寒山百得
清々しく晴れた10月某日。
上野へ。
目当ては東京国立博物館表慶館にて開催中の横尾忠則「寒山百得」展です。
明治42年開館のクラッシックな空間に、大きめキャンバスの102点がずらり。
過去作品と比べるとラフなタッチではありながら、ひとつのテーマを102のバリエーションで描く凄さ。
単純に、このサイズを102枚描き切るだけでもかなりの体力を要することだし、「寒山拾得」について102通りの解釈ができることにも驚愕。枠を超えた圧倒的に自由な想像力。
バート・バカラック(音楽家)、ソール・ライター(写真家)、デイヴィッド・ホックニー(画家)などなど、ジャンルを問わず私が心惹かれる「すごい人」に共通するのが、「そこそこ長生きで生涯現役で世の明るい側面を見ている(たぶん、比較的)人」。
いろんな生き方がある中で、その人にとっての正解を生きた結果が「長寿で現役」のような気がして。
もちろん短命ながら価値あるものを遺した「すごい人」も素晴らしいのだけど。
単純に、「年を重ねても何だか楽しそうな人」というのは、未来の励みになる。