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切迫早産2

切迫早産と診断され、あれよあれよという間に入院が決定し、己の考えの甘さと馬鹿さを恨んだ。
何故、私は大丈夫と思い込んでいたのか。
お腹の中で元気に動いてくれている赤ちゃんに対し、何度もごめんね。と謝る。

入院が決定し、張り止めの点滴を入れて貰うとさっきまでが嘘のようにお腹の張りと痛みがなくなった。
本当に薬というのは凄い。
そこから私の点滴生活が始まった。
私はどうやら血管が細いらしく、点滴の差し替えのとき5回目にしてようやく差し替えが成功したりなどもあった。
元々注射が苦手な私は本当に点滴の差し替えが辛くて辛くてしんどかった。
また私の血管が脆いのか、1日も血管が持たずすぐに他の場所に差し替えになるのだ。
その調子でどんどん他の場所へ差し替えたり、失敗したりを繰り返していくと1週間もしないうちに私の腕は点滴の跡だらけになった。

血管が脆く、最長で2日持てば良いほうだった私の血管。更に血管が細く、失敗しやすかったので看護師さんも私の血管の差し替えは嫌だっただろうと思う。
腕から心臓近くの太い血管までカテーテルを入れ、そこから点滴を入れるという話も出ていたが、それは麻酔をしてから行うのでちょっとした手術になるらしかった。
私は痛みに弱いほうだと思う。
そんな私がちょっとした手術を行うなんて、考えただけで絶対に嫌だった。麻酔をするなんて怖すぎる。
看護師さんは
「点滴の差し替えをしなくて良くなるから楽になると思うよ」
と言って勧めてくれるのだが、私は手術という言葉に恐怖を抱き勧められる度に断るのだった。

差し替えも辛かったが、ずっと点滴と共に行動するのもなかなか辛かった。
あんな大きいものをずっと連れて歩くのは結構なストレスになる。
2日に1回はシャワーを浴びれたが、点滴をつけたままなので手は上手く動かせないし洗うのも難しく、両手が自由に使える素晴らしさを実感した。
また、張り止めは副作用が結構あり特に最初の2日目までは動悸と身体の怠さが本当にひどかった。
何をするのにも億劫で、食欲もなく寝るのさえも辛かった。
それも3日目からは徐々に身体が慣れたのか気にならなくなっていったので良かった。

入院中は身体面でも辛かったが、精神面でも本当に辛かった。
上の子とこんなに離れ離れになったことはなく、毎日毎日涙を流していた。
最初は個室だったが、途中から大部屋に移動したので声を押し殺して泣いていた。
産休に入ったら上の子と最後の2人での時間を楽しもうと思っていたのにそれも叶わず、寂しい思いをさせていると思ったらやりきれない思いでいっぱいだった。
だが、意外に子どもというのは強く親の心配をよそに逞しく乗り越えていってくれた。
何なら子どもは思ったよりもドライで私のほうがよく泣いていた。
上の子が寂しい思いをしないように沢山協力してくれた周りのみんなに感謝だ。



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