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【推し活】会えたのは嬉しいけれど

金曜の夜に、公式から「明日の練習は公開します」とあった。天気予報は晴れ。行こうか迷ったら、フォロワーさんから「行けばいいじゃないですか」と言われて、背中を押される。
翌朝――朝早く起きて、洗濯機を回し終えた(もちろん干して)勢いで、山の上の練習場へ向かった。

練習をじっくり見ていたら、フォロワーさんが「一緒に見てもいいですか」前提で聞いてるから、OKとした。1時間ぐらい見て、最後のところをやったら練習が終わった。
『今日のファンサービスは、サインだけです』
そうなってしまったから、持ってきたスケッチブックに書いてもらうことにした。

推しがやってきた。サインを書いてもらって、一言なんか伝えた。内容はあまり覚えていない。サインの日はじっくり話せないから好きじゃない。
ファンサービスを終えたら、手を振ってくれた。やっぱりこの人が好きなんだなーと実感する。

その後、たくさんの選手がファンサービスをしてくれた。1時間以上かけて、あっという間に帰っていく。暑い中お疲れ様です、と心のなかで念じながら。

ファンサービスの前後で、「くーさん、●●さん知ってますか?」とフォロワーさんが聞いてきた。一部の界隈で有名な人だったから、「知ってるよ。あまり好きじゃないけど」と返した。心の片隅で、同担拒否をしたくなる相手だったから。
「同じ好きな選手つながりなのに…あまり言わないほうがいい?」
その人はそう言って、話題を変えてくれた。

私は彼女が嫌いなのかもしれない。マウントを取られている錯覚を覚えるからだ。
「私はファン歴が長いのよ」
「たくさん持ってるし、サインもある」
そんな言葉が、載せられているSNSを見るたびににじみ出てくるのだ。
(チームごと追いかける個サポのくせに)
差別してはいけないとか、選手単体を追いかける個人サポとかチームサポとか言ってはいけないとはいえ、つい口にしそうになる。
心のなかで悪態をついている。
だから、心の片隅で同担拒否をしたくなる。それが『同族嫌悪じゃね?』といわれようとも。

SNSをつけると、案の定彼女のアカウントが出てきた。無視してやる。挨拶程度しかしないから、フォローを外してもいいんだけど面倒くさいから。『おすすめアカウント』に出てきたときが面倒くさいだろうし。
わざと隣のアカウントを見る。ちらりと出てきたらやっぱりそうだった。24時間過ぎたら消えることを願っている。


私は夢女子なのかもしれない。脳内彼氏を備えてしまったらうるさくてかなわないだろうと思ってるけど、本当はいてほしい。同じ推しが好きな人でも、人柄が良ければいい。けど、嫌いなタイプはとことん同担拒否をしたくなる。
3次元の人間が好きなのに、あえてリアコにしないのは彼と付き合いたいと思っていないから。リアコ女子の皆さんは、本当に付き合いたいだろうし、結婚もしたがっている。私にはそういうのが出来ないから、あえて夢女子というポジションにしている。夢女子でいられるなら、一緒にいたいと思うし、結婚も恋愛もしたいと思っている。妄想が得意技だからなんとでも言える。

以前のnoteで「推しと結婚」について触れたけど、リアルで出来ないなら脳内でやればいいと思ってる。ソロウェディングの世界での「推しと結婚」を実践しても構わない。指輪も作りたいし、会話のやり取りもしたい。

――こういうのを思う時点で、頭がおかしくなったのかもしれない。