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「俺は誰かの敵か? それか誰かのメシア?」~舞台上にいる貴方は誰だ?~◆SKY-HI TOUR 2019 -The JAPRISON- 感想

※この記事はネタバレを含みます。ご注意を!
…と書き続けていたけど、もう終わっちゃったか。。なのでネタバレって概念ナシ!笑

終わってしまった、終わってしまったよ「JAPRISON」。
総てを平成に置いてきてしまったような感覚で、なんだか指が進まない…。
なのだけど、本当は平成31年4月29日(昭和の日!)までに書き留めていたモノを完結させることとします。

それは「鑑賞するJAPRISON」について。

SKY-HIはこの公演を「ラップミュージカル」「ラップオペラ」と言っていた。その言葉を受けてミュージカルヲタ…と言っても、ほとんど宝塚歌劇に偏った私はヲタクなのだけど、この公演は芝居を観ている感覚で鑑賞していました。
「SKY-HIがミュージカルと言うからには、この『作品』を紐解いてやる!」みたいな、妙なミューヲタとしてのプライドを刺激されたのもある笑。(もう少し私的な話で言うと、ミュージシャンのLIVEがミュージカル調になる公演に関してデジャヴがあって、意固地になっていたのもある…。)

東京と神奈川の2公演だけだったつもりが、中野サンプラザというハコに興味があって追加公演を機にプラス1公演、そのあと、なんかいろいろ条件つけて千葉、静岡、広島、長野、石川…と5公演も追加笑。気がつけば全8公演も「おかわりJAPRISON」しながら観たかったのは、物語としての『JAPRISON』に思いを馳せたかったのもあるのです。

私にとっては、あと中野公演で私的JAPRISONは終焉を迎える。
その前にどうしても言葉に落としながら日高さんが見せたかった「可視化された『JAPRISON』の世界」を私なりに紐解いて、中野公演に望みたいと思います。

※…と書いていますが、結果、中野公演に参加し終わってしまったので、改めて文字に残しておこうという感覚です…ハイ笑。
※そして書き終えた結果、途中からこの記事を通して歌詞とセットリストから『JAPRISON』を見つめ直す記事にもなっております…酒のツマミか気分転換くらいの塩梅で斜め読みしてくださいm(__)m。
※学生時代の舞台鑑賞会のあとに提出していた感想文の自主制作版みたいな位置づけで読んでいただくのが良い気がします…。


◆『JAPRISON』のWミーニング・『JAPanese RaP IS ON』

MWツアーでお馴染みになった(?)SKY-HIの自作自演ラジオ(言い方!笑)、ホワイトとジョーンズに関してツアー開始前に言及していた日高さん。ラジオっぽい何かを匂わせていただけれど、それとは別に開場直後にもなにかがあるっぽかった。

理由は、開場中の場内BGMが日本語ラップばかり。選曲にもSKY-HIらしさを感じたかったので、広島公演から記録と検索兼ねてShazamを導入してロギングしておりました。そのロギング結果はコチラ

(多分)開場直後から開演30分前まではBGMのみ、開演30分前からはホワイトとジョーンズ(という設定で日高さんが喋ったものを低声と高声で変声した二人組)がJAPRISONグッズの販促コーナーをやる音声劇と、曲がテレコ(交代交代)で流れる演出。東京初日は劇のあとに流れるBGMをフル尺(?)流して劇が流れる方法だったからか開演15分押し。千葉公演は機材トラブルかなにかで劇は流れず…BGMも流れたかなぁ? 最後の『運命論』は流れての開始。静岡公演からは、劇のあとの曲は途中で切って5分ごとに劇が流れる編成でオンタイムで『運命論』が流れ終わって開演する演出に変わっていた。細々としたところにも調整が入るのが本ツアーの面白いところ。

観客のボルテージを高めるべく、『illusions』辺りから徐々に音量が大きくなるのにニヤニヤしていた…! タグやフォロワさんのTLから『運命論』は新録説を見かけ、友だちとググって出てきた歌詞とにらめっこしながら新録なにか検証していたけどわからずでした…笑。無念。笑

◆この物語を観るこの瞬間も「運命」? 開演直後に流れる『運命論』

「それは短い夢の中~」から流れる『運命論』。

全て決まっていた
お前がこのバースを 今聴く事もさ
全て決まっていた
俺がお前の見た夢を叶える男さ

これから舞台上で起こる光景を観客が観るのも「決まっていた」ような感覚にさせられるバースを聴きながら、前の曲までの音量が一段階大きな『運命論』にゾクゾクさせられる。(最後に『運命論』が流れた理由をフォロワさんとお話してたんだけど解釈が違っていて、ああ思考の違う人と話すのは面白いなーと思った次第。)

暗転。客席から湧き上がる歓声。
みんなが待ち望んでいる瞬間の空気感を味わうのが毎公演大好き。

「昔 昔 あるところに…」という影アナが流れそう(なだけで実際は流れません・笑)なSEとともに「コツ、コツ」と響く革靴。

カンゴクのなかにいる看守らしい台詞。逃げ出した囚人を探す。

https://twitter.com/Skyzmix201/status/1112214369281048576
「87番… 118番… 755番… 808番…」と4つの番号を呼ぶ。演出の全てに意味を持たせる(人だと私は思っている)男・SKY-HI。この番号にも意味があると思いググっているのだけど、未だにピンと来る結果に辿り着けない…クソゥ笑。808はDJ-808以外の発想が出てこない…。BFQ関連かなと思ったのだけど…むむ。。

「1212番…ッ 1212番…ッ!」

敬虔なファンならすぐわかる、1212…日高さんの誕生日である数字。『あ、SKY-HIのお誕生日!』とわかる地味なポイント。そういうクスリとするポイントを作ってくれる日高さんの感性が好き。

カンゴク中が大騒ぎして再び暗転した舞台上の紗幕に映る

「SKY-HI The JAPRISON」の赤文字。

この時に起こる黄色い声や拍手。会場によって様々で、会場ごとの反応の違いに包まれながら私も、にひ、とする。

カンゴクに捕まっていた「1212番」の逃走劇が始まる。


◆カンゴクの中から「ハロー・グッバイ」 1212番の独白

…こうして自分で文字を綴りながら気づくこともあるなぁと思っています。

特徴的なピアノBGMが流れ、MVの雰囲気をそのままに、たまにSKY-HI本人のMV映像が流れるけど、この世のようなそうでもないような抽象的な映像がずっと紗幕に映し出された状態で『What a Wonderful World!!』を歌うSKY-HI。カンゴクの檻のなかで自問自答をしているよう。歌っているのは1212番本人か? いや、1212番の脳のなかにいるもうひとりの1212番…SKY-HIなのか?

俺は誰かの敵か?
それか誰かのメシア?
その耳澄ませて皆
愛を一つ持ってきた

この言葉が後のキーフレーズになるように私は聞こえた。…のと広島公演から、SKY-HIがラストの曲で不意に(?)言い始めた言葉とこのリリックがリンクして聞こえるようになって、『JAPRISON』というひとつの物語が帰結したように感じるようになった。

「この監獄の世界を抜けた先で会おう」

曲のアウトロに合わせて紗幕がゆっくりと上がる。舞台上部にいるのはフードをつけて赤い手錠をつけた男。物語が始まった、とひしと感じる瞬間。

◆「何故歌う? 何処へ向かう?」「You know what I mean?」

カンゴクを抜け…暗がりのなか、フードを目深に被った男は今、どこにいるのか。

抜け出そうとしているなかでも自問自答は続く。
「何故歌う? 何処へ向かう?」

『Shed Luster』を「Ya!」と叫んで歌い終え、手錠を千切り歌い始める『As a Suger』。

手に握る汗と闘争心
野次の刃が総動員

(闘争モードのSKY-HIの楽曲が好きなので、この辺りでテンション上がりながらいつも聴いています。)
カンゴクを抜け出した先もきっと厳しい世界。それでも

俺たちは弱くない
もう何も怖くない

と自らを鼓舞し、己を『Turn Up』していく。

WREPの番組で「間(ま)にも意味を持たせている」と語っていたSKY-HI。ツアーを通して間のタイミングが変わった。

・当初:『As a Suger』で「もう何も………こわくない」と間を取っていた
 ↓
・最終形態:『As a Suger』は「もう…何も……っ こわくない」とし『Turn Up』で「このスキル」のあとに10秒くらいか…長めに間を取っていた

最終形態によって「頭カラの~」のSUPER FLYERSのサウンドが立っているようにも聞こえたけれど、SKY-HIの間の真意はわからずでした…むむ。。

流れから少し逸れるけれど、『Turn Up』で

普通に生きているだけでボースティング

と歌っているSKY-HIを「agreeeeee!!!」と言いたくなるテンションで毎回観るのが好きです。


…この粒度で文章を書き続けるとちょっとしたラノベが書けてしまいそうなので、少しペースアップして書き進めます。笑


◆日本国のイマを見つめながら自問自答した結果「何も変わらない」

カンゴクを抜け出した外の社会。日本国、平成の、イマ。この辺りのセトリは社会色がすごく強い。
『Dystopia』『何様』『F-3』『Story of "J"』。

あー…アルバム『JAPRISON』を初めて聴いた頃に感じた、SKY-HIの怒りのようなモノ。それがこのゾーンと後半の『Persona』辺りに濃密に詰め込まれているなと、振り返って思った。
ヒトは社会的な動物。自分が自分で在り続けることも必要だけれど、自分が置かれている環境も重要。その環境、私たちの日本国や日本国の周りの世界の状況を改めて歌で綴られている。

それらを各々が知った上で

この話の続きは君が作って行くのさ

と締める。
そう、『JAPRISON』の舞台上の物語はSKY-HIのような、架空のヒダカミツヒロのような、誰かの物語。けれど、『What a Wonderful World!!』のラストHookで彼が言っているとおり、

カギは手の中

客席にいる自分自身の話でもある。
SKY-HIは周りや自分自身について考えた結果、“クソみてぇな”『Dystopia』のなかでも「何も変わらない」「俺は今日もブースでバースを一つ書いてる」と帰結している。

では客席にいるFLYERS、【アナタ】は?
そう投げかけているのかな、と。

話題は少し逸れ…演出面で印象的だったモノ。『Story of "J"』を歌い終えたあと、暗転とともに日高さんが舞台上に倒れ込んでいた。舞台脳からするとこの『JAPRISON』、セリがないのが興味深かった。
高校時代に演劇部だったのもあってか、舞台好きだからかわからないけれど、セリがあれば役者をセリ下ろししたり、セリ上がりさせたいと思う欲が沸々と湧き上がる公演でもあって、『Story of "J"』もそのひとつ。「高速セリを使ってセリ下ろしさせてぇぇぇッ!」と思いながら観ておりました笑。逆に言えば、舞台機構がなくても転換はできるのだなと新鮮な心持ちにもなれた個人的に印象的な1シーン。

◆今この時も涼しい客席一人舞台を観ている「アナタ」はどう思う?

場面転換して『Role Playing Soldier』~『Blue Monday』までは、個人的に“どこか違う世界”という気持ちで俯瞰して観ていた。

『Role Playing Soldier』は、今これを書きながら気づいたのだけど(おっそ!)、『アイリスライト』の

あぁ君の嫌いなあいつも
大切な誰かの未来図を
作るため泣きながらナイフを
振りかざして自分も傷を負ってるのかも

のRPG版だったのだなぁと、2曲をリンクさせて聴けることに気づいた。

MVを観てからの中野公演。

https://www.youtube.com/watch?v=VhcNBbSI4L8

2バース目で下手側でしゃがむ仕草をしている振りをしていたのは、亡きジョーンズの持っていたお写真を拾っていることを表していたのだと気づいた…! MV発表後にLIVEに行けて良かった…!
ところでモンスターの「ジョーンズ」開演前のラジオショウに出てきた「ジョーンズ」となにか共通点はあるのかしら…?

自己理解のための自問自答の曲が多いなか、他己理解、多面的な視点の話の曲であることが印象的だった。


◆「俺」が「声をかけて」「もつれて」出会った「君」は?

さらに場面は転換し『Chit-Chit-Chat』『23:59』『Blame It On Me』『White Lily』。

女の子が好きな「エロいひだかくん」「カッコいい日高さん」がひたすらに詰め込まれている、のだけど…。

※令和になって白状すると、「『サービス精神』で書いた」という発言をアルバム『JAPRISON』発売前から耳にしてしまっていたので、「そんなサービス精神要らねぇ、グロくてもエグくてもいいから本音見せて愛し合ってくれたほうが燃えるぜSKY-HI」的な、あまじゃくともちょっと違う、何故か好戦的なカズミさんが出てきてしまっていたので、ちょっと俯瞰的に観てしまっていたのでした…苦笑。ヒトの感性って複雑だ。。

…だけ書くと、なんか嫌なオンナだなぁとも思ったので。。
このゾーンのギター・Takさんの音がものすごく大好きで、音から恋する私の感性が更に拡がったのは『23:59』であることも間違いないので、ただのラブレターをここに置いておきます…笑。

このゾーンの一連の曲に出てくる、主人公が相手している女性は同一人物なのかを、フォロワさんとも議論していたのだけど、結局わからずでした。

特に『White Lily』。

https://twitter.com/Skyzmix201/status/1115259919446360064

舞台上の映像にクスリのようなカプセルや指輪のようなアニメーションが流れていたのだけど、歌詞やSKY-HIの歌っているパフォーマンスのなかにカプセルに関わるモノがなかった。

ねぇあの時なんて言えば良くて

と嘆いているということは、今は何かしらの事情で会えなくなっていることになる。その描写は歌詞にはない。精神を扱っている作品、世界観なので、行きずりで偶然出会ってひとときの時間を過ごしたけれど、勝手ながらオーバードーズしてしまった彼女をアタマに浮かんでしまっていた。。
正解じゃない気もするけれど、自分のなかで一番納得が行く説なので、そう帰結しておくこととしました…! 違ったらゴメン!


◆あらゆる場所から現実を見せつけてくれるパワーワード「月曜日」

優しいタクシー運転手とのとりとめのない会話、甘くて激しいカレとの一夜、切ない君とのあの時…。どんなに楽しくて快楽的な日常でも、それらに強い水をかけるような言葉が「月曜日」なんだろうな…と思った。

明るいサウンドとキュートな映像で始まる『Blue Monday』。
「あの子の手を掴んだシーンのラスト」というフレーズは、『White Lily』の「君」を指していて、実は月曜日になってゲンジツに戻ると「僕」という一人称になる彼の、夢物語だったのかなとも想像する。(ふと考えると、日本人のオトコの人は、その時々で「俺」「僕」「私」と一人称を使い分ける。役割に応じて自分を変えていることがわかりやすい文化なのも面白いなぁ、と。蛇足)
改めて書き添えると、私のなかでの『JAPRISON』は『Role Playing Soldier』以外、同じ主人公だと仮定していて、副題をつけるなら「(架空の)ヒダカミツヒロ モノガタリ」、そんな塩梅で聴いたりツアーに参加しておりました。

…と話を元に戻し。。

僕が何したのさBlue Monday

楽しそうな楽曲だけれど、がしがしに踊って汗だくだけれど、笑顔じゃないのはきっとブルーマンデイだから、かな。


◆いろんな自分と自問自答する『Doppelgänger』『Persona』

不穏な映像が紗幕に映り、また別のゾーンに入る。歌詞を追ってみて…『Doppelgänger』のなかで気になっていたのは、この「ドッペルゲンガー」とは一体誰なのか?

私にとって『JAPRISON』の副題は「ヒダカミツヒロ モノガタリ」

成功の体現者
この時代の代弁者
いち早く命絶ったアイツは
俺のドッペルゲンガー

「命絶ったアイツ」とはどういう状態なんだろう? 日高さんにとって「命絶った」指し示しているモノはなんなのだろう? そこが気になった。

少し話は逸れて、歌詞を追っているなかで気になってdigってみたのだけど、

BOSSも言ってた未来はこの手の中

THA BLUE HERB『未来は俺等の手の中』からのサンプリング、なのかな。

『Persona』は『JAPRISON』イチSKY-HIが怒りぶつけてると感じる曲。だし、実際公演中、テンションガチ上がっていると思えた。

飼い主とペットかって 興味ねぇよ

の部分では、中野公演では客席側に向かって足蹴にしながら歌っていた。


自問自答をしていると、自分のことがわからなくなる。

どれが裏で
どれが表
どれが仮面で
どれが本音
どれが嘘で
どれが本当で

自問自答してわからないから、周りの評価に耳を向けてみる経験を私はしたことがある。

小学生時代の近所の子は私を「ブサイク」「下膨れみてぇな顔じゃな」と言われた。長年「あー私はブサイクなんだな」とうっすら思って生きていたのだけど、オトナになれば「小顔でかわいいね!」と好きなヒトやセンパイから言われてびっくりした。「ほんとアホよな」とも「アタマが良い!」とも言われる。ヒトによって自分の評価は千差万別。耳を傾ければ向けるほどわからなくなる。

結果、

あ、そうね ま、どうせ
全て一緒って事で

ってことなのかもしれないな、と歌詞を見つめながら納得してみた。「ま、どうせ」って感じの雑さが時には必要だ。


◆魅せつけてくれよ!Rap Star

自問自答した結果、「俺は俺だ!」と自身の在り方に目覚めるSKY-HI。ここから畳み掛けられる『Name Tag』『Walking On Water』『Shed Luster pt.2』『What a Wonderful World!!』リフレインが猛烈にカッコ良くて、好きで、可視化する『JAPRISON』というコンセプトのなかでも、公演を参加するにつれて、一番私自身を解放できた感じのするゾーンだったように思う。

振り切って「俺」を出してくるヒトはカッコいい名実ともにスタァ性を魅せてくれるSKY-HIを観られる喜び

Call Me Pop Star, Rock Star, I'm a Rap Star
そこで見てろ
夢を現実にするこのベロ

総てに嘘がない、と思える。思う。激しいSUPER FLYERSのサウンドを身に纏いながら咆哮するSKY-HI。圧倒的存在を観ているだけで「私もがんばろう!」という気持ちにさせられる。(シンプルにそういうところが好きだったりするんだろうな、実のところ笑。多分。)


◆苦難を知った上で感じる「素晴らしい世界」

『Name Tag』『Walking On Water』で客席にコロナのような熱量ぶち込んだあとに、ゆっくり照明が暗くなり『Shed Luster pt.2』に戻る。

嫌いな自分、嫌いな未来、数えればキリない
好きな自分探す為にひっくり返す引き出し
あぁ、もう家を出なきゃ時間は短い
逃げ場探す度にクセになる言葉「死にたい」

うだうだいろんなことを考えていると、結果、出てくる言葉は「死にたい」だったりする。それでも自分の胸をひたすら抉ってみて出てきた言葉は、SKY-HIにとっては、

いつしか足枷だったコンプレックスから武器になった
マイクの前で吸う空気はアウェイだろうが口に合った

だった。

その先に改めて聴く『What a Wonderful World!!』の心地良さ。何気に冒頭と終わりで聴き方が違う体験をしたのはWLツアーの『リインカーネーション』と同じ。ツアー参加当初は少しばかりあまのじゃくで距離を置いて観てしまっていたけれど、熱をこめて観始めたツアー終盤は

ハロー・グッバイ カギは手の中
この監獄の世界を抜けた先で会おう

と心の底から、舞台上のカレを観ながら思ったのでした。


◆深い思考、自分で選ぶ自由、隣人愛、多角的視点によって得られる「アナタのカギ」

どうも当初「書きたい!」と思って指を進めていた通りに書けていないもどかしさを感じつつ、それでも完走させたくて書き進め続けてみた。、近所のマックにこもって3時間半書き続けてようやく前半パートが終わった…。

これは良くないので笑!

文脈のトーンをガラリを変えて、閉めて行きます!笑

一言で言うと、『JAPRISON』によってSKY-HIによって感じた内容は小見出しの言葉に尽きるのかな、と思いました。実際のところ、あまり歌詞を解釈しきれていない状態で公演を参加し続けていたのもあり、公演で得たモノを思い出しながら改めて歌詞を辿って得た視点もある。

「なんて素晴らしい世界なんだ!」と思いながら、ひたすらに楽しい「カウントダウンSKY-HI」コーナーを体感するのは、厳しい練習のあとに空きっ腹にかっ込む温かいおにぎりが「なんて美味しいんだ!」と感じられるように、「楽しい!」が明確な輪郭を持って胸に飛び込んできて味わえるモノだった。

そして『New Verse』と『Marble』。
『Marble』でSKY-HIが歌っていることがどういうことなのか? ずっと考え続けていた2018年。それがようやく自身のアタマのなかで色を成して「あぁ、日高さんが見ていた景色ってこういうことだったのかな」と、実感を持って視えたような気もした公演でもありました。

最後の『I Think, I Sing, I Say』の手前。
「俺は誰かの敵か? それか誰かのメシア?」と前半で歌っていたSKY-HI。広島公演あたりから、「俺は味方だ」と言っていた。

自身のなかにドッペルゲンガー…違う自身を見出してみたり、周りの声に耳を向けて周りから見たペルソナと戦ってみたり、過去やイマの自分と向き合ってみた『JAPRISON』のなかの「俺」
ステージの上の「SKY-HI」

舞台上から客席にいる「お前」…私たちに向けて「味方」だと言ったことで、作品「JAPRISON」の答えを見たような気がしながら、ツアー後半は参加していました。

実のところ、自由が本当に幸せだとは限らない、と私は思う。楽しいとは限らない。「指示がない恐怖が 縮こまるソースだ」とSKY-HIは歌っている。自由になったら自身の手と足で掴み取りに行かないと本当の自由は手に入らないし、楽しさや幸せは得られなくなるんだ。

先の見えない未来を自由を感じながら手に入れる恐怖。旅路に出て転ぶかもしれないし傷つくかもしれない。そういう時に「味方だよ」とたった一言言ってくれる存在が在るだけで、地面からこびりついて離れなかった足元が、すくっと軽くなる。

実際に転ばないと得られないモノもある、と私は思っている。けれど転びすぎたり傷つきすぎるとかえって来られなくなる。その駆け込み寺としてSKY-HIの愛を覚えているだけで、過ぎる傷を作らずに済む。
それがSKY-HI流の優しさなのかな、と思った。


◆あとがき

文章として完成度の高くない記事を作ってしまった…スミマセン苦笑。
けれど書きながらSKY-HIが伝えたかったことを想像したり、改めて歌詞を読み解いてみて新たな発見があったので、ワタシ的には書いてみてよかったなと思った。

それにこういう文章があると、「いや私はこう思う」ってヒトが出てくるかもしれないし、少し未来にこの記事を偶然見つけちゃったヒトが『JAPRISON』を改めて聴いてみようかなと思うかもしれない。今後このツアーがCSだけでなく円盤化した時に読み返して、懐かしさとともに当時の自身の感性とイマの自身の感性を照らし合わせて成長度合いを確かめることもできる。

ちゃんと記事を書く効用ってのは、そういうところにあるなと改めて思っています。

この手の記事は向かない気もしたこともわかったし笑。
書きながら書きたい方向性も見つけたので、「書き切る」だけを目標としてこの記事は閉めようと思います。

読んでくださったかたがた、ありがとうございました!

2019.5.2. 令和元年 カズミ

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