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眉間のシワの思い

今日、仕事で構造設計事務所に行った時のお話です。

打ち合わせを済ませ、車に乗り込み駐車場を出ようとすると、左から下校中の小学生5~6年生くらいの男の子が歩いてきました。

私の車とはもう2メートル程度しか距離がありませんでした。私は、停車して彼に手で「行きなさい」と合図をしました。ここで大抵の子供は頭を下げながら先に通り、通った後で振り向いて会釈して、御礼の意を表す子供も少なくありません。しかし、彼はそうではありませんでした。

私の手の合図に対して、「そっちが先に行け」と合図を返して来たのです。
「大人が道を進路を譲っているのだから、先に行けば良いのに・・・」

私はそう思いながら、再度「先に通りなさい」と再度合図を送ったのですが、今度は彼は、眉間に縦ジワを寄せ「早く行って!」とばかりに手を早く動かしたのです。さすがに私も3度目はありません。小学生の指示に従い、立ち止まっている彼の前を通り、車道へ出てスピードを上げました。

私は家路へ帰る途中、彼の事を考えていました。

信号の無い横断歩道に歩行者がいる場合、車両は停止して歩行者が横断するまで待たなくてはいけない。と道路交通法で義務付けられています。
しかし、停止してくれる車両はごく一部しかいません。交通社会(道路)では、車両は歩行者を守る、強者が弱者を守ると同時に、大人が子供を守る、いう至極当たり前のことが守られていない現状があります。

彼はその事をきちんと学習しており、大人を、ドライバーを信用しておらず、先に行け、と言う意思表示だったとしたら、それは残念なことです。

「どうせ僕たち子供は(歩行者は)交通弱者、強い車は先に行けよ!」
「どうせ本当は待っているのはイヤなんだろう、だから先に行けよ!」
「どうせ普段は交通ルールなんて守ってないんだろう?めんどくせー」

私には彼の眉間の縦シワがそう語っているように思えてしまいました。

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