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振付師になる為の説明書

ここでは振付師(コレオグラファー)について書いていきます。振付という仕事はその名の通り、踊りを指導する仕事、「振り」を付ける仕事です。この「振り」の中に様々な要素があると自分は思っていて様々なHIPHOP、JAZZ、BALETT、日本舞踊、社交ダンス、フィギュアスケートなどなど他にもたくさんありますが、幅広いシーンに振付師は存在しています。もっと細かいことを言うと「所作」「立ち振る舞い」「ポージング」「ウォーキング」も指導できる方も振付師に含まれる。と自分では思っています。

そんな今回は

・振付師とはどんな仕事か
・個人的に大事にしてること
・振付師にはどんな仕事があるのか
・振付師になるにはどうしたらいいか

要点を4点に分けます。


・振付師とはどんな仕事か

〜相手が最高に輝ける振りをつけれる人〜
自分の振付でその人がカッコよくなる、可愛くなる。をつくるのが振付師の仕事です。
かっこいい振付を作れる人、可愛い振付を作れる人、面白い振付を作れる人、印象的な振付を作れる人、などなどこの仕事に求められるオーダーは様々です。
相手が求める理想の姿を振付を通して具現化させてあげることが振付師の仕事です。

〜振付だけではない要素 対応力〜
自分が踊るわけではありません。振付をしっかりとお渡しするのが振付師です。
踊りが上手いだけでは成立しません。【技術力】の他に【指導力】【コミュニケーション能力】【現場調整能力】などが大事になってきます。クライアントから与えられた日数の中で振付を創作し、指導し、終わった時には振付された人が「よし。これでかっこよく踊れる!」と思ってもらわなければいけません。技術力メンタル含め最高な状態に持っていけるまでが振付師の技量が試させるところだと思います。時には、この日数内だとこなせなそう、この振付実際入れてみたら自分のイメージと違う、アーティスト側から「少し変更したい箇所がある」など現場に入れば様々な問題も出てきます。その時にも瞬時に対応できる振付師が個人的には素敵な振付師だと思っています。


・個人的に大事にしていること「パクれ!そしてパクるな!」

矛盾していますね。しかし、個人的に大事にしていることです。今はすっかりダンスシーンも普及し、歌って踊れるアイドルが沢山いたり、SNSでの「#踊ってみた」など個人でもたくさんの方がダンスを見る機会、踊る機会が増えています。
時代によって様々なアイデアが出てきてて個人的にも「うおー」と唸ってしまう作品も沢山出てきています。ですので自分がかっこいいと思ったものは純粋に取り入れていいと思います。ただここで気をつけているのは、自分の作品として出す場合は必ず自分のフィルターを通して別のアイデアで生み出すことを心がけています。この技術がないと例えたまたまうまくいったとしても振付師としての寿命は短いと思います。カルチャーをしっかりと理解しながらそれを破壊し創造する。どのシーンでも同じですが振付のシーンでも同じことが言えると思います。


・振付師にはどんな仕事があるのか

〜ダンス発表会〜
全国に存在するダンススタジオで催されるダンス発表会での振付
(例)ダンスナンバー

〜CM 企業案件〜
CMや企業が企画する内容に沿ってディレクションしていく振付
(例)映画泥棒、モーターショーなど..

〜アーティストの楽曲〜
ダンスボーカルグループなどに新曲が出た場合その楽曲の振付
(例)TVでのパフォーマンス、MV撮影

〜LIVE TOUR、LIVE IVENTでのステージコレオグラファー〜
上記と似てはいるがライブパフォーマンスをするアーティストへの振付
(例)ライブでしか見れないダンスパフォーマンスの振付やドームなど大きいステージに対してどのタイミングでどう動くのかを指導する仕事


・振付師になるにはどうすれば良いか

〜とにかく作りまくる!〜
ほとんどの方がダンサーからスタートし、創作が得意、好き、が繋がって振付師のキャリアをスタートさせてことが多いです。まず先にダンスのスキルが伴ってないと仕事かもしれません。逆に、「上手い人がいい振付師になる」というわけでもありません。スキル以外にも様々な要素が必要かと思います。
自分の場合ですがとにかく作りまくりました。トライ&エラー。インストラクター業もやっている自分ですが、インストラクターとして忙しい時は一年に発表会、コンテスト、12作品くらい作ってました。5分の曲を10名〜30名くらいで踊る作品を振付し、指導し、発表する。1ヶ月に1作品ペースなのでなかなかの頻度。地方の先生方はもっとやってる方いるかと思われます。このアイデアが枯渇した時でもしぼりだす!そうすると、その先に自分なりの何かしらの方程式が出来上がってくるはずです。この方程式を何個も作っておいてそれをストック出来るようにしておく。コロナ以前は様々な場所でそれを披露できる場所がありましたが、今はフィジカルでの披露はなかなか難しい状況です。しかし、SNSで様々なツールも生まれていますので新たな表現の場は広がりを見せていると思います。とにかく作って出してを繰り返せることが振付師としての始めの一歩だと思います。

〜理由と原因を追求してみる〜
面白い、かっこいい、素敵、と思った振付には必ず理由が存在しています。「この振付だと推しの人が最高に輝いて見えるッッ!」「この曲だけダンス踊るとこの人見ちゃう、、。」もちろん、純粋にそのアーティストが踊ってるからかっこいい!というのは大前提なのですが、ある動きに対して何か印象に残るポーズ、シルエットだったりが存在しています。振付が際立たせる原因だったりするのです。
すごく早くて迫力がある振付だとパワフルに見えたり、微かに動くだけでそれがとても美しく見えたり。その原因を自分なりに解釈し自分のものにします。
研究者みたいですが理解度をあげる。という要素は非常に重要だと思います。

観てくださる人に感動してもらう。までを作るのが振付師の仕事だと思っているのでその理由が少しでも自分で理解していると次の作品がより素敵になるかもしれません。

〜とにかくセンス!!!〜
上記2項目みたいな能書きは苦手だ!と、いう人は自分の赴くままに表現してみてください。自分が生み出したものに賛同してくれて「あなたの振付を踊りたい!」と、言ってくれる方がいればあなたはそこでもう振付師です。
自分の感覚を大事にし、見たもの、触れたもの、感じたものをそのまま身体で表現してみましょう。しかし個人的に、センスが光りすぎる方はそのまま自分がアーティストとして表現者になることをお勧めします。


以上です。今回は振付師にスポットを当てて解説してみました。
今回は振付ですので最後に自分の携わったプロジェクトの一部をいくつか貼っておきます。

この仕事に興味のある方は是非参考にしてみてください。


・嘘/さなり

・海中の月を掬う/そらる

・イケナイ太陽/FlowBack


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