マガジンのカバー画像

中国スタートアップ勉強会

89
運営しているクリエイター

2018年12月の記事一覧

中国のカオスな医療現場は医療プラットフォーマーの飯のタネ

世界的に、AI+医療は今最もホットなテーマだ。各国ともに力を入れているが、中国の力の入れ加減はハンパない。人口が多いことも理由の一つだが、現状があまりにひどすぎるので、改善できる余地が途方もなく大きいからだ。人口×改善幅で見ると、とてつもない巨大市場が出現するだろう。 ■カオスな現場中国では普通の人が風邪をひいたりすると、たとえば上海市第六人民病院に行く。人民病院は、日本の感覚だと大きな市民病院という感じだ。 そもそも町医者というのが非常に少なく、あっても「どうせ金儲

起業を目指すなら中国の動向はウォッチすべし

中島嘉一と申します。 [経歴] 23歳で駐在員として中国に飛び込み 24歳で中国語をマスターして 26歳で1万人の中国人と戦って 29歳で上海で起業して 33歳で日本で創業して 34歳で百度と業務提携して 35歳で36Kr Japanの代表になる ざっとこのような経歴で今は中国最大のスタートアップメディアを運営する36Krグループ(http://36kr.com)の日本版(https://36kr.jp/)を運営しています。中国のビジネスモデル、先端企業の技術開発、業

意外と早いぞ、中国の自動運転社会幕開け

12月20日、警視庁は「レベル3」道路交通法の改正私案を発表したが、自動運転と言われても、日本にいると今ひとつピンとこない。弊社役員の一人は、中国でも免許を取って毎日ハンドルを握っていたので、感想を聞いてみた。 ■中国にはEV自動運転がピッタリ「まず、中国で運転しても楽しくないから、EVでOK。そもそも街中は渋滞だらけ。高速は、大陸なのでずっとまっすぐでつまらない。覆面パトカーはいないので飛ばせるはずなのに、のんびり走行。郊外にも箱根や伊豆のような場所はない。だから、『エン

スマートシティは宝の山、中国IT大手が成果を競う

オリンピックや万博で盛り上げるのは話が小さい。中国ではスマートシティ(智慧城市)建設競争が勃発しているのだ。オリンピック村を数百、いや数千の単位で作るくらいの規模である。さまざまな業界が色めき立つのも無理はない。 ■冷たい行政私の上海生活はわりと順調だったが、ある冬に部屋の中の排水管が凍結して水が出なくなったことがある。この程度なら笑い話だが、冬に部屋の中が寒いのは上海ならでは。揚子江より北ではスチーム供給を行うので、部屋の中はポカポカ。上海よりも快適なのだ。しかし、それは

世界がもっと便利に、もっと楽しくなるために

日本のスタートアップを取り巻く状況は、中国と比較するとあまりにもおとなしい。投資規模で言えば、日本は2000億円、中国は10兆円だ。NEXTユニコーン企業(評価額3億ドル以上10億ドル以下の未上場企業)についても同様で、日本にはわずかしかない。 日本のスタートアップ事情や、日中のVC市場をつなげて相互に発展していくための展望を以下に記す。 日本のVC市場が活性化しない理由1)農耕民族の文化 地道にコツコツと改良を続けて高品質なものを作るのは得意で、天災などの非常時には一致

中国メディア2018年の十大ネット用語を発表。「仏系」に注目!

12月下旬、国家語言資源監測与研究中心が「2018年度十大網絡用語」を発表した。「網絡」はインターネットの意味で、このランキングはインターネットで流行った10の単語ということ。「錦鯉」「杠精」「skr」「仏系」「確認過眼神」「官宣」「C位」「土味情話」「皮一下」「燃焼我的卡路里」が選ばれた。 ■順当な1位~3位1位 錦鯉 微博(Weibo)の懸賞募集で使われた錦鯉のマークに由来する言葉。当選者は「中国錦鯉」と呼ばれてネット上で話題となった。ここまでなら微笑ましい光景だが、