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「話くらい聞いて」・・・それって、本当に話?

「ちょっと話がある」

「話聞いてほしい」

しばしば、こういわれますよね。


しかし、その「話」の内容は様々です。

真剣な悩みごとの相談もあれば、他愛もない雑談だったり。


しかし・・・

中には「自分だけが一方的にしゃべって相手を拘束する」

ということがありませんか?


例えば、このように。

「こないだ私の昔の知り合いにあったけど相変わらずおしゃべりだったわあの子はどうでもいいことを長々と一方的にしゃべるそんなもん効かされる方がどれだけいやかわかってない自分が一方的にしゃべるだけならあいてはいらないっていうのにだらだらだらだらとそれでな、」

読みづらい文章を書いてしまい、申し訳ありません。

しかし、不快であることは、お分かりいただけたかと思います。


このように、話といいながらいわば、「一方的なしゃべり」をしてくる人もいます。


内容は…正直言ってどうでもいいこと。

いえ、腹立たしいのは内容ではなく、「一方的である」ことです。

上記の「不快な文章」を思い返してください。

聞いている側が、何か発言していましたか?

何も発言していません。

しゃべりたい側が一方的にしゃべっています。


構図で言えば、しゃべりたい側は楽しいのですが、

聞かされる側は不愉快です。

例えるならば、

「キャッチボールしようと言ってたのに、実際はボールをぶつけられるだけだった」


というようなものです。

ぶつける側、加害者は楽しいでしょう。

しかしぶつけられる側、被害者はどうでしょうか?

楽しいと思いますか?


ほとんどの人が「楽しくない」というでしょう。

何しろ、一方的なのですから。


私は、会話、話とは言葉と言葉のキャッチボールだと考えています。

しかし、自分のしゃべりたいことを一方的にまくしたてるのは、

キャッチボールではありませんし、そもそも対等ではありません。

いわば、「対等な話」と、「一方的なしゃべり」です。

そう考えるようになったのは、私も、こういうことをされた経験があるからです。


相手は祖母。

「いや、年寄なんだからきいてやれよ・・・」

「話し相手がいなくて寂しいんだよ。少しぐらい聞いてやれって」

「老人の話は聞くべきだ!」

こんな反応が聞こえてきそうですね。

一見、正論です。

ですが・・・この正論の発言者は、大事なことを見落としています。

「それで不快な思いを強いられた人がいる」

もっというなら、「被害者がいる」

という事実を。


少し話はそれますが、「年寄の話は聞くべき」と言いますよね。

それはなぜでしょうか?

私が思うには、

「人生経験が長く、いろんな知識や技術、経験があるから。」です。


もっと言えば、「困ったときの相談役」としてです。

今、何かの問題に直面してどうすればいいのかわからないとき、

「ああ、それか。私も昔、経験あるよ。

それはね、こうすれば、うまくいくよ。」

こんな風に、解決のためのアドバイスをもらえれば助かりますよね。

ですが、一方的にしゃべる行為は、そうではありません。

一方的な雑談に付き合わされて、楽しいですか?

何か知識や経験が得られるでしょうか?

何か、あなたの人生にとってプラスになるのでしょうか?

無条件で、「年寄の話は聞くべきだ!」という「理屈屋」「正論屋」の方々には、ぜひともお答えいただきたいですね。

「一方的なしゃべりに付き合わされるのは嫌だ!!」

と思う例として、私と祖母の間の出来事をお話ししたいと思います。


私が20代半ばのころは、仕事が終わると祖母に「今、仕事が終わった」と連絡を入れていました。

これは、就職を機に実家から引っ越した私への祖母からのお願いでした。

「忙しいときは仕方がないが、仕事が終わったら電話をしてほしい。あんたの声を聴きたい。」

最初のうちはほんの3分程度といった短時間で済んでいたのですが、

20代半ばのある日、最初の事件が起きました。

その日、私は休日で、マンションの自室にいました。

ネットサーフィンをしていたところ、珍しく、祖母の方から電話をかけてきたのです。


が、「元気にしてるか?」と向こうが言った後は、「無駄しゃべり」でした。

とにかく長時間、早口でまくし立てるのです。

早口ということは当然、聞き逃しも多い。

「え?今、何を言ったんだろう?え~と、前後から考えるとさっきの話の内容は…」

こういうことをやっているうちにむこうの「しゃべり」は続き、内容が変わっています。

相手はすっかり、「一人だけの世界」に入っているのです。

こちらは置いてきぼり、一方的です。

この時は1時間ほど向こうが勝手にしゃべり、ようやく収まりました。

ちなみに祖母の話の内容は、雑談、といえばそうなのですが、具体的に言うと、過去の自慢話や、誰かの悪口がほとんど。

相手を疲れさせる内容です。

その間、私はというと、携帯を持ったまま、この無駄しゃべりに付き合わされていました。

腕が疲れましたし…イライラしましたよ…

ただ、時間を無駄遣い「させられた」のですから。

腹が立たない人がいますか?


しかも、電話はこの日、もう一度ありました。

その時も、向こうが一方的にしゃべり、私はただ、時間の無駄遣いをさせられました。

早口でまくし立てられると、妙な圧力があり、コメントをはさむことができません。

そうなると、相手を阻むものはなくなり、余計にしゃべってくる。

逆にこちらのイライラは募るばかり…

「穏便に済ませたい…けど、早く終わってほしい!!」

と、思っているのですが、相手には全く伝わりません。

「自分だけの世界」に入っていますから。

この時は「おばあちゃん、もういい加減にして!!もう2時間近くも付き合わされてる!いくら休日といったって、俺にだってやりたいことはある!これじゃやりたいことができん!!」

と、たまりかねた私が祖母を怒鳴りつけ、終わりました。

祖母は切る際に「わかった。」と、不機嫌そうな声で言って、すぐに切りました。

他にも腹立たしいエピソードはあるのですが、もう一つだけ例として紹介します。

それは、「相手の都合を無視」です。


先ほどの例も、相手である、私の都合は無視していましたが、今度はもっとひどかった。

この時、私は祖母の喋りに耐え兼ね、一か月以上電話をしていませんでした。

ある日、出席したセミナーの休憩時間に祖母からの電話がかかってきて、私は

「今は休憩時間中だし、あの人の話は長いから用事中だと言って断ろう」と思って通話ボタンを押し、祖母に「今、用事の最中だ」と伝えました。

電話をかけた相手が用事中、言い換えれば、電話に出られない状態であれば、いったん電話を切るはずです。

私も祖母もそうするだろうと思っていました。

ところが、帰ってきた言葉は

「ちょっとだけ!ちょっとだけ話していい?」

でした。

あまりの非常識さに、二の句が継げませんでした。

というより、私も頭の中が整理できていませんでした。

祖母の非常識な対応もそうですが、セミナー会場。つまり、周りには人がそれなりの人数が、います。

しかもイライラしていて、大きな声を出しかねないのですが、

大声を出すわけにも行きません。

けど、その状況で、どういえばいいか、言葉が出てこない。

イライラと、どう言おうかの思考をまとめていての沈黙でしたが、祖母はそれを了解と解釈したのか、しゃべり始めました。

2,3分ほどしゃべっていたかと思いますが、

「このままでは長時間の喋りに発展する!!」

と危機感を感じた私は思い切って

「用事の真っ最中だと言っとるだろ!?電話切ってくれ!」

と、大き目の声で言いました。

祖母は

「わかった。うっとうしいと思うかもしれんけど、また電話してきてな。」

と言って、電話を切りました。


一方的にしゃべって相手を長時間拘束し、相手が逃げればくっついてくる。

しかも、相手の迷惑も考えない…

こういう行動をとるからうっとうしいし、嫌われるのです。


違う言い方をすれば、時間やエネルギーを奪われ、消耗させられているから嫌なのです。


皆さんの周りにも、「一人だけ長時間しゃべって、相手を突き合わせるだけ」

という人がいませんか?

電話だけのやり取りならば、しばらく電話をしないのも手です。

こちらがどれだけいやな思いを強いられているかを行動で示すのです。

「あんたの喋りに付き合わされたくない!」

と。

もし相手が話が通じそうなら、「3分以内」あるいは「5分以内」

といった時間制限や、必要なら他のルールを設けることを提案してみてください。

聞かなければ、放置すれば相手のやりたい放題です。

あなたの意見を聞かず、交渉にも応じないなら、接触を減らすか、絶ってみてください。

これは、正当防衛です。


どうでもいいことで、あなたの大事な時間やエネルギーが奪われているんです。

それを避けることは、悪いことではありません。

あなたが「聞いてもいい」と思うなら聞いてあげてもいいです。

けど、あなたが「もう聞きたくない!付き合わされたくない!」というお気持ちなら、周りが「聞いてあげようよ」とか「聞くべきだ!」あるいは「きいてほしい・・・」

といおうが、周りの意見などよりも、自分の心の声を聴いてください。

聞きたくなければ、聞かなくていいんです。


聞く、聞かないの決定権は、あなたにあります。

他人が決めることではありません。

祖母もそうですが、

「ただ自分が喋りたい!何時間でも自分が満足するまでしゃべるのを聞いてほしい!相手のコメントや相槌はいらない!ただ、聞くだけでいい!!」

こういう考えの人は、ぜひ電話はやめて、鏡に向かってしゃべっていてください。

迷惑です。

相手が得られるものは、ストレス以外何もない。

逆に、失うものは多数あります。

信頼、友人、下手をすれば家族まで失うでしょう。

一方的にやりたい放題やるなら、しっぺ返しを食らう覚悟くらいお持ちなさい。


念のために申しますが、

「じゃあ覚悟さえあれば自分の喋りに相手を突き合わせていいんだ!」

「相手の迷惑なんか考えず、やりたい放題やっていいんだ!」

という意味ではありません。


聞きたくもない一方的なしゃべりに付き合わされている方は、

嫌なら嫌と言っていいんです。

「言っても相手は聞いてくれないよ…」

「言いたいけど、言いづらいんだよ…」という場合は、

フェードアウトしましょう。

そんな嫌な相手から電話がかかってきたら、無視しましょう。

かけ直してあげる必要もありません。

電話に出てしまい、一方的に相手が喋りだしたら?

こういう喋りって、早口でまくし立てる場合がありますよね。

しかもそれが妙な圧力を生んで、口をはさめない。

結果、長時間、聞きたくもない独り言を延々と聞かされる…

これから逃れるには、まず、耳から少し電話を離します。

次に、電話を持った手を下に下げます。

電話との距離をさらに明けるのです。

最後に、そのまま通話を終了しましょう。

もちろん、電源を切ってもOKです。

相手から離れればいいのです。

では、直接、面と向かっている時に始まったら?

「一人だけでしゃべりたいなら一人でどうぞ。」

と言って離れるか、言いづらい場合には、

無言で離れればいいでしょう。その時に耳をふさぐのもいいですね。

「聞きたくない」という意思を示すのです。


他人を消耗させることに無理してまで付き合う必要はありません。

そんな義務は、だれにもないのです。









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