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転職の面接に企画書を持っていったら0秒で採用された話

サンケイリビング新聞社 キャリアのパーソナル・トレーナーです。転職未経験者を対象に、転職を前提としないキャリア相談を受け付けています。今回は、転職の面接に企画書を持っていったら「0秒で」採用された女性の話を紹介します。

アパレル企業に勤める千尋さん(仮名)。定期的にチェックしていた、好きな人気ブランドのサイトに希望のポジションで求人が出ていることを発見しました。「すぐに応募します!」と意気込み、いかにそのブランドが好きかを履歴書の志望動機で”熱弁”しました。

しかし、それだけでは単なる「ファン」です。人気企業の採用には、多くの「ファン」が押しかけます。採用側もそれを「大前提」として見ているため、ライバルたちと比較して「自分は即戦力である」と印象づける必要があります。

そのために私は、彼女に面接に「企画書」を持っていってはどうかとアドバイスしました。

企画書の中身は、その会社で自分が「やりたいこと」と「できること」。つまり、「やりたいこと」は志望企業を研究したことを証明できるし、「できること」は、自分がこれまで培ってきたスキルを具体的にPRできます。

彼女には、アイデアが豊富にありました。しかし、それも「アイデア止まり」では、机上の空論。商品企画の経験をもとに「このタイミングで」「この規模で」「この価格で」と、現場で培ったリアルな体験をもとに、イメージできる素材をちりばめ、「実績あり」という根拠とともに提示するよう、アドバイスしました。

当然、面接官は準備をしていないため、このシートに沿って話をすることになります。すると、面接は、彼女ペースで進めることができます。転職未経験者にありがちな「どんなことを聞かれるだろう」という不安や焦りはほぼなくなります。

実際に面接官に「このような企画書を持ってきた人はいない」と驚かれ、すぐに社長面接に進めることになりました。

そして、社長面接当日。彼女はドアを開けて部屋に入ったとたん「内定」を告げられました。
本当は、社長面接当日、彼女はさらにアップデートした企画書を持参していたのですが…。

面接は前哨戦

企画書を持っていくことで、自分の「働きぶり」がイメージされやすくなります。こんな風に仕事を進める人なら、こんな風に活躍してくれそうだ、と面接官の印象に残ります。
一方で誤解をしていたり、わからない部分を教えてもらうことで、ミスマッチも起こりにくくなります。
面接というより、それはもう、ビジネストークの場になります。自分にとっても、どのような仕事相手なのかをジャッジする機会となります。
つまり、面接はその会社で働く「前哨戦」なのです。
よく考えてください。
みなさんが仮に営業マンで、取引先に「新規提案」に行くときに、手ぶらで行くことはほぼないでしょう。その後の交渉を有利なものにするためにも、こちらの企画書の長所や、メリットを合理的に記したものを持っていくはずです。

千尋さんは「アドバイスを受けることがなければ、企画書を持っていくことはなかったと思います」と、話します。

キャリアのパーソナル・トレーニングでは、この「企画書作り」もアドバイスを行っています。興味のある方は、まずはメール登録を。



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