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男の文才、女の文才

一年ほど前にゾフで丸眼鏡を買って以来、僕のルックスの文系感は加速している。先日、大学時代の友達の結婚式に行ったら”文豪じゃん”と三回言われた。文豪なので文章の話を書く。

女の人の文章は素敵だ。真似できない。中でも、吉本ばななの小説が好きで、”ハゴロモ”という作品は3回くらい読み返した。最近、辻村深月の”かがみの孤城”を読んだ時もすごいと思った。知り合いの女性のブログなんかを読んでいても思う。なんなんだろう、あの良さ。このなんとなく感じる凄味を言葉にしたい。

いま、ダイヤモンドの原石がここにある。これを見たとき、僕はまず、みんなが知っているあのダイヤモンドの形を想像して削り始めてしまう。勝手にゴールを設定して、そこに向かうという行動過程が身体に染み付いている。

対して、女性は、見たままの原石をちゃんと捉えることできる。これは何処で採れたとか、いくらで売れるとか、余計な説明もつけない。ありのままの表現を、言葉という別の媒体を使ってあっさりやってのける。直列回路。女性作家特有の、虚空に漂うかのような行間は、脳みそから言葉になるまでの距離の短さによって生まれるのかもしれない。

逆に、僕ら男は説明や比喩は得意だ。僕は日常会話で、比喩を多用して笑いを取るスタイルで生きている。たまに失敗し、訳のわからない比喩をしてしまいキョトンとされると、卒論を全くやっていない年明けの大学4年生の顔になる。ほら、使った。

女は説明書が読めないとか、感情的だとか、そういう面を引き合いに出して起きるしょうもない論争、ああいうのはだいたい、女の人にプライドを逆撫でされた男の癇癪だ。そんなくだらないことより、たまに、女の人の目から世界を見てみたいと思う。

「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。