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2023 音楽記録

2023年印象的な15曲を、大体の時系列順で並べている。その一曲について思い入れがあって書いているけど、内8曲についてはアルバムでもよく聴いてた。大体月別のに既に書いてるので、ぱぱっと書こうと思ったのだけど。

“Good morning(red)” caroline (2022)

 留年が決まってから時間を潰すためにバスに乗るのがルーティンになって、バスの中の時間を埋めるようにこのアルバムを聴いた。音の後ろの静寂が本当に心地いい。

“街” わがつま (2019)

 バスの窓から見える建物や、散歩をしている時に目に映るカップルや子供や、そんな風に意味なく流れていく景色があって、でもそういうただ流れていくだけのものが「いいな」って思う瞬間がある。その建物に、生きている人の匂いを感じて、目に映る人々が暖かな良心を持ってることを実感して、でもそれ以上に言語化できるものはないような、そんな生きている匂いを感じる気持ち。この曲、ピアノが入ってきて、心が崩れそうになる。ボーカルのあどけない声、歌詞以上の、でも映像にも言葉にもならない気持ちになる。この曲は言語化できない。人の生活や、生きている人たちや、横切った公園に見えた子供達や、1日の終わりや、そういう色んな言葉が浮かんではすり抜けていく。この曲の温度感に包まれる。今年この曲に出会えて本当によかった。

“螢” radwimps (2006)

 極上のメロディの上に乗る野田洋次郎の1語1語の発声全部に聴き惚れてしまう、張り上げた声好きすぎる。人間開花の“トアルハルノヒ”、 “棒人間” 、 “O&O” とか特に懐かしくて、高校の頃に有意義なこと何もせずに友達と遊ぶこともなく無気力に過ごしてたことに付随する記憶と場所の断片を思い出す。見ていた景色を思い出すんだけどその景色自体をより鮮明なイメージや言葉にすると、結局今の空気感を纏ってしまって今とあんま変わらなくて、だからそれを見ていたその時の自分の視線を思い出してるんだなって。2023年は他にも、“携帯電話”、“狭心症”、“最後の歌”はたくさん聴いた。ラッド、どの曲もサビの爽快感がたまらない、野田洋次郎の声はやっぱ最高。


“clock lock works” ハチ (2009)

 このアルバムも何度も聴いた。初音ミクが歌っていることがあまりにもリアルで愛おしい。明るくて感動して頬が緩んで切なくて泣きたくなる。

“ex.人間” syrup16g (2003)

 サビの風が吹き抜けるみたいなコーラス。もう抑えきれなくなったものが溢れるみたいだけど、何気ないことを言っているだけ。でも、それは言っとけばよかったけど言えなかった何気ない一言だったんじゃないかなって思う。友達に教えてもらった。

“Constellations” Duster (1998)

 図書館で昼寝の時間に聴いてたときに完全にキマった。拡張された意識の混濁、宇宙に接続してくれた作品。スローコア、ポストロック、ローファイ作品。

“Beach Life-In-Death”Car Seat Headrest (2018)

 熱狂としてのロック体験。あまりに切ない轟音と叫び。喉に力が入る、泣く。こういうのは1番最初のロック体験と全く変わらんものだから。インディーロック、エモ。

“Should Have Known Better” Sufjan Stevens (2015)

 天使から啓示を受けでもしないとこんな美しいアルバムは生まれない。途中、天から光が覗くみたいにメジャー調になるところが綺麗すぎる、魂が抜ける。車の中で、CDで、至るタイミングで聴いた。

“Reckoner” Radiohead (2008)

 地下鉄の中で立っている時にこのアルバムをよく聴いてた。無機質な感じ、いい意味で、周りの人の生きている匂いがしなくなる。ドラムの中にうっすらギターのアルペジオが聴こえた時に乾いた涙と乾いた嗚咽が出そうになる。以前から聴いたことあったけど、2023年にわかったアルバムの一つ。

“きゅるきゅる” 大森靖子 (2014)

 きゅるきゅるの出音、この世界で1番輝いている、人の目なんて全く映ってないような、なんでそんなに輝けるのって心配になっちゃうくらい。声がキラキラに笑っている。

“Under Pressure” Queen(feat. David Bowie) (1982) (2023)

 原曲とは異なり、深く織りなすストリングスが作り出す重い水中にいるような演奏の中で2人の声が響く。under pressureは原曲も切ない気持ちにさせるけど、この編曲本当に深い悲しみを作り出している。フレディマーキュリーの叫びもたまらないけど、デヴィットボウイの声が本当に好きなんだな。after sun、サントラもたくさん聴いた。

“White Ferrari” Frank Ocean (2017)

 2023年1番素晴らしかった音楽体験の1つは、初めて聴いた時から2年以上は経っていたこのアルバムの良さを理解できたこと。良さがわかって、8月は音楽を聴く時間の半分以上はこのアルバムを聴いていた。frank ocean歌がうますぎる。細かいニュアンスみたいなところで聴き入ると本当に心地よくて、耳が無防備にその声を受け入れる。

“Never Meant” American Football (1999)

 このアルバムも2023年、より好きになった。マジで特別な時間を閉じ込めている、感情のためだけに全ての音が鳴っている、何か技工的な雰囲気はなくて。本当に一つの芸術作品。夏の間、frank ocean聴いてない時間はこれ聴いてた。ポストロック、エモ。

“Good News” Mac Miller (2020)

 12月に友達から知った。優しくて穏やかで、繰り返し聴きまくっても、聴きたくなる。何気ない1日にずっと聴いていたい。声色が心地よい。
 ジョンのサンのカバーを1/28にわがつまさんとの対バンで聴いてたことに聴き初めて1週間ごろに気づく、あのバンドの温度感でのカバーがめっちゃ合ってる。

“The Ascension” Sufjan Stevens (2020)

 2023年、確実に1番長く聴いたsufjan stevensの、美しい曲の一つ。アトモスフェリックで、また流れていくような曲で、ずっと聴いているのが全く苦にならない。年間を通して聴いていた。
 抑揚も流動的な流れの中で繋がっていくから、盛り上がっていくという感じもない。たまに、「もう過ぎてしまった、終わってしまったことなのだけど、」という風に迫ってくる時がある。




+3曲

“夜明けと蛍” n-buna

 「夢を見たい 僕らを汚せ さらば 昨日夜に咲く火の花」のさらばが好きすぎる。この歌、歌いたくなるからよく歌った。

“Disorder” Joy Division (1979)

 並べた中で聴いた回数だと少ない方かもしれない、けど体験としては1番衝撃だった。友達とのドライブ、夜の11時前に車の中で爆音で流れたあの高校生の頃と変わらないロックの体験 。“FEELING FEELING FEELING FEELING FEELING FEELING FEE-LING”

“Simulation Swarm” Big Thief (2022)

 2022に出たアルバムで2023もたくさん聴いたのは、calorine とこのアルバムだったなっていうのを覚えておきたくて。この曲は本当に温度感が良い、最初の音が鳴った瞬間に、落ち着くような気持ちよくなるような。車の中でよく聴いていた、父親と一緒に家に帰る時に。




曲って、ある期間聴き続けることによって生まれる補われるイメージや温度感がある。いろんな音楽聴くこととは別で、一つの音楽を聴き続けることって良い体験。

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