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「コミュニカティブ・アプローチ」とは?

最近まことしやかに教育界や参考書等で「これからはコミュニケーションだ!」が叫ばれていますが、そもそも教授法におけるコミュニケーションとは何なのでしょうか。これは決して目新しいことではなく、そもそもは

「人間にはコンピューターのような言語装置が生来備わっている」

とするChomskyの “Syntactic Structures”(1957)への批判を発端とします。

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    90歳を超えてなお現役で教鞭をとっているチョムスキー氏・・・。


"Communicative Language Teaching" (CLT)は、文法などの表面的な言語構造だけでなくより広い視点での言語運用(活動)、具体的には 

・より現実世界(Realia)に基づき(ex., 福岡空港)、
・ある目的を達成すること(functional)、(ex.,めんべいを買う) そして
・人間同士の会話のやりとり(interaction) (ex., 「めんべい美味しいよね」という友達との会話のやりとり)  に重点を置く

これらを教授法のコアな部分に落とし込むことを目標として構築されました。
大事なのはもちろん文法的な要素についても無視しているわけでなく、機能との関連(Relationship of form and function)の中で, コミュニケーションを達成するために学ばれ方を見直すべきだとされました。


 
他にも学習者の学びへの参与やプロセス(Autonomy), コミュニケーション達成のために必要な「流暢さ(fuency)」 も着目されました。


同じころにCanale and Swain (1980)の4つの”Communicative Competence”も提唱されます。1970~1980年代はコミュニカティブな教授法の萌芽と開花を見た全盛期だったのでした。

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参考:Richards, Jack C., and Theodore S. Rodgers. Approaches and Methods in Language Teaching. 2nd ed. Cambridge Language Teaching Library. Cambridge: Cambridge University Press, 2001. doi:10.1017/CBO9780511667305.

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