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ボーダーライン


Youtubeを観て気になり、映画「ミッドナイトスワン」を観てきました。

抽象的表現になりますが、主人公は、絶望の中を彷徨い続けながらも、本当の自分を追い求めている。そんな中、小さな光を見出し、その光に向かって全身全霊、命懸けで身を捧げていく...、切なく悲しい、そして、美しいストーリーでした。

映画で描かれていることは、単に「お話の世界」というより、すぐ身近にある話のような気がして、普段の自分の日常からほんの少し足を延ばせば、そこにある、そんな感じがしました。

主人公はトランスジェンダーの人ですが、その主人公を通して、何故とても苦しいのか?ほんの少し気づかせてもらえたような気もしています。

今回のような映画が製作される事自体が、少し前なら、かなりセンセーショナルで、主役を有名な俳優が演じる事は稀だったのではないかと思います。過去に「キンキーブーツ」という舞台がありましたが、それは明るくパワフルで華やかな美しい世界に観客が夢を感じるような内容でしたが、この映画は、華やかさとそれに伴う美しさとは違う、別の形の美しさと純粋さが暗闇の中で、静かにひっそりと光っているような感じがしました。

今、コロナ禍でそれまでの常識が覆り、次の時代に向けて新しい基準、価値観等への過渡期であり、そんな流れの中、この映画では性別のボーダーラインを軸に表現されていますが、今、いろいろなボーダーラインが曖昧になってきている時でもあります。この曖昧な状況は、少し居心地が悪い感じもしますが、こういう時こそ、固定点にしがみつくのを良い意味で諦められる機会なのかもしれません。





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