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ナイフ:イタリア製のポケットナイフをフィンランドから買った話。【EXTREMA RATIO BF0 CD】

ナイフには『EDC』というジャンルがあります。Everyday carry……携帯してちょっとした時にパッと取り出し、パッと使ってパッと片付ける実用第一の小型ナイフですね。小ささを優先するがゆえに、構造上小型化に限度があるシースナイフではなく、折り畳みナイフが選択され易いジャンルです。

日本で言うならば、古式ゆかしい肥後守や電工ナイフなどは、EDCナイフの典型と言って良いでしょう。鉛筆を削るとか、電線の皮を剥くとか、果物の皮を剥いたり、パンを切り分けたり……仕事や生活に根差した刃物ですね。

どうも、slaughtercultです。今日は久しぶりにナイフの話でもしようかなと思います。私が遊戯用の『スローイングナイフ』を買ったのは、半年前。

それから暫く、自分の購買欲と激戦を繰り広げ、ナイフ世界から離れていた私でしたが、近頃またナイフを買いたい熱が高まってきて……。というのも通販で届いた箱を開けるような、日常使いの小刀が欲しくなりまして。

ハサミとかカッターとか、そういう一般的な刃物でも良かったのですがね。何にせよ、自室の手の届く場所にそういうのを置いてなく、箱を開けようとするたびに居間に取って返し、ハサミを取ってくるのがいい加減に億劫で。

まあ……それってただの口実なんですがね(笑) 仕事のアレでストレスフルな潤いの無い日常、鬱憤を晴らすには買い物しかない! 前から思ってたけど私って買い物狂いのケがあるんですよね。気をつけなきゃヤバいです。

買うナイフは折り畳み式にしよう、というのは第一条件で決めていました。第二条件には安いこと、ね。高くても一万円以内で。私が好きなメーカーで該当する物があったらいいなぁ……と思って探していたら、ありました。

私の好きなメーカーは、ドイツの『ORIGINAL EICKHORN SOLINGEN』と、イタリアの『EXTREMA RATIO』なのは以前にもお話しした通り。

アイクホーンもエステレイマ・ラティオも、値段の安いナイフメーカーではないのですが、幸いなことにニュービー向けの安いナイフがありました。


買い物候補1.アイクホーン EPK HD ブレード

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アイクホーンでは『EPK』、ブレードは写真のHD(ヘビーデューティ)と、先端が槍のように膨らんだスピアーポイント、刀型のタントーの三種類。

鋼材は1.4110、刃渡り85mm(3.35インチ)に重量132gのフルサイズです。刃体の厚みは2.5mmで、ブレードを銀色と黒色から選べます。アルミ合金のグリップもまた、銀・黒・赤・青・緑の5色から選べ、組み合わせは自在。

刃体根元のアイクホーン社のリスの商号の直上に、左右両側から使用できるディスク型の指かけがついています。指かけの直後には、ジンピングという波打ちが設けられ、力を籠める際に親指を置いて滑り止めに出来る構造。

構造はフツーのライナーロック、1.4110ステンレス鋼材は包丁や食器などに使われる一般的な物。何の危なげも遊び心も特徴も無い代わりに、驚くべきポイントは本体価格が69.90 EUR(≒9,087円)というその圧倒的な安さ!

中華製はその半額以下で買えるから、冷静に考えれば安くないか……(;'∀')

良く言えば流行を抑えた堅実なスタイルです。もっとハッキリ言えば市場に定評あるベンチメイドやスパイダルコななんかのパクr……ですね(笑)

おっと、気安くパチ……と言っていいのか? では実例を挙げましょう。


例1.ベンチメイド 555 ミニグリップティリアン

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S30V鋼材の2.91インチ(73.9mm)ブレード、ナイロン製グリップを採用し重量は驚きの79.66g! ハンドル上部に貫通するカンヌキ型のロック機構はベンチメイドご自慢の『アクシスロック』。折り畳みナイフの優等生です。

お値段は125 USD(≒13,750円)と、品質の高さの割に頑張っている印象。


例2.スパイダルコ C41BK5 ネイティヴ 5

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ベンチメイド同様に粉末冶金鋼・S30Vの2.95インチ(75mm)ブレードで、ファイバーグラス強化ナイロン(FRN)グリップを使用する重量は71gと、完全にベンチメイド・グリップティリアンに『当て』られた製品です。

ロック機構はスパイダルコ得意のバックロック。アメリカ製であるがゆえ*価格は155 USD(≒17,050円)とベンチメイドよりお高めですが、日本製で安価な『デリカ 4』の120 USD(≒13,200円)と比べても遜色ない良コスパ!

*スパイダルコの中で、USA製と日本製があるという意味。スパイダルコに限らず、現代のメーカーは自国製と外国製を価格で使い分けるのが普通。


ベンチメイドにスパイダルコ……うーんこれほど安価で優秀な製品が他にも存在する状況で、安さと愛だけで(それ、両立するのか?)アイクホーンの折り畳みナイフを敢えて選ぶ理由があるだろうか? Böhler N695鋼を使う『PRT』系列だと、消防・救急向けのお仕事ナイフで波刃しか選べんし。


買い物候補2.アイクホーン PRT-VIII G10

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スペックは候補1の『EPK』とほぼ同じだが、鋼材は包丁と同じ1.4110からBöhler N695(=440C鋼)に強化され、ブレード形状もスピアーポイントとタントー、銀色と黒色の4種類から選べる。EPKや普通のPRTならアルミ製のグリップもG10素材に変わり、黒・迷彩・ピンク・オレンジ色も選択可能。

値段は上記の黒色ブレードの『PRT-VIII』なら、111.43 EUR(≒14,486円)。銀色ブレードのPRT-II(スピアーポイント)とPRT-III(タントー)なら、少し安くて107 EUR(13,910円)なんだが……う~~~~~ン、絶妙に微妙ッ!

 

買い物候補3.エストレイマ・ラティオ BF1 CD

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どうにもフン切りつかず、ドイツ製のアイクホーンが駄目ならイタリア製のエストレイマ・ラティオはどーだと見てみたんだが……まぁ悪くはない罠。

刃渡り69mm(2.7インチ)、重量88gのライナーロック構造で、グリップはアイクホーンと同じアルミ合金製である。あと両刃だらけで銃刀法が危ういエストレイマ・ラティオ製品の中、フラットグラインドという非常に珍しい無個性という個性を持った機種。黒塗りのブレードってカッコイイよね。

鋼材はアイクホーンの使うBöhler N695よりチョイ強な……Böhler N690鋼! 悪くない、値段は? ……152 EUR(≒19,760円)! ハァァ~ッ!?

なめんな(真顔) お前んとこのナイフ高いんだって、いつも言われない?
まぁ買って後悔はしないだろうが、初心者が一本目に買うヤツじゃないな。
これでも安い方なのだから……エストレイマ・ラティオ、怖いでしょう?


買い物候補4.エストレイマ・ラティオ BF0 CD

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で、半ば渋々といった具合に、メーカーサイトの折り畳みナイフ一覧の一番目に触れやすい、最上段の左列に居座るこいつに目を留めたってわけ。

まあ気に入ったのは何より値段……ですかね? 84 EUR(≒10,920円)という値札が視界に飛び込んできて、私は思わず目が ( д) ゚ ゚ ポーン となった。

エストレイマ・ラティオにしてはメチャ良心的な金額なんだが? 大丈夫?

うーん、ブレードはストーンウォッシュ(サンドブラストみたいなモンだ)仕上げかぁ、真っ黒じゃないのは残念。鋼材はBöhler N690で上位機種から変わってないのね、そこコストカットされてなくて良かった。ブレード長は55mm(2.16インチ)かぁ、ちょっと小さ過ぎて使い辛いかな……? しかもサムスタッド(開けるための指かけ凸部)すら付いてないスパルタ仕様か。

云々かんぬんと気に食わない点に文句垂れつつ、対抗馬のスパイダルコとかCRKTのポケットナイフなんぞ、おもむろに見て対比してみたわけだ……。


例3.スパイダルコ C28BK2 ドラゴンフライ 2

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Böhler N690と同等の性能を持つとされる、VG-10鋼の2.25インチ(57mm)ブレードの日本製。安心と信頼のスパイダルコ。迷ったらここのメーカーを買えば良い。わかっちゃいるが、買ったら負けな気がするのよな(誰に?)

お値段は100 USD(≒11,000円)なので、一流メーカーにしては良心的だ。

例4.CRKT ピラー・ラージ

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CRKT(コロンビアリバー・ナイフ&ツール)、ミートクリーバー型と言って肉切り包丁を模した、0.15インチ(3.73mm)厚で2.67インチ(68mm)長のブレードが特徴。ブレードもグリップも総ステンレスで重量119g、頑丈だが鋼材は中国製の8Cr14MoV……34.99 USD(≒3,849円)という安値の由縁だ。

このナイフ、ロック構造はライナーロックの変形型で、ライナーの代わりにフレーム自体が凹んで噛み合う『フレームロック』である。ライナー型よりロックの受けが厚いので、ライナー型に比して強度が出るんだそうな。

某YOUTUBE動画では「アウトドア界隈に人気」と言われていたが、残念だが私の好みには合わないかな。そもブレードが分厚過ぎ、箱を開ける用途には合わなさそう。てかピラーよりドラゴンフライのが刃が短いってこれマジ?


しみったれた闘争の果てに、購入。

ツイートした通りですな。実は昨日の昼には届いてたんだが、開封の動画を取ろうと思って今朝まで放置してたのよね。私にしては堅実な選択をした。

買ったのは『EXTREMA RATIO BF0 CD STONE WASHED』である。完璧に満足し納得した上で買ったワケではない(本当は1ランク上の『BF1 CD』が欲しかったし、いつもの私ならば無茶こいて金をブッ込んでた)が、今回はコロナ下のビンボー状況を鑑み、さすがに自重して2万円は出せなかった。

それより、いつものようにメーカーの公式サイトから買おうと思った私が、エストレイマ・ラティオの電子市場で決済しようとしたら、配送国の一覧に日本が無かったのが、今回一番のどんでん返しでガッカリ局面である。

素浪汰 狩人、怒りの呟き。メーカーに見えるようわざわざタグまで付けた

公式、見てるか~ッ!? ただエストレイマ・ラティオより酷いのが、実はアイクホーンの公式だったりする(笑) 送料がえげつない。中国・韓国まで95 EUR(≒12,350円)ってどうなってんだオメー。それ以外の東南アジアや中近東に至っては105 EUR(≒13,650円)だ。日本は記載にないので、中韓と東南・中近東のどちらで計算されるかは不明だが、どちらにせよ送料だけで13,000円±も費やすのは既定事項だ。商品代と送料でダブルアップである!

いや……アイクホーン公式から買うの止めるわ(白目) と言ったところでエストレイマ・ラティオ公式が日本へと直販してくれるわけでなし。公式にメール凸せずに泣き言とな? と思ったそこの貴方は甘い。実は電子市場の発送国に日本が入っていない旨を、既に公式にメールしたんだなこれが。

で、私のメールに対する回答は梨の礫である。欲しいのがサイトで最安近いBF0 CDだと正直に書いたから、貧乏人ザマァって先方にナメられたかな?

打つ手ナシか? これで私が諦めるとも? フフーフ、断じて否である!

ところで、フィンランドの通販サイト『Lamnia』って知ってる?

品揃えも豊富で(在庫切れや取り扱いが無い物も多いが)、実は日本語にも対応してたりする(ところどころ怪しいが)優良サイト。私が購入を考えたエストレイマ・ラティオのBF0 CDも……あったではないか! 残り2個だけ!

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いやぁ~ッ、買っちゃったよねぇ~ッ!!!!! 保証書が添付してあるか実は心配だったが、ちゃんとついていたので問題なし。公式ストア不要説。

ここで注目してほしいのは、合計金額の80.72 EUR(≒10,494円)である。

一方、エストレイマ・ラティオ公式では……84 EUR(≒10,920円)である(笑)

????? 公式で買うより安いじゃねーか。しかもLamniaの金額は送料を含み、本体価格 67.74 EUR(≒8,806円)+送料 12.98 EUR(≒ 1,688円)だ。

直販価格 84 EURに対し、小売価格 67.74 EURの違いとはいかに? これは中間業者(今回はLamniaだな)を挟む都合上、ロットで大量に仕入れるのと引き換えに卸価格を下げさせたんだろう。少しでも価格を下げ市場で捌いて不良在庫を抱えんがための、小売企業側の自衛策。もっと明け透けに言えば買い叩きだがな。悪い例ではAEONなんかがやり過ぎて法にシバかれたが、程度の差こそあれど、世間一般の商習慣としてどこでもやっていることだ。

私はこれまでの経験上、送料に30 EUR(≒3,900円)程度を請求されるならば黙って払おうと思っていた。中間業者よりメーカー自体の利益になった方がこっちも嬉しいからね。しかし全く、ブランドを一皮剥けばこの始末だ。

こちらは良かれと思ってメーカーのことを考え、わざわざメールまでして、数十ユーロ高い送料を被ってでも公式で買ってやろうと考えていたのに。

84-67.74=16.26 EUR(≒2,114円)の純利益を、エストレイマ・ラティオは今回の取引で、私から取りっぱぐれたという寸法だ。そんな鼻くそみたいな純利益などイラナイってことでしょう。さぞ業績は左団扇なんでしょうな!

それとも何か、公式サイトの商品価格に下駄はかせてんじゃねーだろなぁ?

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・例として、エストレイマ・ラティオ『フレームロック・チタン』
黒(上)…直販 525 EUR(≒68,250円)、Lamnia 423.39 EUR(≒55,041円)
青(下)…直販 518 EUR(≒67,340円)、Lamnia 417.74 EUR(≒54,306円)
公式が吹っ掛けてんのか、Lamniaが買い叩いてんのか、どっちなのかね。

どうなってんだろうねマジで。記事を書きつつ私は、脳裏にイヤな可能性を浮かべていた。Lamniaが安いなら……BF1 CDを買った方が良かったんじゃ?

直販価格 152 EUR(≒19,760円)、Lamnia 124.19 EUR(≒16,145円)か……。まあ何だ、思ったより安くなってないな。しかもLamniaでは、通常カラーの黒は売り切れらしい。デザート(砂漠)カラーは+24.2 EUR(≒3,146円)の148.39 EUR(≒19,291円)で、これなら上位機種のBF2 CDまで視野に入る。

BF2の黒なら146.77 EUR(≒19,080円)で、しかも100 EUR以上の買い物ならLamniaでは送料無料だ。同じ物を公式で買えば186 EUR(≒24,180円)だし送料は別途だ。それもどーにか、日本に送る算段をつけてからの話だ。

しみったれた金の話して本当に申し訳ない。私は決してLamniaの回し者ではないのだが、ビジネスの不条理を垣間見た気がして、何とも言えない気分になってしまった。てか今更の話だけどさ、電子市場って次世代の卸じゃね?

余談が長くなったが、実際に注文したのは3月30日だったかな。配送予定は最短で2週間後とのことで、実際に届いたのが昨日の12日だから、ピッタリ14日間でフィンランドから日本まで届いたことになる。毎度のことだけど、海外配送で2週間って凄くね? 間に入ってる配送業者は大丈夫? 過労でぶっ倒れてない? ちゃんと息してる? グローバル社会は凄いなあ。


実際に使ってみて

ケッコー切れ味良くて感動したヨ! ……と言いたいとこなのだが、実際は割と微妙。最初にA4コピー用紙を試し切りする段階から、引っかかる感触で何やらイヤーな予感。動画じゃ余り悪いリアクションをしなかったけどね。

まあ一応、それでも予定通りにコピー用紙⇒タバコに試し切りを移行して、比較的サクサク切れてる様子で少しホッとしたり。ブレードをスピリタスで洗ってから、最後に実用想定の試験で、バゲットを縦横にカットするという普通のナイフ系YOUTUBERならまず試さないような方法でも試し切りした。

結果は極めて良好である。動画でも言ったけど、バゲット自体がカリカリのカッチカチでなく、外が微カリの内フワッフワというイージーモードなのが理由か、縦に切り落としてから横に切り開き、ホットドッグのパンの形状に仕上げるのは文字通り朝飯前だった。ジョンソンヴィルの極太ソーセージも苦も無く裁断したので、一先ず鋼材の性能に問題は無かったろうと思う。


商品に関する疑義

しかしだな。改めてこの記事を書いてる今現在、ナイフを開いて刃の状態を確かめてみると、ベリー(刃から切っ先に向かう曲線の辺り)にポツポツと3つほど、光の向きが異なる部分が点在している。ブレードを爪でなぞればその部分で引っかかる。ていうか紙を切る時にも引っかかった場所だった。

何かって言うと、これは間違いなく刃毀れだ。N690という鋼材は、市場での最高級鋼材というワケでは決してないが、中国の安物鋼材みたいに焼入れがヘボくて強度不足とか、そんなトラブルような安かろう悪かろうでもない。

するってーとどういうことだ? 余り考えたくない可能性だが、一つ容易に想像できる理由は『安い物には理由がある』である。安いだけの理由てーと要するに『B級品』ってこったな。製造工程上の不始末など何らかの理由で傷物にしてしまい、製品検査にハネられ、そのままの状態では出荷できない不良製品だ。そのままブランドの看板を掲げて出荷しようものなら、顧客にクレームかまされて面倒なことになる。かといって自社内でA品だのB品だの同じ商品を格付けして安売りしようものなら、熱心なブランドの信者からはブランドの価値を棄損した行為として、養豚場の豚を見る目で見られる。

勘違いしないでほしい、これはあくまで私の想像だ。仮に事実だったとしてこれも当たり前の商習慣である。企業によってはだけど。一部のブランドを大切にしている企業ならば、自社内でワザワザ格付けして安売りするなんて絶対にやらんだろう。恐らくエストレイマ・ラティオもそうだろうと思う。

とすると? こっそり量販に流して(これがいわゆるアウトレットだな)、自社の手は離れてますよムーブで素知らぬ顔。まあメーカー側も不良在庫を小売りに買い叩かれ泣きを見ているので、お相子ではある。そうとは知らずアホな消費者がウッカリ掴んでしまった時、既に遅し。そんな落ちかな?

まぁ分からんよ。私が初めの一発目にブレードを引き開ける時、物の弾みで爪か何かで刃先を引っかき、刃毀れさせたかも……って爪ぐらいで刃毀れを起こすなんて、それはそれで焼入れ不良の可能性があるB級品じゃねーか!

つーかまあぶっちゃけ、元から刃毀れしていたか、コピー用紙を切る段階で焼きの甘い部分が欠けっちまったか、どちらかの可能性が高いかもなぁ。

何で穿った見方をするかってーと……作ってるのイタリア人だからなぁ(笑)
まあ、容易な修復の効かない精密機器とは違い、研ぎ直せば済む話だもんで思ったより傷は浅いかな。どの道、セカンダリベベルも研ぎ落としたいし。


小は大を兼ねないが

あと、ようやく本題のインプレッションらしいインプレッションであるが、小ささはやはり良いこと尽くめではないのは確かだ。サムホールに指を入れワンハンドオープンしようとしたら、この形状ではどう足掻いても不自然な指の位置を取らざるを得ない。ウッカリしてたらスッパリ行くよね普通に。

あとプラのグリップ、割と滑るかも。無理やり片手で開こうと四苦八苦する時など正に。私の手の幅(親指付け根⇒掌を小指側に横断する最短距離)と折り畳まれたナイフの全長が、同じ85mmという時点でお察しではある。

まあね。このナイフに、サムスタッドを付けなかった理由が良く分かるわ。

あとね、それを言っちゃあおしめえよ案件なんだが……55mmブレードって料理などには向かないね、刃渡りが短すぎて。バゲット切る時に思ったわ。あれじゃあナンボ刃が鋭くても、野菜切るとか小魚捌くにゃチト辛い。

一説によれば料理に向いているという、日本製のスパイダルコ・デリカ4やエンデューラ4など、それぞれ刃渡りが2 7/8インチ(73mm)や3 3/4インチ(96mm)あるのだなあ。定番商品を見れば、ナイフは矢鱈と小型化すればいいもんじゃないという結論が、導き出される。私は愚者なので実体験してそれを学んだが。私のナイフ道はまだ始まったばかり。勉強になるなぁ。

ここまで散々に『BF0』の愚痴をぶってきたが、初期の想定である箱開けの用途に翻って考えてみれば、何ら問題は無いわけだ。バゲットを切るなんて設計用途に含まれない荒行も、言わば動画バエを狙った私の愚行である。

片手じゃ開けないブレードだって、両手で握って開きゃいい話なんですよ。

ライナーロック機構の構造にしたって、指先の神経を尖らせて動かしたら、クリッ・クリッ・クリッと3段階ほど凸に引っかかる感触がして、嵌合するライナーとブレードの面の何れかあるいは両方に、恐らく僅かな凹凸加工が施されているのだと思う。それとも単におろしたての新品で、面にアタリがついていないだけか。私は贔屓目に、職人技の安全装置だと思っておく。

この何とも言えないつんつるてん(死語)の小刀だってね、よくよく見れば可愛く見えてくるわけですよ。本当はいい子なんです、こんな小さな身体で必死に懸命に頑張っているんです! 健気な姿に貴方は何も感じませんか!

まあそれはそれとして、だ。

私はこのエストレイマ・ラティオ BF0 CD ストーン・ウォッシュドを買って後悔はしていないし、割と満足してたりもする。最初に買った実用ナイフがアイクホーンでなくエストレイマ・ラティオだったのは、まぁ出会いの運の問題だったろうと。EPKも通販サイトで安売りしてて最後まで迷ったし。

取り敢えず折り畳みナイフは買ったから、次にナイフを買うなら大本命たるシースナイフだろうと確信する。エストレイマ・ラティオのシースナイフはギャラクティックゴミクソ高価なので、アイクホーンを買うとは思うが。

Böhler N695鋼のSEK-II G10、220 EUR(≒28,600円)するのよなぁ。

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1.4110鋼のディフェンダーも、168 EUR(≒21,840円)と割安で捨て難い。

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二つの画像は https://www.eickhorn-solingen.de/ から転載されています。
画像の転載は、転載元の転載規約に従って行ってください。

まぁ買うのはコロナ禍が明けて、もっとずっと仕事と生活が、何より収入が安定してからの話だが。一体いつになることやら、気の遠い話である。

手の届かない高価な物より、手の届く安価な物。さりとて徒に妥協し過ぎることもなく。どんな買い物にも希望を口に出したら際限がないが、それほど貧するに鈍するで安かろう悪かろうを掴まない、抜け目ない取引がしたい。

それに必要なのは、少々のセンスと……多大なる経験! あるのみである。

ヤッパリ浪費をしないと、上手い買い物術は身につかないのだ(自己暗示)

そんなクソみたいな結論に至ったところで、今回は失礼します。


あと、余談ですが今回のナイフの開封動画も作っておりますので、どうにもやることが無くて暇で暇で仕方なく、27分のスキマ時間の処理に困った方は見て頂ければ幸いです。いつも通りYOUTOUBEとniconico版があります。

正直……考察すべきことは、本稿でのべつ幕なしに騙り尽しましたが!

YOUTUBE版

niconico版

では、良い買い物ライフを! ごきげんよう!

From: slaughtercult
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