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入院人間観察記 #39 コロナの感染者

コロナの感染者

ベッドが一つ空くと病室が広く感じる。岡田さんのベッドは真ん中に位置していたのでそれもある。ベッドを区切っていた間仕切りの布が開くとトシゾウさんが横になりながらテレビを見ているのがわかる。

なんだか病棟が朝からバタバタしているのが伝わってくる。何がが起きてらしい、看護師さんが準備をはじめている。感染対策用の装備で身をつつんでいるようだ。この装備はまずは髪を覆うためのカバーとゴーグルのようなメガネ、いつもとは違うマスクを使っている。加えて全身をカバーするような水色の防護服だ。

病室に看護師さんが入ってくる。まずはトシゾウさんに説明をしている。どうやら病棟のスタッフ内でコロナの感染者がでたようだ。そのために病棟の患者に対してPCR検査を実施するとのこと。またPCR検査だ。入院する時もPCR検査をしている。

自分のところにも看護師さんが回ってくる。簡単な説明をして、PCRの綿棒を鼻に入れる。これがまた痛い。うまくいかない時はもう一度逆の鼻に挿すこともある。結果は2日後にわかるらしい。病院にいてもコロナのリスクがあるのは病人にとっては怖い要素の一つである。そして看護師さんにとってもスタッフが減るのと必然的に仕事量が増えるので余裕がなくなり医療ミスにつながりやすい状況が生まれる。コロナの副次的な要素が病院にいるとよく分かる。

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