余熱

凍りついていく
感情のなかを
一匹の魚となって泳ぐ

したたかに
うちふるえて
うつくしい朝を迎えました
靴音が響く
少しずつ剥離していく

言いたいことを
言わないまま
朝食のための
卵をかき乱す

昨夜わたしは
あなたの頬を殴り
ひどいことを言った
聞き分けはいつもわるい

弱点をつかれて
うろたえたのち
人のかたちを失って
いつだって、わたし
重たいシーツの上で
ゆらいでいた

いつまで歩けばよいのだろう
輪郭のはしばしが
凍りついていく
こうなることは
わかっていたのに

次こそは
言いたいことが
言えますように。

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