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内省型ドキュメンタリー🎬『成功したオタク』

公開初日に観に行こうとしたら、各回ガッツリ満席で…その後も座席が埋まりまくっていて、よーやく観ることができました。シアターイメージフォーラム。

韓国で起きたバーニング・サン事件で“推し”が犯罪者になってしまったTO(トップオタ)によるドキュメンタリー。※監督・脚本・撮影
観る前は、てっきりV.I(元BIGBANG)のオタなのだと思っていました💦

この作品…このTO“を”撮ったのではなく、TO“が”撮ったというのがひとつのポイントで(自省するという点においては、TOを撮ってもいるのだけれど…)
“推すこと”の意味、意義を考えされられます。
…と言っちゃえば、収まりが良いのだけれどw実際は徹頭徹尾そういうわけでもなく(あくまで個人的な意見ですが…)なかなかに監督自身が自己完結しちゃっている作品だなぁと。

自らがインタビュアーとなって撮影していくというスタイルは、ある種マイケル・ムーア的でもあるのだけれど、大きな違いは、その帰着点がハッキリしていないところで、
どうにも行き先の分からない船に乗せられている感が否めません。
(もちろんそういう構成でもあるのですが…)

加えて監督がインタビューするオタクの方々が「熱く推していたけれど、事件をきっかけに他界した方」ばかりに終始していて(監督の友人界隈で集めたから仕方ないのだろうけど)…唯一、遠い人として、事件を報じた記者の方が登場するのですが、インタビューでは監督本人が軸になって語っちゃっているから、そこまで外側へのアプローチにはなっておらず…な感じです。

ドキュメンタリーという点では、あるカテゴリの一次情報を丁寧に記録しているということを除けば、正直、稚拙な印象でした。
ただ、監督自身、おそらく内省を深めるという動機の元に撮り始めた作品なのだろうから、その点においては決しておかしな作品ではないし、その意味で、この作品の正しい味わい方は(あくまで私見です)“観客それぞれが自分に置き換えて観る”ということなのだろうと思います。

俯瞰した問題提起などは、普遍的な問いとして、そこまでフォーカスされてはいません。
邦題は『成功したオタク』ですが、原題は『fanatic』(狂信的)…たしかに、そういうことなのでしょう。
あ、面白いか面白くないかの二分で問われたら、面白いです😆

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