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尊敬するA医師に感謝#1 A医師癌になる

看護師実務歴21年の私は心から尊敬できる医師が数名います。
その中で、50代という若さで亡くなってしまったA医師がいます。

A医師は自分の午前外来診療が始まる前に、入院している自分の担当患者さんが昨日から夜間帯にかけて問題がなかったか確認のため必ず病棟を回ります。

看護師の記録物(血圧や体温などバイタルサイン、飲水量に点滴量と排尿量in/out、食事摂取量)をチェックして患者さんの顔を見にいきます。

早朝からA医師は病棟に来るので、看護師は朝のバタバタした忙しい中でA医師が担当する患者さんの記録をまず完了させておきます。
夜勤看護師としては、はっきり言ってかなり大変でした・・・。準備ができていないと、状況によってはお叱りを受けますから・・・。

厳しい医師ではありましたが、患者さんにとっては安心ですよね。ちゃんと診て下さっていることがわかりますから。

A医師は午前外来が終了し、午後は手術に入ります。
多忙な日々ですが、自分の業務が終了しても最後にまた病棟の担当患者さんには「また明日ね」と声をかけにいきます。

気になる患者さんがいれば、休日であってもわざわざ患者さんの様子を病院に診にきます。
また当直でもないのに患者さんの病状を気にして、病院に泊まることもよくありました。

時間外でも患者さんに何か問題があれば、嫌とは言わず自宅から車を走らせて患者さんの元へ飛んできてくれます。(自宅から病院までは2時間かかりますが・・・)

どうしてそこまでやるのですかと聞いたこともありますが「患者さんのことを考えたらさ、仕方ないよね」「そりゃ休みたいよ。奥さんだっているしさ、子供だっているのにさ」

そうですよね。本音ですよね。当然ですよね。A医師だって神様じゃないし、ただの人間ですよ。

でも、そんなA医師に癌が発覚しました。
「飲み込む時に違和感があるんだよね・・・」そんなことを言っていた矢先のこと。
まさにそれが癌の正体でした。

A医師は自分の癌が発覚してからも、自分の癌治療をしながら外来にも出て手術にも立っていました。

でもA医師の病魔は猛烈なスピードで体を蝕みました。
A医師は生きる望みをかけて癌手術に放射線治療を行い、医師として働くことを諦めませんでした。

私はA医師の回復を祈るばかりでした。

(この続きは、尊敬するA医師に感謝#2でお話ししていきますね)


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