【60】清貧で文化的でサブスクのない生活 #睡沢週報
大口の案件がひとまず1本終了してしまった。同クライアントからは今後も仕事を請ける約束になっているが、先方の業務の都合でしばらく私には話が回ってこない。
昨今の情勢が情勢だからフリーランスとして食べていくことには期待が持てず、最近はどちらかと言えばフリーターのような生活をしている。
どちらにせよ正社員雇用での労働に耐えられる身体ではない。それならばいっそ、フリーランスよりもセーフティーネットが身近なフリーターのほうがいいのかもしれないな。
サブスクの罠から逃れて
月額で見ればサブスクはどれも安い。だから惰性で契約を放置してしまう。しかし、使っていないサービスに毎月金を吸われるのは損以外のなにものでもないだろう。
あすけんのプレミアムプランを解約した。健康管理アプリとして有名なサービスだが、現状あまり私の役には立たなかった。
確かに便利だ。いつも作るメニューをマイレシピに登録しておけば食事記録が楽だし、消費カロリーと摂取カロリーが一目で見れるのは指標を立てる上でかなりやりやすい。
しかし、一度計算して食事サイクルを完成させてしまうと、毎回同じ記録をして同じ数字を見るためにお金を払っていることになる。
運動記録のレパートリーが乏しいのも気になった。ブルガリアンスクワットとダンベルトレーニングを数種こなすルーティンを組んでいるが、ほとんどの種目が対応していない。
おそらくあすけんのターゲット層は「普段通りの生活をしながら健康を意識したい社会人層」で、食生活の根本的な改善や本格的なトレーニングはそもそも想定外なのだろう。
このように「自分がターゲット層から外れているせいでサービスを十分に受けられていないな」と感じるサブスクを片っ端から解約した。
おおよそ年額38000円ほどの出費を削減できた。これは大きい。
それでもサブスクは甘い香りをまとって
現在使っているサブスクサービスはYouTube Premium、Money Forwardプレミアム、そしてAmazon Primeだ。
YouTube Premium(1280円/月)は広告スキップが便利なのもそうだが、それ以上にSpotifyと同格の音楽サービスをYouTubeの再生リスト込みで使えるのが強い。日常生活の彩りは主にYouTube Musicが担っている。
Money Forwardプレミアム(500円/月)は公金受取・引き落とし口座、給与受取口座、普段使いの口座など大量の連携先に対応させるためにどうしても必要だった。これがないと資産の計算がすごく面倒だ。
そしてAmazon Prime(600円/月)だが……現状、これが一番のリストラ候補になっている。
私は普段あまりAmazonで買い物をしない。楽天経済圏の人間だから、買えるものは極力楽天市場で買っている。そのほうがポイント還元率を考えるとはるかにお得だ。
しかし、AmazonにはPrime Videoがある。
現代社会で映像作品を見たければ、どれかしらのサブスクサービスに加入していなければ話にならない。11月にサービスが始まるNETFLIXの広告つきベーシックですら月額790円。Primeのほうが安い。
もちろんPrime Videoに満足しているわけではない。見放題コンテンツは正直少ないし、画質も相応でしかない。ただ、ウォッチパーティーなど魅力的な機能があるのは確かだ。
Kindle本しか買わないのに月600円払って半端な映像サービスに期待するのか、それともAmazon Primeを解約して他の映像サービスと契約するのか。
現在サブスクでの出費は月額での計算で年間28560円。実際には一括で支払っているからもう少しだけ安いが、27000円は切らないだろう。ここに仕事で使っている諸々が加わる。目が回りそうだ。
さらば、買い切りの文化よ
今や、買い切り商品は市場から消えつつあるようにすら思える。
ゲームは基本無料でシーズンパスやガチャによる持続的な課金を促し、車は所有するものからリースするものになり、仕事道具すら月額レンタルサービスがある時代だ。
私が普段仕事で使っているOfficeやAdobeですら年額でのサブスクになっている。したくもない仕事をするために金を払い続けているのだ。気が狂いそうになるので考えないようにしているが。
買い切り商品と併存する形でサブスクサービスがあるうちはまだいい。しかし、Adobeのように完全にサブスクの魅力にとりつかれてしまったら。
どうにも私はサブスクが悪魔の発明に思えてならない。
あるいは、社会の貧困がサブスクを生み出したのかもしれない。定期券が買えないから毎日切符を買うのと同じで、大金を用意できないから損だとわかっていても細かな出費を続けるのだ。
金。金が私の首輪に鎖を繋いでいる。
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