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ラーメンを奢ってくれる先輩の話


前職で仲の良いセンパイがいた。

3つ上で、入社も3年先輩。

部署が違ったから、業務での接点はなかったけど
すごく可愛がってもらってた。

その先輩とは、駅までの帰り道が一緒だったのだが、退勤の時間が被ったら、駅までの道中で、ラーメン屋に連れて行ってもらうのがルールみたいになってた。

注文してからラーメンが来るまでの時間、仕事の話とか、彼女とどうや!とか、どうでもいい話をしてラーメンだけ啜って帰る。

料金はずっと先輩が出してくれて、たまにこっそり払おうとするとすごく怒られる。

「後輩なんやから金出すな!」

と。


当時は怒られる意味が分からなかった。

大手と言われるような企業だったので、給料に余裕が無いわけでも無く、むしろ歳のわりには貰ってる方だったので、奢ってもらわなくても十分生活出来てたし、奢ってもらいたくて一緒に行ってるんじゃ無いのになぁって思っていた。


酔った時に
「なんで奢ってくれるんすか」
と聞いてみると

「みんな先輩に奢ってもらってんねん。お前も後輩出来たら奢ったれよ〜!今は浮いたお金自分に使ってもええし、彼女にプレゼント買ったりしーな!」


という話だった。

ぶっちゃけた話、これを聞いた時も意味があまり分からず、別に奢らんでもええっすよー!!とか言っていたが、自分にも後輩が出来た今、少し理解できた。

「損とか得とか、お金が有るとか無いとかじゃなくて、なんだかんだ後輩って可愛いもんだし、格好もつけたいもんなんだな。



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