベロッパー。TVCMなども流してたりするような会社だ。
回線料 + プロバイダ料で月々10,000円近くの出費となることもザラな昨今。生和不動産が貸し出す物件に付いてくる無料の高速インターネット、「SEIWA-BB *」こそが、私が物件選びを終える決め手となった。
「無料の高速インターネット」という謳い文句に不安はなかったか?と聞かれれば、「否」と答える。
なぜなら無料のインターネット付き物件は、私にとって2軒目。以前住んでいた物件ではJ:COMのインターネットを無料で使用することができた。その速度はなんと300Mbps。
流石に、それと同等の速度が出ることは期待していなかったが、それでも「高速」を謳うのだから50~100Mbps程度は出るのだろうと思い、入居したのだ。しかし、それが運の尽きだった。遅くて途切れまくる、自称「高速インターネット」のSEIWA BBとの戦いの火蓋は、この時切って落とされた。
「あー、セッション数多すぎですね〜」
入居後、荷解きも終わりきらぬうちにルータをセットアップした。ワクワクしながらPCの電源をON。早速ブラウザを開いた。
久しぶりのインターネットは途切れ途切れでとても遅く、画像一つ表示するのに延々と待たねばならなかった。あまつさえ「インターネット未接続」のエラーが頻繁に表示される有様。誇張ではなく、googleの検索すらままならないような状態であった。モデムが28.8kbpsだった時代からインターネットを嗜んでいるが、そういう意味でも久しぶりのインターネットを味わった。
「入居したてだし、管理会社の設定が間に合わなかったのかな」
そう自分を納得させた私。ムクムクと膨らむ悪い予感を振り払い、管理会社に電話をした。状況を説明し改善を訴えたところ、担当の方からは「あー、セッション数多すぎですね〜」との返答だった。
曰く、スマホ・タブレット・PC 2台・google homeを置いている我が家はネットに接続する機器が多すぎて、マンションの設備では捌き切れないとのこと。俄かには信じがたい理由だったが、担当の方は接続が快適になるよう、設備の再設定を約束をしてくれた。とてもフレンドリーで、対応も良かったのが救いだった。そして、実際その後すぐに通信品質はかなり改善した。
まあそれでもPCを再起動し、ブラウザのページ読込やOSのバックグラウンド通信が重なるタイミングには、すぐに「インターネット未接続」のエラーが表示されるようなショボい品質ではあったが。
そして、どうやら部屋ごとに帯域制限がかかっていることもわかった。速度の上限は20Mbps。「高速インターネットにしては遅い」というのが率直な感想だ。何せ、最高のパフォーマンスでも1秒間に2.5MBしかダウンロードできないのだ。YouTubeなどはまあいいとして、OSのアップデート、ゲームのダウンロードなどは最低でも数時間待つことになる。アプリの更新ですら最低でも数十分かかるし、LINEでのビデオ通話は絶望的だ。実際ビデオ通話などは、マンションの利用規約で禁止に近い扱いとなっている。
断言できるが、「ビデオ通話はご遠慮ください、でもネットの接続は高速ですよ!」は21世紀における立派な二律背反だ。ビデオ通話を避けるべき回線は、「高速」を名乗ってはならない。これには国民の大多数が同意してくれるはずだ。
「そして時代は0.4Mbpsの時代へ…」
かなりの不満を抱きつつも、20Mbpsを騙し騙し使っていたある日。いつも以上にネットが遅いことに気づいた。googleで「speedtest」と検索し、通信速度を計測してみる。結果は驚きの0.4Mbps。秒間50KBしかダウンロードできてないということだ。比喩ではなく、今まさにインターネット黎明期時代の速度を体感しているのだ。
「"無料高速インターネット"の謳い文句に、偽りしかなし!!」と、ある種の感動を覚えつつも、まずは自分の環境に異常がないかを確認。原因が自宅機器よりも上流にあると判明したあとは、念の為一週間ほど様子をみた。しかし、通信速度は一向に改善する気配がなかった。時間帯によっては0.4Mbps、空いてる時間帯にやっと10Mpbs程度という体たらくである。
因みに、この件についても管理会社に連絡をし、ちゃんと状況を説明してもらった。しかし「さらに上流のNTTの回線が輻輳しているので、当分は改善が見込めない」ということであった。つまり、しばらくの間は0.4Mbpsの激遅ネットで過ごさなければならないのだ。てか、しばらくってどれくらいよ。20Mbpsですら不満なのに、0.4Mbpsなぞ「遅い」どころの話ではない。激遅である。しかも相変わらず途切れる。
はっきり言って、こんな品質の回線が家賃に上乗せされていると思うと、少なくとも生和不動産の「高速インターネット無料」はむしろ避けるべき条件である。さらに悪いことに、SEIWA-BBは回線の変更・追加ができない。例えば自室だけNuroを引き込むなんてことはできないのだ。「仕方なくポケットWiFiを使ってます」という方もいるそうだ。地獄か。通信費を節約しようと選んだ物件の通信品質が悪すぎて、追加で出費が発生するなんてあっちゃダメでしょ。
念の為フォローをしておくと、管理会社の対応はかなり親切だし、問題が発生した時の処理も早い。そこは非常に良いところなのだが、いかんせん元々の回線品質が悪い。悪すぎる。
結論:SEIWA-BBは信じられないくらい遅い上に、よく途切れる「高速無料インターネット」である。よって、物件選びでは避けるべき。
ネット上にあまりSEIWA-BBに関する評判がなかったため、このnoteをしたためたが、今現在0.4Mbpsという状況は変わっていない。そんなわけで、これからもSEIWA BB 激遅ネットとの奮闘は続くのである…。
続いた↓
https://note.com/slow_internet/n/ne964ab3336b7
※ SeiwaBB, 生和BB, SEIWA BroadBandなどの呼びがあるようだが、本記事では「SEIWA-BB」に統一した。
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