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映画『流浪の月』の感想 /day48

先日、広瀬すずさん、松坂桃李さん主演の映画『流浪の月』を見た。
それについて感想を話したい。

まず感想を端的に言うならば、とても考えさせられる映画だった。
一般論の考え方と当事者目線の事実は全く異なる場合があると思った。

ざっくり内容

広瀬すず演じる家内更紗は9歳の時に劣悪な家庭事情から家に帰りづらく、雨の中公園で本を読んでいた。それを見かけた当時19歳の佐伯文は彼女を心配し、帰りたくないなら自分の家に来ないか?と彼女を誘う。家についていった家内はそのまま佐伯ととの共同生活をくる。家に帰りたくない家内と、孤独を感じていた佐伯は平和で幸せな暮らしをしていたが、家内の捜索願が出され、ニュースにも報道されたのちに佐伯は誘拐罪で警察に捕まってしまう。その後世間には佐伯をロリコンの誘拐犯として名が広まるのだった。

それから15年が経ち、偶然2人は再開し、交流を始める。家内は当時恋人の亮と同棲していたが、亮をはじめとし、マスコミや警察が2人の関係を「誘拐犯と被害者の関係を再開するのは気持ち悪い」として2人へ嫌がらせが多発する。最終的には警察沙汰にもなり、2人は職を失う。だが、それでももう2人は誰にも引き離されることなく、共に生きることを決断するのだった。

見どころ

家内が9歳の頃に佐伯と生活していた時、2人は望んで共に生活をし、平和で幸せな暮らしをしていた。それが歪な出会いや関係性という一般的見方によって2人の幸せは奪われ、何も事情を知らない世間からの誹謗中傷を生涯浴びることになり、それは輪を広げて人の職を奪うことになった。

この映画は幼女誘拐事件をテーマにした当事者と世間の視点の違いを描いているが、僕はこれが最近でも話題になっている芸能人等の誹謗中傷被害と同じことに感じられた。
誰もが自由に書き込みできるこの時代、出来事の断片のみを受け取って自分の意見を述べる人があまりにも多くいるように感じる。誰も幸せにならない言葉を大勢で投げかけるこの文化はいつも悲しく感じる。

僕は何事も詳細な事実を知ったうえで意見を持つようにし、誰かが幸せになるために言葉を使いたいと思った。

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