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出産

やっと子宮口が全開になり、こちらの準備は整っていたが、全く破水する気配がなく破水待ちだった。
何度も
「お願い、破水して〜無理!!」
と叫んだが、痛くないときがないくらいの間隔で陣痛が襲ってくるばかりだった。
こういう時って人工的に破水してもらえるものだと思っていたが、自然に破水するまで待つものなんだなとしんどいながら思っていた。
この時にはもういつ痛くていつ痛くないのかも分からなかった。
あの陣痛が来るのが分かる感覚はとても怖い。
お腹が張りそうになり、くる、くる、きたあぁあぁうわあぁぁという感覚、これは1人目と同じだった。

私がずっと破水を懇願しているので、破水が早まるようにいきむ許可を貰うが別にいきみたいと思っていないので難しかった。
とりあえずいきんだほうが痛みが紛れるので、陣痛のタイミングなど関係なく適当にいきんだ。
何回も本気でいきむと、何かが股からポンッと飛び出し、股にいる看護師さんの横を飛んで行った。
最初は赤ちゃんが飛んだのかと焦ったが、違ったようなので未だにあれは何が飛んだのか分からない。
でも、その直後に破水したという声が聞こえたので多分破水関係の何かなのだろうと思う。 

そこからは看護師さんとお医者さんの
いきんじゃ駄目!!短く息して!!
という声がかかったが、どうやら股に赤ちゃんの頭が挟まっている状態らしくそれがとても痛かった。
適当にいきんでいたので、陣痛じゃないときにいきんでしまっていたのだろう。
股に挟まっているからか、今更いきみたい感覚が100%になっており、無理無理無理!!と言いながら身体が勝手にいきむ。
頑張って息をしていきむのを我慢したが、痛みからパニックになりかけていたのか呼吸が苦しく、吐き気もしてどうにかなりそうだった。

そうこうしているうちにジョキンッと会陰を切られるのが分かる。
1人目のときは痛みは感じなかったが、今回は普通に痛かった。多分、陣痛のタイミングで切れなかったのだろうと思う。
そして、会陰切開してすぐくらいにズルズルっとやっと赤ちゃんが出てきてくれて私の出産は終了した。

初めて赤ちゃんを見たとき、赤ちゃんがあまりにも紫色だったので心配になった。
だが、元気な産声が聞けてとても安心した。
週数が早いので、肺がまだ未熟だと聞いていたからだ。
処置をして戻って来た時には肌の色も普通に近付いていたのでまた安心した。
低出生体重児で週数も早かったので、抱っこをすることは出来ずすぐにNICUのほうへ運ばれていった。
でも、顔を見ることは出来、上の子にそっくりだったので笑ってしまった。

結局痛みのついた張りから15時間以上かかったし早産で産んでしまったりと色々あったが、無事に出産出来、安心したのだった。


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