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D(omestic) - EVIL Contractor【第3回逆噴射小説大賞・素振り投稿】

20XX年、富久山市。薄汚れた下町、建物の過密な狭隘地に、スレート張りの町工場があった。鰻の寝床のような縦深の敷地には、クレイモア対人地雷が複数列に並び立ち、前方に睨みを利かせる。工場は沈黙に包まれていた。

「欧米軍需産業に与する人殺し! 川上工業出てこーい!」
「非国民を血祭りに上げろ! 外国人の走狗に皇国の天誅を下せ!」
「川上工業は、多国籍企業に魂を売り渡した、ヤマト民族の恥晒しだ!」

揃いの特攻服を着て、K1A機関短銃で武装した男たちが、町工場前の歩道にずらりと並び立ち、声を荒げていた。背後の路上には、黒塗りの街宣バスが横付けされて、道路に大きくはみ出していた。咎める者は誰も居ない。

バスの車種には金の菊紋。車体側面には、政治結社・愛郷行動隊の白文字。

対人地雷は恐ろしいが、裏を返せば弱小企業・川上工業の防御はその程度。右翼は徹底的な遅延行為で、長期戦に持ち込む算段だった。

近所迷惑な街宣が響く通りに、白いデリバリーワゴンが一台走り来る。

「おい、何だあの車は?」

制限速度ピッタリで走り来たワゴン車は、町工場前と反対側の路上で停車しドアを開いた。紺色の作業服、覆面、Vz58ライフルとUK59機関銃。

BLAMBLAMBLAM! BLAT-A-TAT! DAKKA-DAKKA-DAKKA-DAKKA!

「「「ウワーッ!?」」」

無警告の銃撃。街宣バスが火花を散らし、右翼たちがダース単位で倒れる。紺色の武装集団は、手際良く虐殺を終えると、素早く乗車して逃走した。

――――――――――

同時刻、街外れ。葬列めいた黒塗りの車列が、街路を疾走する。護送される川上工業の社員は、社が独自開発した最先端の光学技術を携えていた。

ZOOM! ZOOM! ZOOM! ZOOM! ZOOM! VROOOOOOM!

郵便配達員の原付バイクが、路地から無数に飛び出して車列を追う。乗員がホルスターから80式衝鋒手槍を抜いた!


【続く】

――――――――――

【これは何ですか?】

二週間ほど書いて、1万数千字ほどになった短編ですが、どうにも完成する見込みがないのであえなくボツに。供養がてら素振りに使いました。

ちょっと今回、本当にメンタル的にアレなんで、いい感じに書けるかどうか全く分からないんですけど、大賞に1作くらいは投稿したいと思います。

取り敢えず、今日はこんなところで。


From: slaughtercult
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