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わたしを構成する惑星🆕

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記事一覧

揺りかごから墓場まで

雨音が鳴って
十まで数えたら
足音まで鳴って
わかっているから
引き留めない

この四畳半を陣地として
極限まで細胞が拡大して
お母さん、
昨夜 あなたは
遺言のように
大量の赤いヘアピンを散らした
分からない言葉で
あちこちに引いた境界が
わたしを定義して
とても 孕む

かたくなに結んだ拳から
砂がこぼれて
巧妙にひそませた敵意が
あらわになって
ついに限界を知った

したがって
お母さん、

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余熱

凍りついていく
感情のなかを
一匹の魚となって泳ぐ

したたかに
うちふるえて
うつくしい朝を迎えました
靴音が響く
少しずつ剥離していく

言いたいことを
言わないまま
朝食のための
卵をかき乱す

昨夜わたしは
あなたの頬を殴り
ひどいことを言った
聞き分けはいつもわるい

弱点をつかれて
うろたえたのち
人のかたちを失って
いつだって、わたし
重たいシーツの上で
ゆらいでいた

いつまで歩け

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