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窓辺からの眺め#9

「大翔~部活行こうぜー。」尚也の声が聞こえる。俺は反応するのにワンテンポ遅れてしまった。何となく表情を作るのも難しいくらい、何だか気持ちが他の何かに引っ張られている感じがする。体調が悪いわけでもないのに、普段であれば何も考えずにできるはずのことにもどこか頭を使ってしまっているような、そんな感じだ。


「大会も近くなって来たから気合入れないとな」と無理に笑顔を作って尚也に返事をすると、部室に向かった。教室を出ていく僕の背中を、紗綾が何か訝しげな表情で見ていた。

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