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死んでも良い

15歳の時、ある人のある言葉がきっかけで、死にたくなった

ほんの些細な言葉だったけど、きっとそれが死にたいの始まりだった

離人症でいつも自分の人生が他人事のようだったから、別に生きる意味とか全くなかったし、人生の感動すべき場面では「あ、感動しなきゃ」って義務感のように演じてた

学校を辞めて無気力のまま、暇つぶしにいろんなアンダーグラウンドカルチャーの人間観察をした

マイノリティの人たちのカウンター話を聞いていると、なんだか自分がその人の人生を疑似体験できている気がしたから

その後、少しでも自分の人生の主役になれるように、一番苦手だからこそ一番伸びしろのある、音楽で生きていくことにした

茨の道を行けば、退屈から逃げられると思ったから

そして、結果それは正解だった

たくさんたくさん傷ついたけど、無気力よりはいくらかマシだったから、なんとか生きながらえた

絶望や裏切り、挫折が、生きるための燃料になった

辛いと感じるほど、生きることに没頭したし、立ち止まると不安で仕方なかった

泳ぎ続けないと息ができなかった

15歳の頃に戻るのが怖かったんだと思う

そしてこの夏から秋にかけて

久しぶりに、明確に死にたくなった

毎日毎日死ぬことばかり考えたし、なるべく迷惑のかからない具体的な方法を調べた

理由はいくつか思いつくものもある

アーティストでありながら代表をしていると、関わる人間が無限に増えていく

当然注意力も分散するし、些細なきっかけですれ違いも起こる

でもそれなりに修羅場も越えてきたし、15歳の頃とは違う

一つ一つを乗り越えて、同じ悲劇では同じ痛みを感じなくなった

だけど、やはりコロナで何かが変わった

一部の人間がおかしくなった

約束を破る、自分の欲を優先する、ありもしない嘘を並べる、支払いから逃げる

身の周りにも、友達の周りにも、予想もしないトラブルが多発するようになった

単純に、うわーどんどん酷くなるんだろうなあ、こんな世界で生きて生きたくないなあ、そうぼんやりと思い始めた

ある友達が「なんでそんなにトラブルが多いの?」と聞いてきたけど、そこかしこで起こっているトラブルを演者に知らせないようにただスタッフや誰かが犠牲になってせき止めている場合がほとんどだと思う

それに、何百人と直接関わって誰ともいさかいを起こさず生きていける人はどれだけいるだろう?

きっと、そういう天才も居るんだろうけど

あとスタッフ同士の揉め事は世に出ないことがほとんど

それが演者だった場合、世の中に出てしまう確率がグッと上がる

ただそれだけのことなんだと思う

いちいち否定なんてできないから、SNSでもDMでも言われるがまま、されるがまま

まさに言ったもん勝ちの世界

嘘に痛めつけられながら、じっと我慢してる人が、たくさん居る

法や弁護士さんに頼っても、無視されてSNS上だけで攻撃

罪が軽すぎるのと、あまりにトラブルが急増していて、法も追いついていない状態

多くの人から相談されたり、逆に実体験に基づいたアドバイスを聞いた

理不尽なことでも、ただただ耐えなくちゃいけない恐ろしい話ばかりだった

救われない、報われない、愛のない話ばかりで、なんだか目の前が真っ暗になった

陽の目を見れば、当然守られるべき人が、守られていないことばかりだった

その多くが、有名税という残酷な言葉で切り捨てられて、正義とか悪とか、世論とか法とかがぐっちゃぐっちゃになったゴミ屑みたいな常識だった

友達の「こんなことが世の中で起こっていいの?」って悲痛な言葉に、返す言葉がなかったし、まさに自分もその渦中にいた

励まし合うほどの余力もなく、悲しいね、死にたいねって、ただただ共感しあった

世間に対してどれだけ甘い考えだったか知って、味がしなくなって、体が痺れて、ベッドから起き上がれなくなった

ありがたいことに、それを察した周りの友達が、自分をひとりにさせないように代わりばんこに新居に遊びにきてくれた

バカみたいな話だけど、お互いにどうでも良いことを褒めあった

褒めることがないときは、顔面がかっこいいねとか、そんなことできるの凄いねって、冗談みたいな感じで

アルコールに頼り、幼児化させて、正気にならないようにした

正気になると死にたくなるから

正気になると、ベッドやソファを言ったりきたりして故人の自殺方法や理由を調べ続けた

世界のデータを洗いざらい

ひとつ紹介すると、無宗教の国は自殺率が高いらしい

まさに日本もそう

嘘でもデタラメでも怪しい新興宗教でも、もしかしたら誰かの生きる燃料になってるのかもしれない

波はあったけど、一番大変な時期を乗り越えたなって時に、油断してたらどーんっていきなり死にたくなった

なんかこれはやばそうだと思って人にSOSを出してみたけど、返事はなかった

死のっかなって思ったけど、死後ラインの履歴とか見られたらこの人は、自分のせいで死んだって思うかもなあと、想像したらひどく申し訳ない気持ちになって、今日だけは生き延びようと思った

そして、メモのようなSOSのようなストーリーをなんとなく親しい友達だけに向けてあげた

すると、昔親しかったけど今は割と疎遠になっていたある人から、一通のDMがきた

'なんか全然世界が違うから理解できないし、死にたいって気持ちには共感できないけど、生きてる意味を感じられなくなってつらいんだってことを考えてること自体は分かった。話ならいつでも聞くよ'

ざっくり言えばそんな内容

なんだかその言葉が、'浮上'するきっかけになった

共感できないって言葉に、なんだか救われた

そこから、気づけば世界に期待しすぎていたことに気がついた

15歳の頃はこれっぽっちも期待していなかったのに

素晴らしい人達、自分に価値を見出して支えてくれる人にであって、勘違いしてた

みんながみんな同じ考えで居られるわけないのに

みんながみんな綺麗な心で居られるわけないのに

人はみんな違うんだから、みんなに共感してもらえるわけなかった

勝手に期待して、勝手に絶望してたということに、気がついた

信じられる人なんてごく少数でいいんだって

そして、共感できなくても分かり合おうとする人だけと関わればいいんだって

そう思ったら、少しだけ気持ちが楽になった

そこから思いついたことを全て試していった

泳ぐ。水の中を移動できる筋肉を褒める。

美術館に行く。そこから何かを考えつく人生を褒める。

美味しいものを奢ってもらう。こんな友達が居ることを褒める。

子供に会わせて貰う。心から可愛いと思える感性を褒める。

ひとつひとつ、'できて当然'や'当たり前の常識'を肯定していく心の作業をした

そうしている間、結局外的要因はきっかけでしかなくて、ストレスの殆どは自分自身の内的要因だと気付いた

そもそも自分に期待しすぎたことからくる絶望ばかりだった

曲がかけない。外に出れない。デザインできない。アイディアが浮かばない。人を信じられない。生きる気力が湧かない。

成長するにあたって出来るようになったことが、気がつけば、重荷になってた

あれ、なんでだ?ちょっと前まで出来てたのに、おかしい

こんなの自分じゃない。。。。

でも、15歳の時の自分どうだった?

全部できなかった

曲がかけなかった。外に出れなかった。デザインなんかできなかった。アイディアなんかなかった。人を信じなかった。生きる気力なんかなかった。

そうだった

何もなかった

'死にたい'から始まった音楽だった

そもそもが、自分の人生は'延命'だってことを思い出した

死ぬ前にもうちょっと楽しいこと経験したいから夢でも探そうと生き延びただけだった

そしてその夢を叶えたら色を入れて自殺しようって蝶々のタトゥーを入れたんだった

何か手に入れるたびに、それが'普通'になっていった

何かハードルを越えるたびに、それが'自分'になっていった

奇跡が起こるたびに、それが'越えるべき基準'になっていった

その呪縛に、身動きが取れなくなった

自分に求めすぎてた

だから、毎日毎日

自分に失望して、がっかりして、その度に死にたくなった

これを言うと心配させてしまうかもしれないけど、全然復活しきってない

去年までの自分と比較すると、何かひとつのタスクをこなすのにものすごい時間がかかるし、すぐパニックになる

頭がぼんやりして、なんだか上手く考えが浮かばない

たくさんのことを覚えられない

だけど、ひと月前の自分より一歩マシ

少しずつ浮上していけばいいなってとこまでは考えられるようになってきた

だって辛いに決まってる

今年コロナで何が起こったか

2周年のツアーがなくなった。ミリオンの10周年の展示会がなくなった。ずっとずっと地道に努力してビザを勝ち取ったのにアメリカフェスが全部なくなった。sleepyheadの集大成と言える一番大事なアルバムのリリースがなくなった。初めてakubi Inc.だけで回る全国最多ツアーがなくなった。企画したものがことごとくなくなった。信じた人に裏切られた。周りの人を傷つけられた。

辛いよ

死にたくなるよ、そんなの

だって全てを注いで、真剣にやってきたんだから

簡単に乗り越えられるわけない

sleepyheadになって、akubi Inc.を作ってから、違う責任感が芽生えた

自分が代表なんだから、周りを心配させちゃいけない、なるべくネガティヴなことは発信しないようにしよう

そう誓った

きっとそれも大事なこと

だけど、今この毒された世界では、その十字架を下ろしても良いのかもしれない

ダサくても良いよ。辛くても良いよ。良い年してメンヘラだってばかにされても良いよ。曝け出したって良いよ。恥晒しで良いよ。

自分含めたみんなに、伝えたい

「もっと辛い人が居るんだから、辛いなんて言っちゃダメだ」

なんて、思わなくて良いんだよ

ツイートして良いよ 悩みをDMしてきて良いよ

別に君の辛いが俺にのしかかるわけじゃない

ぶちまけてきて良いよ

生きて居る方が辛いなら、死んでも良いよ

世界が君を否定しても、俺が肯定してあげる

親からもらった命だろうが、君の命は君のものです

でも、もっとダサくなってからでも、死ぬのは遅くないのかもよ

テキトーに休んで生きて、やりたいことやって塗りつぶして

それからでも遅くはないのかも

プラマイゼロの人生の、プラスだけ先取ってから死ねば良いのかも

そっちの方が得だよ

だから、なんか予定でも作ろう

今来れない人も来年ライブで会おうよ

友達と旅行でもしようよ

嫌いなスポーツでもしてみようよ

好きな子に告白でもしてみようよ

無理かもしれないことしてみようよ

もっと失敗してみようよ

どんなにダサくて失敗しても死んじゃえば勝ち逃げだよ

長生きなんかしなくたって良いよ

他人の為に生きてなくなって良いよ

みんながみんな生きがいなんかなくたって良いよ

ただ興味あること全部体験して、やること無くなってから死のうよ

それで良いじゃん

今、多くの人が自ら命をたっている

ご冥福をお祈りします

そして、その行動さえも、肯定したいって思ってる

それが、この世界で悪だったとしても

本人の選択を否定したくない

死んでも良い

ただ、死ぬ前に遊び飽きるまで、遊ぼうよ

'武瑠'は、自分自身で自分の意味を見つけられないから、CDセールスや動員など、明確な数字、又、ファンのみんなの応援に、肯定を委ね、生かされてきた

みんなとの約束で生かされたきた

ありがとね

今もセンチメンタルワールズエンドのアルバム書いてから死の〜

って思ってる

そのあとはわかんない

あーエジプト行ったことないから、エジプト行ってから死の〜

とか、次のテキトーな予定が入るかもしれない

そんくらいで良いよ

今は、期待しすぎないで良い

傷ついて当然、裏切られて当然なんだから

もしも自分を守ってくれる人が居たら大切にすればそれで良い

正直な心境をさらけ出してしまえば、今助けてくれた人に感謝できる自分まで回復できてないです

丁寧なラインにも、それが大事な内容であるほど逆に返せてなかったりします

だけど、ごめんなさいって思える自分になってから、ちゃんと謝って

恩返しできる自分になってから恩返ししたいと思ってます

情けない話ですが、自分勝手をお許しを

最後に

今傷ついても辛いって言えない人がたくさん居る

くそみたいな法律なので、その人たちを守れるのは社会ではなくて君だったりする

調べるほど、びっくりすることばかりだった

期待したってしょうがない

こんなにもたくさんの人の命を代償にしても、法律改正だってちんたらやってる

人はみんな違う

'みんな人間なんだからSNSで傷つくよ、想像力を!'

なんて最近使い古されてるけど、そんな言葉で止めるくらいなら最初からだれかを傷つけてない

勿論気づかずにやって居る人も居るし、まだ倫理観が追いついてない人も居るからそういう人には有効なのかもしれないけどね

ただ、誰かを傷つけたがってる人は確実に居る

少しでも道を外してしまった人をリンチみたいに寄ってたかって叩いて、快感を得る正義中毒者はいなくならない

これだけ嘘にまみれたSNSの情報を鵜呑みにして、だれかを断罪する人も決していなくならない

だってスマホだけで気に食わない人をしっかりと痛めつけることができるんだから

それが実感できて気持ちいいんだと思う

ゲームみたいなもんだよね

昔から、知りもしないのに、誰かの人生を否定する人はたくさん居た

ただ、スマホひとつでダイレクトに本人に伝えられるようになっただけ

そんな人がいるのがおかしいって期待するから、その度に世界が醜く見える

だから、もしも守りたい人が居たら、どうか守ってあげてください

君が守りたいと思った素敵な人なら、きっとまわりにまわってその想いは返ってくるよ

だってこんな醜い世界で、君は手を差し伸べる心を持ってるわけだから

それって奇跡的に凄いことです

生きてるだけで偉いのに、本当に素敵で美しくて尊いことなんです

だらだらとまとまらない長文を書いてしまった

カッコつけようとしすぎてたから

もうちょっとダサいとこ見せても良いじゃんね

同じくカッコつけようとしすぎてる君へ

なんでも良いから俺と約束しよ

めんどくさいので、いちいちDMなんか返さないけどちゃんと読むからさ

勝手に約束送りつけてきて良いよ

気が向いたらその約束、守ってあげます


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