鯨ヶ岬勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問…

鯨ヶ岬勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。大学時代は伝統文化や宗教に関する文化人類学を研究。趣味は細々と小説を書くこと。お仕事はTwitterのDMからお願いします。

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  • パルプ神話群

    悪夢の館に忍び込んだ盗人、地底の王国に迷い込んだ労働者、僻地に赴く宣教師、騎士と出会った男……そこにあるのは現代社会の光によって姿を消した闇の住人たちとの邂逅。奇妙な世界に迷い込んだとき、その先に待っているものとは……主人公は高貴な騎士でも勇者でもない。どこにでもいる社会の闇へと零れ落ちていく者、みなにいないものとされる弱者たちである。 1話完結の短編ファンタジー集

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ポートフォリオ|ライター鯨ヶ岬勇士(Yushi Isanagamisaki)

ご覧いただき、誠にありがとうございます。 私のプロフィール、経歴とポートフォリオをまとめています。 2022年8月より、フリーライターとなりました。大学時代の研究や経験に基づいた映画やドラマ、それにまつわる社会問題の記事の執筆が可能です。お仕事のご依頼などは、お気軽にご連絡ください。 【連絡先】 Twitter DM: @Skeeped_Beowulf Instagram DM: pn_isanagamisaki_yushi G-mail: beowulf1gotala

    • 『ダンジョン飯』第1話放送記念! 「サソリの水炊き」作ってみた

      2022年にライターデビューし、2023年には映画『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の公式ムック本や映画『スリ・アシィ』の監督&主演俳優へのインタビューなど、これまでライター1年目で非常に貴重な経験をさせていただきました。 しかし、いつまでも”待ち”の姿勢ではいけません。2024年では自分から”攻め”ていく姿勢を持とうと思いました。そのとき、ファンだった『ダンジョン飯』のアニメ放送の話を聞き、ずっと気になっていたことを試す機会だと思いました。そういうわけでアジアンフォレス

      • 文学フリマに初参加します!

        文学フリマに『シン・仮面ライダー論考 -仮面の下の世界-』という新刊を頒布させていただきます。内容は2023年公開の庵野秀明監督作『シン・仮面ライダー』について考察し、スピンオフ漫画などと合わせて深掘りしたものです。 SFメディア・バゴプラ様で記事を掲載させていただきましたが、それを大幅に加筆・修正し、再構成したものになります。書いた自分としても掲載時より更に踏み込んだ内容が書けたかな?と考えております。 『シン・仮面ライダー』は「シン・ジャパン・ヒーロー・ユニバース」の

        • 第9話「さまよえるイェータランド人」

           イェータランド、そこはスカンディナヴィア半島の南。その名はゴート人の土地を意味している。荒々しい海に囲まれ、数多くの勇猛な戦士を生んだ国。今では10の領土に分けられ、そこには10の紋章が描かれし旗がはためく。  死んだような静けさの楢、難攻不落のボフス要塞、谷間の牡牛、ゴスの牡羊、暗き島の鷲獅子、小さな土地の弩を携えた赤獅子、新たなる神を呼び込んだ黄と黒の獅子、太陽と風の島の牡鹿、竜の翼を持った鷲獅子、デネ族からやって来た白獅子。  それらはスヴェアランドとノーランドと

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        • パルプ神話群
          9本

        記事

          第8話「今宵も虫は鳴く」

           この世に兄と呼ばれる人間はたくさんいるが、菰田羊少年にとって、彼の兄ほど”最高の兄”はいない。彼の兄はどんなに忙しくとも、妻と子どもへの家族サービスを怠らない父親の鑑だったし、年の離れた弟である羊を我が子のように可愛がり、出張のたびにお土産を買ってきてくれる。その日も、アメリカ出張のお土産を抱えて実家に帰ってきた。 「何これ。見た感じだと、古くさいマッチ箱って感じだけど」  それは、いつものお土産とは何となく毛色が違った。いつものお土産と言えば安っぽくけばけばしいTシャ

          第8話「今宵も虫は鳴く」

          第7話「空っぽ人間」

           痩せている皆さんは、太っている人間が最も嫌うものを知っているだろうか。それはデブという罵詈雑言でも、夏という”じめじめ”した季節でもない。それはぴっちりとした服だ。  太っていることを受けいられていない――太っている人間のほとんどがそうだが――ものは、自分の体型が晒されることを何よりも嫌う。男だったら胸があることを嫌うし、ぴちっとした服では走るとそれが揺れるので、笑い者になる。  まるでピエロだ。いや、ピエロだって金をもらってしているのだから、ピエロ以下だ。  そうな

          第7話「空っぽ人間」

          第6話「龍よ、眠れ」

           14世紀、南北朝時代の日本。現在の神奈川県にあたる相模国の淵辺原に淵野辺城という城があり、そこは足利直義の家臣の地頭、淵辺伊賀守義博によって治められていた。彼の血統は武蔵国を中心に勢力を伸ばしていた武士団、武蔵七党の一つである横山党一門に属する野辺氏——もしくは矢部氏——の支流にあたる。  横山党は武蔵国多摩郡横山に本拠地を構える同族武士団で、彼らはその反骨精神から野狂と称された小野篁を祖とするされている。  この武士団は弓の名手である愛甲季隆や、行政・司法・立法のすべ

          第6話「龍よ、眠れ」

          第5話「夢物語」

           最近は嫌な夢ばかり見る。走れなかったり、履歴書を書き損じたりするような、生々しい悪夢だ。医者から薬をもらっているが一向に良くなる気配はない。その理由はわかっている。わかっているが、解決しようのない悪夢だ。  私の名前は、池口守。今年で社会に出なければならない大学4年生だ。しかし、いや当然かもしれないが、社会に出たときの自分の姿も、その後の夢も思いつかない。子供のころの夢は小説家になることだったが、気づけばそれも廃れていた。昔はJ・R・R・トールキンやJ・K・ローリングの作

          第5話「夢物語」

          第4話「劔鬼の創生」

          「つまらない。ああ、つまらない」  自分も気が付けば、もう少年ではなく、青年、いや成年とされる齢になった。しかしながら、私の人生には山も谷もなく、ただただ明日の糊口を凌ぐために無駄に長い余命を使うだけだった。  人間とは奇妙なもので、暇があればあるほど、思考の迷宮に陥り、心を毒するようになる。先人たちが死にもの狂いでもたらした豊かさは、格差と貧困、そして心の病をもたらす社会を生むに至った。  この社会の何と息苦しいことか。高度に発達した社会構造《システム》は、当事者たる

          第4話「劔鬼の創生」

          第3話「トロール問答」

           澄んだ冷たい空気に、青く若々しい芝。そこに吹く風は思い切り深呼吸すると胸いっぱいに自然の持つ素晴らしい味わいを満たし、心の毒する穢れを洗い流して軽くしてくれる。  そこの名は通称”大岩”村。野暮ったく、田舎臭い名前だ。本当は別に立派な名前があるのだが、その名前は発音しにくいため、この名で呼ばれていた。この村は以前、大岩の紋章を掲げた領主が治めていたことから、その名がつけられ、村のあちこちにその時代の面影を見ることができた。  しかし、それだけが理由ではない。この村は二つ

          第3話「トロール問答」

          第2話「天国はそこにある」

           遠い西の果て。灰色の空に黒い海、白く泡立つ波が寄せる茶色の砂浜。そこには痩せ細った木々を柱にして建てられた漁村があった。  毎日、まだ空が仄かに青黒い頃、たくましい漁師たちは船を出し、網を投げる。彼らはそうして鱒を絡めとると、昼過ぎには帰ってくるのだ。彼らは社会への不満を抱き、自らの地位向上を夢に見る労働者であったが、この物語の主人公は彼らではない。  漁師たちが髪に塩粒をつけ、海の悪魔でも討ち取ったかのように、誇らしげに帰ってきてからが彼の仕事の本番だ。凍える海から引

          第2話「天国はそこにある」

          第1話「ドリーム・パレス」

           私の人生は罪と罰に彩られていた。貧しい家に生まれ、泣くとうるさいからと父に殴られ、黙っていれば生意気だからと殴られる。母はそれを見ても振り向きさえしない。  暗黒時代ともいえる奴隷の子供時代を抜けて、自由な大人になっても、私は人様に迷惑ばかりかけてきた。その”つけ”で年老いてからは孤独に暮らしている。  しかし、そんな酒と暴力に満ちた灰色の私の人生において、一つだけ、ただ一つだけ奇妙な出来事がある。ああ、今でも眠りにつくたびに思い出す。あの極彩色の悪夢を。   すべて

          第1話「ドリーム・パレス」

          小説のリハビリをしたい

          気づけば離れていた小説家志望の夢と現状に満足している自分 気がつけば、映画ライターとして記事を書書かせていただけるようになって1年が経とうとしている。うつ病が悪化して、色々と職場を変えたりと人生に大きな変化や、将来を真面目に考えるようになってからは3年ほども経つ。しかし、それはそうやって自分で自分に「今は忙しいから仕方がない」と言い訳と呪縛をかけ始めてそれぐらいの年月が経ったということかもしれない。 だが注意したいのは、今の映画ライターの仕事に不満があるわけでは無いし、そ

          小説のリハビリをしたい

          書きたい思いがあっても気力が湧かない。もしくは気力があっても体力が続かない。哀しき鬱の性。

          書きたい思いがあっても気力が湧かない。もしくは気力があっても体力が続かない。哀しき鬱の性。

          ナショジオ珠玉のモキュメンタリー!『Tレックス大解剖』を観る!

          1月、新しい職場で新しい仕事をはじめていた私は自分にご褒美として、とあるDVDを購入した。それはナショナル・ジオグラフィックが制作した生身のティラノサウルス・レックスの解剖が題材のモキュメンタリー『Tレックス大解剖(T. Rex Autopsy)』(2015)だ。今回はそのあらすじと感想、そして自分の持っている知識を基に記事を書いてみようと思う。なお、自分は生物学に明るくないので、知識は文化や社会、ポップカルチャー寄りになるので、そこはご承知いただきたい。 この作品はイギリ

          ナショジオ珠玉のモキュメンタリー!『Tレックス大解剖』を観る!

          ナショナル ジオグラフィック Tレックス大解剖 [DVD] https://amzn.asia/d/co2nb6O 衝動買いしてしまった。時間で出来たら感想を書きたいな。

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