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映画SLAM DUNKの炎上による損失は推定2億円以上!Pは早急に鎮火すべき

12/3公開予定の映画『THE FIRST SLAM DUNK』 は11/4の特番による声優変更発表で激しく炎上している。

Twitterやまとめサイト等では旧キャストを使わないなら爆死して欲しい、これだけ批判されているのだから爆死間違いなしと息巻いている人たちが多く見受けられる。
激しく炎上しているということは声優に思い入れのあるスラムダンクファンが大多数なのだから、その不興を買えば映画はヒットせず爆死するに違いない、と。

そこで今回の炎上による興行収入への影響力を客観的な数字のみをベースに可能な範囲で推定してみた。
あくまで簡易的な推察なので漏れや認識誤り等があればご容赦いただきたい。

私は井上雄彦自身に今回のプロモーションの責任があり、旧アニメに対しリスペクトが欠けているという意見には否定的である。
その根拠は後述の「■何故仮説検証しようと考えたのか」の項で説明する。

検証の流れと結論

最初に検証の流れと結論を述べておこう。

数字の根拠に興味のある人は後述の「■仮説検証」まで確認してほしい。

  1. Twitter上でプロモーションや声優変更に対する批判の声を上げた実数は【2,000人

  2.  プロモーションや声優変更を不満に思ったTwitterユーザー数は推定【13,333人

  3.  プロモーションや声優変更を不満に思った国内での人数は推定【26,666人

  4.  プロモーションや声優変更を不満に思って鑑賞を取りやめた人数は推定【3万人〜10万人

  5.  プロモーションや声優変更を不満に思って鑑賞を取りやめた人数に伴う興行収入のマイナスは推定【2億円

2億円という数字自体は確実な爆死というほどの影響はないようにも思えるが、こちらはあくまで直接的な損失額の推定である。

補足及び制作陣への願い

映画の興行収入の伸びは、映画を鑑賞したアーリーアダプターによるポジティブな口コミによる盛り上がりでレイトマジョリティを巻き込めないと見込めないものである。

現状のように批判の声が大きい場合、仮に映画の出来が一定水準以上あったとしても

  • 批判のために映画を鑑賞した人によるマイナスレビューの割合が大きくなる

  • 炎上を餌にSNSでPV稼ぎのまとめサイト等、映画への不満ばかりが拡散される

  • レイトマジョリティを鑑賞に導く流れに至らず早々に打ち切りになってしまう

というようにマイナスのスパイラルに陥る可能性が大いにある。

そのスパイラルに陥る可能性を減らすにはどうしたら良いか。火の種が燻り続けている限りは次第に声がおさまったとしても公開時に再炎上するだけである。

個人的には、プロデューサーといった責任のある人間が矢面に立って今回の炎上について動画のような形で直接、そして誠実な声明を出すことが必要であると考えている。

そこで誠実な姿勢がファンに伝わればそれ以上の批判は止み、映画公開後も純粋に作品の質に対する口コミが広がっていくことになるであろう。

プロデューサーは損失を最小化するには沈黙を保つのではなく正のスパイラルに戻す対策を早急に打つべきである。

もちろん作品の質が低ければ爆死するのは避けられないがそれはまた別の問題である。

最後に、今回の検証理由と検証内容の詳細を記す。

何故仮説検証しようと考えたのか

本作品の原作者であり監督の井上雄彦自身の責任、旧アニメへのリスペクトを欠く行為を責める反応も一定数見受けられる。
この責任論及びリスペクト欠如に基づく批判は事実に基づいているのだろうか、という純粋な疑問が始まりである。

プロモーションの不手際は酷いもので声優変更発表タイミング、特番の内容、旧アニメの無料配信等、旧アニメや旧キャストへのリスペクトを欠く姿勢が露呈してしまった。そのせいで鑑賞を取りやめる判断をする方の残念な思いは理解できる。

一方で今回の映画における井上雄彦のポジションは製作総指揮や総合プロデューサーといったプロモーション含めた映画全般を管轄する立場ではなく、あくまで監督である。
作品の質に対して全責任を負う立場である。

不手際のあったプロモーションに関してはいくら原作者で同じ制作側の人間だとしても権限や責任のない監督にまで責を負わせ刃を向けるのは違和感がある

また井上監督が旧アニメを否定し、リスペクトを欠いているという意見も散見される。

井上監督は特番の前に自信の公式サイトで声明を公開している。

その中では、連載時は視野が狭く漫画以外のファンに感謝の心をほとんど持っていなかったと正直に本音を晒している。一方で旧キャストも含めたアニメ制作者への感謝の想いを下記のように明言している。

漫画もアニメもそれぞれの現場で、制作から人々に届けるまでの過程でたくさんの人たちが携わってくれました。そんな全ての人たちに、感謝の気持ちでいっぱいです。

https://itplanning.co.jp/inoue/i221020/

若かりし頃の視野の狭さを自覚し、感謝の意を述べる。非常に誠実で礼を逸してない態度に見える。

最低限の礼節を踏まえているにも関わらず、井上監督が旧アニメを「嫌っている」「否定している」という根拠のない主張に基づく非難には違和感を覚える

そしてその非難の中で見受けられる「声優に思い入れのあるスラムダンクファンが大多数なのだから、その不興を買えば映画はヒットせず爆死する」という説は本当なのか?
長くなったが、これが仮説検証するに至った理由である。

検証理由は上記であるものの検証自体は私個人の思いによるバイアスは廃したつもりである。

仮説検証

最終的に導きたいのは今回の炎上において日本国内で直接的に鑑賞を取りやめた人の人数はどのくらいの規模で、興行収入にどの程度の影響を与えるか、ということである。

爆死を願う人の中にはアニメの無料配信の視聴回数(1話目450万回超)の大きさを基に今回の批判の規模を大きく見せたい人もいるだろうが、それはあくまで旧アニメに関心を持っている層の大きさを示しているだけであり、不満を感じた人の割合は視聴者回数からでは区別できない。
そのため視聴回数等の旧アニメファンの大きさを持ってプロモーションや声優変更に不満を持った層の大きさを語るのではなく、批判の声を上げた実数をベースに推定する方がより実際に近くなるのではと考える。

①Twitter上でプロモーションや声優変更に対する批判の声を上げた実数は【2,000人】

映画スラムダンク公式の予告動画へのリプライは1,500、「お気持ち表明」と揶揄される11/10の2つのツイートへのリプライは合算すると2,000程度であった。(11/13時点)

リプライの中には公式への激励の声の割合もあるのだが、過小に評価しないために全てが映画鑑賞を取りやめた批判の声とここでは仮定する。

② プロモーションや声優変更を不満に思ったTwitterユーザー数は【13,333人】

今回のプロモーションや声優変更を不満に思った人のうち、何割程度が批判の声を上げているのか。

ソーシャルメディアにおいて「自ら情報発信や発言を積極的に行っている」人の割合は、日本では全人口の1割にも満たない。SNS上の議論をリードしているのは「5%以下の人々」の意見と言われている。

また下記の調査では、スラムダンクファンの大多数であろう30代・40代のTwitterユーザーの投稿率は15%〜20%とされている。
https://webtan.impress.co.jp/n/2022/05/24/42788?amp

不満という感情はアクションに結びつきやすいのは誰しも経験のあることだろう。
そのため、不満に思った人の投稿率が上記投稿率以下ということは考えにくい。

よって、不満に思った人の15%が①のアクションに至ったと仮定する。

・2,000÷0.15≒13,333

③ プロモーションや声優変更を不満に思った日本国内での人数は【26,666人】

先述の調査をベースにするとTwitterの利用率は利用率は30代〜40代でざっくり50%であり、不満を覚えたがTwitterを利用していない層が50%いると仮定できる。

・13,333÷0.5=26,666

④ プロモーションや声優変更を不満に思って鑑賞を取りやめた人数はざっくり【3万人〜10万人】

③の数値をそのまま用いても良いが、YouTubeのBAD数がは2万を超えており、③に近い数値となった。
また、今回の件を不満に思ってツイートをしていても公式Twitterにリプライという形でツイートはしユーザー数も多数いる。
潜在的には③の数倍存在する可能性があるとして幅を持たせる。

つまり3万人〜10万人程度が鑑賞を取りやめた人数ではないかと推定する。

⑤ プロモーションや声優変更を不満に思って鑑賞を取りやめた人数に伴う興行収入のマイナスは推定【2億円】

10万人が鑑賞意欲をなくしたとすると10万人×1,900円(IMAX等価格が違うスクリーンもあるのかもしれないがムビチケ価格に単純化する)
興行収入に換算すると約2億円の損失となる。

以上が検証内容である。

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