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刃物:生まれて初めてナイフを買ったら、クッソ面倒に巻き込まれた話。

どうも、slaughtercultです。人生で初めてのナイフを外国から個人輸入して買いました。クッソ揉めましたが、何とか国内に持ち込めたので記録まで。

土壇場でハブられたコンデジ、SIGMA DP2Xちゃんの呪いかな?
お陰様でテンション駄々下がりです。本当にありがとうございました。
開封動画を撮り直す気にはならないので、投げる動画で挽回しよう。

ずっとナイフが欲しかった

実を言うと、前々からナイフには興味があったんですねぇ、私。
鉄砲、銃とかミリタリー系の道具に興味があると、ナイフというのも自然と視界に入ってくるんですねこれが。いわゆるコンバットナイフですね。

私が気になってるナイフ、例をいくつか挙げてみましょう。

https://www.kellamknives.com/ より転載しています。
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フィンランドのFISKARS『J-P Peltonen Sissipuukko M95』。フィンランドのFISKARS公式ページに画像が無かったため、米国の代理店から画像を引用。
炭素鋼の表面をテフロンコート、ラバーグリップを装着した寒冷地仕様。
いわゆる軍用ナイフの中では、かなり大人しい見た目ではないでしょうか。

画像は https://www.eickhorn-solingen.de/ より転載しています。画像の転載は、転載元の転載規約に従って行ってください。

ドイツのORIGINAL EICKHORN SOLINGEN『Defender』。アイクホーンはKM X000系のコンバットナイフが有名ですが、私はこの鉈(マチェット)が一推しです。90/110/130と、刃渡りが異なる3種類をラインナップ。
最長の130で刃渡り18.2cmですが、銃刀法では刀剣扱いされないとは思う。

画像は https://www.extremaratio.com/ より転載しています。
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イタリアのEXTREMA RATIO『Fulcrum S』。ヒルト部にソケットを追加した銃剣仕様の同型品もありますが、銃剣は日本では問答無用で違法です
これも背の一部に刃付けされてるので、日本では買わない方が無難ですね。
(ここ、重要な点です。後でもう一回説明しますね)

まあこんな感じで、鉄砲ばかりの男と思われがちな私ですが、実は刃物にも結構うるさい男なのです。しかし今まで1本も刃物を買ったことが無い。

知識だけでモノを語る……童貞ですね。刃物童貞。ネットで能書きを垂れて偉ぶるイヤーなヤツ。いい加減に卒業しなきゃと思ってたんですよ。

うーんしかし、イマイチ購入に踏み切れない(童貞特有の迷い)。

だって、高いんだもん! ナイフ!

1.ケラム・ナイブズ『レンジャー・プッコ M95』
  ……$189.45($1=¥105で換算……¥19,892)
2.オリギナル・アイクホーン・ゾーリンゲン『ディフェンダー 130』
  ……€163.76 (€1=¥130で換算……¥21,288)
3.エクストレーマ・ラティオ『フルクラム S』
  ……€338.00(€1=¥130で換算……¥43,940)

補足:その筋では有名な、フィンランドの通販サイト『LAMNIA』での価格
1.J-P Peltonen Sissipuukko M95, Coat of Arms ……¥9,173
 (アメリカから買うより断然安い。買うならフィンランドからですね)
2.Original Eickhorn-Solingen Defender 110  ……¥17,036
 (LAMNIAでは110のみ在庫。メーカー直販だと €154.02/ ¥20,023)
3.Extrema Ratio Fulcrum S          ……¥34,073
 (日本では税関で放棄させられる可能性大。他のナイフにしましょう)

エストレイマ・ラティオ高杉説。とか言ってたら怒られちゃいますね。
それはさておき、ナイフに1本1万円出せるか? と考え……うーん却下(笑)
酸っぱいブドウ……FOXは己の欲望に目を瞑り……そして時は流れた……。

スローイングナイフ系YOUTUBERを見る

ある日、私は遂にその動画に出会った。出会ってしまった……。

投げナイフ系YOUTUBER、Adam Celadin(アダム・チェラディン)。
チェコ在住の彼は、投げナイフ競技世界チャンピオンを経験した実力者。
スポーツ用投げナイフに、軍用ナイフ、槍に刀にヘンテコ刃物まで!
バターナイフ、ドライバー、割り箸、鉛筆、空薬莢、何でも投げまくる!
動画を見れば見るほど、その奥深い投げの技術に舌を巻く凄い人!

ペペ爺さん。アダムさんは『メンター』と仰っているので、師匠なのかな。
Vz58ライフルの銃剣をカスタムし、投げナイフに使うのはチェコならでは。
刃を握った半回転投法、柄を握った一回転投法ともに、流石の腕前!
小さな子供が投げナイフに興じる姿も、国民性の違いを感じられて面白い。

再燃、ナイフ欲しい病。

……とまあ、こういう動画を見始めたら、かつて封印したナイフへの憧れが再燃し、ちゃっかり影響されて欲しくなってくるわけです。

投げナイフ、スローイングナイフが。それで国内のナイフショップの通販を物色するわけなんですが、まあ……あることにはあるんですよね。

画像は https://www.unitedcutlery.com/ から転載しています。
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United CUTLERY『Gil Hibben』シリーズとか。これ日本のナイフショップの通販でマジで良く見るけど、ダガー扱いで銃刀法違反なんじゃねーか?

画像は https://www.uzi.com/ から転載しています。
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UZI『UZK-TRW-004』とか。UZIナイフも、これ以外はクナイやダガー状の投げナイフばかりで、日本では所持不可能。これは大丈夫だと思うけど。

とまあ、色々とあるわけですよ、選ばなければね。でもなんか違う……。

違うんだよ! 私が欲しいのは、そういうナイフじゃないの!

私が欲しいのは……コレ!

画像は https://www.knifen.se/ より転載しています。
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Iwap Handelsoffset AB『Knifen』。スウェーデン鋼! えっちっち!
これ絶対に大丈夫、100%税関通る! だって見た目ただのナイフだもん!
エッ、サイトはスウェーデン語限定……しかも品切れ中だし……断念。
(ちなみに今は在庫復活してます。そのうち購入をリトライしてみるべ)

画像は https://grafknives.pl/ から転載しています。
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Grafknives『T3 Nospin』。ポーランド製。投げナイフ競技に最適化された形でありつつ、1本 85.00 zł(1zł=27円、85.00 zł=¥2,295)とお値打ち品。

オッ、しかもPaypal使えるじゃん。買ったれ。いや……おかしい。何で日本の住所を入力したら、その住所に送るオプションは無いと表示されるんだ?
メール……返信こねーな。Google翻訳じゃ駄目か? もういいや、放置。

(最終的にメールの返信が来て、購入対応させてもらいました。通関すれば私はGrafknivesの日本顧客第一号でしょう。通関すればね。えらく弱腰だなですって? そりゃもう、拡大画像をよく見たら、刃の形が……心配)

お前、本当にナイフ買う気があるのか?

なんか色々と右往左往して、もうホントグロッキーな気分になりまして。
Frying Steel』の投げナイフ、買おうか散々迷いましたよ。あれ1本$85は平気でするクッソ高級品だし、1本目に買うのは絶対にイヤなんだけど。

でも正直言って、選択の余地が無いのよねえ(タブブラウジングしつつ)。
つーか……投げナイフでネット検索かけても、全然情報が出てこない!
何だ、外国のクナイのパチモンとか、COLD STELLとか、絶対買わんわ!

もう買える者なら何でもえーわ(但しGBやUZIはNG)、そうだ投げナイフ系YOUTUBER、Adam Celadinさんが関わってたブランドが確かあったよな。チェコのメーカーで、名前は……そう『sharp blade』。
ウワッ、3本セットで余裕で1万円超えるじゃない(やっぱ高いのはイヤ)。

いやしかし、いかにも競技用って感じのアロー型ナイフもまた乙な物……。

画像は https://www.wulflund.com/ から転載しています。
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なワケあるかこのバカッ! 何だこの切っ先の鋭さ! 刃体の長さ、絶対に5.5cm以上あるじゃねえか! ダガーナイフに該当つまり銃刀法違反だ!
こんなもん買おうものなら、税関で否応なしに任意放棄させられるわ!

というわけで、日本で合法的に買えるのはこれぐらいが関の山でしょう。

画像は https://www.wulflund.com/ から転載しています。
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びぎなーずせっと(はじめてのなげないふ)。まあ必要十分ではある。

鋼材は54SiCr6スプリングスチール(CSN 14260)チェコ製のバネ鋼らしい。
全長 24cm、厚さ 4mm、重量 180g。刃体の長さこそ不明ですが、どこからどう見たって5.5cmは下回っているでしょう。あれ、もしかしてイケる?

このナイフはダガーナイフではない、つまり合法! 成る程、私賢い!
よっしゃ買おう! 銃刀法では合法なんだから文句のつけようがないだろ!終わり! 閉廷! 以上! 皆解散!

そうは問屋が卸さないんだよなあ、この話は(苦い顔)

実際にスローイングナイフを買ってみた(悶死)

善(?)は急げで買いました。『sharp blade』はPaypalで普通に購入OK。確認のメールも早いし、ショップとして中々に優秀。これなら日本人の店と同レベルで信頼してもいいなぁ。と、浮かれてたんですねぇ最初の内は。

それはプータローになりかけた男の気の迷いか。ともかく賽は投げられた。

4日でチェコから日本に到着。早くない? 何この運送会社、神か?
この時はまだ……そう思っていた。

知 っ て た 。
余裕余裕、まだ大丈夫。ちゃんと説明すればわかり合える。
何てったって、私は銃刀法の条文をちゃんと理解しているのだから!

こんなんじゃ商売になんないんだよ(棒読み)

からの朗報。こんなに役人に感謝したのはいつぶりだろう。
直前に、役人と支離滅裂な論議(後述)をしたので、より痛感した。

土日が明けて月曜。経産省から翻り運送会社と対決する私。もう充分だよ。

からの、これだからな。一応、自分でも予防線でメールしといた。
実際に税関に送ったメールです。どこの税関かは伏せといてやるよ(傲慢)

かーらーのー、これね。要するに、通関できたから国内配送するってこと。
本当に舐めてんのか? つーか、日本は本当に法治国家なのかな?(後述)

勝ち取りました、私のナイフ。マジで銃刀法って何なんだ……(後述)

結論言うけど、日本国内へのナイフの個人輸入は、マジで覚悟しとけ。
それが普通のナイフならまだしも、スローイングナイフはマジでヤバい。
役人に難癖付けられて(実体験)逃げ帰る根性無しなら、止めた方が無難。

因みに私は逃げなかった。最後の最後まで自分の合法性を主張し続けた。
大体、合法である自信があったからね。負ける要素なんかねーと思ってた。
実際のところは、経産省のメール回答が大きな追い風になったと思う。

つまりは、ただの運ってことですね。(銃刀法には確実に違反してないが)

実際のところ、何があったのか?

具体的な話に入る前に、私がどんな人間かを軽く紹介しておこう。

私の仕事は、有り体に言えば事務職だ。地方銀行の融資課だとか、市役所の税務課だとか、税務署だとかに鉄砲玉に行って交渉したり、社内にいる時は社会保険庁の徴収担当と話をしたり、銀行に提出する財務資料を日々作って連絡したり、取締役と同席して借金の返済会議に突き合わされたり……。

中でも一番クソ仕事だったのはアレだな。社内で着服が発覚して警察沙汰になった時、取締役や同僚らになじられ、嘲られながら帳簿をめくった日々。

……つーわけで、もう分かるだろ。肝が据わってんだよこっちはよ。
役人だから何だ? 肩書き出せばビビると思ってんのかよ、この俺がよ。
舐めんなよ。こちとら社会の最底辺の貧乏人じゃ。失うものなぞ何もねえ。

ちょっと喋り過ぎたかな。まあ、どうせ賽の出目次第でプータローだし。

ともかく。

結論としては、この話で最大の障害は『税関』だったわけだ。

「銃刀法? 知らんよそんなもん。俺たちが刀剣って言えば刀剣だし(笑)」

マジかよ。いや、これはだいぶ悪意のある意訳なんだが、マジでこれに近いこと言われたからね、私。

「銃刀法の厳密な規定値がどうあれ、税関である我々が刀剣と認める刃物は通関させられません(笑) 通関させたければ、『経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部 貿易審査課』まで、輸入承認の書類を提出してください(笑)」

大体こんな感じの内容だったかな。いや語尾の(笑)は冗談ですがね。これを私は、手続きを面倒臭くして引き下がらせる、という戦術だと感じました。

これ、実に役人らしい発想ですよね。誰が大人しく従うか、バ――――カ!

これ聞いた時、私はマジで思ったね。

法律の厳密な規定、条文に従えないって……本当にこの国は法治国家か!?

って。税関管理部の一役人がだぜ? 積極的に法の恣意的解釈するんだぜ?

おまけにさ、スローイングナイフを刀剣と認める理由、何て言ったと思う?

「投げるために作られた刃物であり、人に危害を加える可能性があるから」

……????? あほかと。一見正しいようで、無茶苦茶な理屈じゃない。

「どのような刃物でも、投げれば人に危害を加える可能性はありますよね」

これ私、マジで言いました。常識の範疇で考えて有り得ない話ですよ。
もうね本当に、難癖もいいところ。殆どヤクザの言いがかり同然ですよ。

あのね……私、一つ誤解してた。法のグレーゾーンを縫うと言えば人聞きが悪いけど、「条文に書いていないことは規制できない、しようがない」。
そう思っていたんだ。愚直に。馬鹿みたいに。信じ込んでいたんだよ。

でも実際は違う。連中は次元が違う。役人マジでヤベーぞ。何だあいつら。

与えられた権限が大きくて、人治主義が始まるとマジで碌なことが無い。

頼むよ! 仕事は法律の条文の範囲内でやってくれ! 私も法律守るから!

お陰でクソ役人に合法な輸入物を自分の意思で捨てさせられかけた、という非常に稀有な体験をすることができました。

自分の意思で捨てさせられる……皆さん、ここ大事な点ですよ。違法な物を輸入したんだから、貴方は自分の意思でそれを捨てるんですよ? 監視する我々、税関という役所は、その責任を一切負いませんよ? ということ。

この文言、本当に禁制品だけに対して発せられるなら何ら問題ないけれど。

あと、最後に運送会社な。最初から最後まで税関の意向を窺う、客じゃなく役人の方を見ている越後屋、という月並みの感想しか湧きませんでした。
あそこまで役人にビビリ倒す会社、本当にあるんですね。感心しましたよ。
まあ、外資系だからアンチ役人とか勝手に思ってた私も悪い。それだけ。

終わりに

つかれた(率直な感想)
あと目ん玉節穴クソ役人は、法律の条文を百回読み直して勉強しろ(辛辣)
もう21世紀だぞ、令和だぞお前よ。人治主義とかマジでいらねーから。

でも、まだGrafknives……ポーランドからのお荷物があるんだなぁ……。
こっちは国際郵便、つまり運送会社を挟まずに、郵便⇒郵便でダイレクトに送られるタイプの荷物ですので、また違った形で楽しめそう(白目)

慌てて勇んで買ったスローイングナイフでしたが、本命のKnifenを買う日は一体いつになったら来るのか……取り敢えず今月中は我慢するつもりです。

一応、Google翻訳したスウェーデン語で『情熱的な』メールを送ったけど、連中ときたらガン無視決め込んでやんの……カーッ、ムカツクッ!

何が何でも日本に送らせてやるからな、スウェーデンの投げナイフ!

恐らく、Knifenには銀行で国際送金することになりそうです。投げナイフを買うためだけにVisaカード作るのもバッカらしいしねぇ。

銀行の国際送金程度、役人の交渉と比べたらちょちょいのちょいの楽勝よ。
ルールが文面に示されていて、手順通り行えば上手く行くものは大概余裕。
そうでないものに出会った時は……人生の腕の見せ所なんだなぁ(みつを)

後半は愚痴ばっかになったけど、マジで許してほしい。
今回だけは、それに相応しい金と時間をとっくりとかけているんでな。

……何? 個人輸入は、メールの返信が1~2週間来なくて当たり前、発送に1~2ヶ月は待たされるのもザラだから泣き言言うなって?(タバコ民)

うるせえ! 俺は日本人だぞ! そんなに待てるかこの野郎!
1日で返信が来なけりゃイライラ、1週間返信が来なけりゃキレ散らかす。
それが外国人と取引するってことなんだよ! ストレスも娯楽の内だ!
まさか、国の外じゃなくて、国の中の用事で苛つくと思ってなかったがな!

というわけで、今回はこれで終わりです。
スローイングナイフを投げる動画、今度こそ撮影したいものですね。

【刃物:生まれて初めてナイフを買ったら、クッソ面倒に巻き込まれた話。おわり】

From: slaughtercult
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