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陣痛

呑気なことを考えていた私だが、さすがに張りと共に痛みがついてくると
あれ?これは、まさか。
と思わずには居られなかった。
最初は
あー、何か痛いかもなー
くらいだったのが深夜になると確実に痛いと分かるくらいの痛みに変わっていた。
そのくらいから張りも5分間隔の痛みに変わり、さすがの私も少しずつ出産に対して心の準備をしだした。
その間もとりあえず張り止めの点滴はさしたままで、朝になってお医者さんに内診してもらうまではつけたままだと言われた。
明け方になるともう寝ていられないくらいには痛く、どうにか痛くない向きなどを探していた。
その辺りからこれはもう確実に陣痛だろうと感じた。

眠たいが、うつらうつらとしだすと痛みが来るのでなかなか寝られずに朝を迎えた。
勿論もう朝ごはんなど食べられる状況ではなくなっていたので一口も食べられなかった。
この時まだ33週で、まさか陣痛が来るとは思っていなかった私は全く出産に対しての準備をしていなかった。
1人目の時は準備万端で挑んでいたので、栄養補給をしやすい飲むゼリーや水分をとりやすいようにペットボトルにつけるストロー、ペットボトル飲料など沢山のものを用意していた。
だが、今回は違う。何も用意していないし、面会も駄目なので誰かに持ってきて貰うことも出来ない。
なので飲み物もないし、手軽に食べられるものもないのだ。
これは本当に辛かった。お腹は空いているのにお腹に入れられそうなものが病院食の中には何1つない。
看護師さんが何も用意されていない私を見兼ねて、病院の吸い飲みにフリーで用意してある水をついで持ってきてくれたので、それでどうにか水分補給をして凌いだ。

ようやく朝になり、やっとお医者さんに内診をしてもらうがまだ子宮口は2センチしか開いてなかった。
絶望。それしかなかった。
こんなにも痛いのにまだ子宮口の開きは序の口だったのだ。
でも、この時にようやくお医者さんから
「陣痛なのでもうお産を進めていきましょう」
とGOサインが出たので長かった点滴とお別れ出来た。
約3週間ぶりの点滴からの開放だったが、嬉しさを感じる余裕はなかった。
やはり点滴を外してからは心なしか進みが早かった。
5センチ開いたか開いてないかのときに分娩室に移動した。
その時には声が出る痛みになっていた。
この時で点滴を抜いてから約2時間。
間隔も2〜3分間隔になっており、休息の時間もあまりなくこれでまだ半分かとまた絶望した。

そこからはひたすら耐えることに集中した。
陣痛が来ては息を少しずつふーっと吐き、痛みを少しでも減らそうと頑張った。
あまりの痛みに声が出るのだが、何故か声を出すと余計怖くなりパニックを起こしそうになる。
もうこの時にはどこがどのように痛いかは分からないが、とにかくのた打ち回る痛みだった。
どの体勢でも痛く、産むまではこの痛みから逃れられないことが怖かった。
1人目の時と違ったのが、子宮口が全開になってもいきみたい気持ちがなかったことだ。
1人目の時は、子宮口が全開に近付くといきまないようにするのが辛かったが今回はいきみたいというのが全くなくひたすら痛みが強かった。
この時もこんなに1人目と違うのかと思った。


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