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「カルチャーを経営のど真ん中に据える」by遠藤功

遠藤氏はこれまで「現場力」が大切であるということで、それに関する本を執筆してこられたが、昨今の日本のメーカーの不祥事(特に彼は三菱電機出身なので、その不祥事を嘆く)を見るにつけ、「現場力」の前にカルチャーが重要であると理解した。それがこの本を書くきっかけになったとのこと。

著者は、組織能力の構成を「カルチャー」と「ケイパビリティ」に分け、「カルチャー」は「組織風土」と「組織文化」からなり、「ケイパビリティ」は現場力等の「組織能力」を指すとしている。

組織風土は、組織運営の心理的基盤であり、その上に組織文化の心理的エンジンがあって、それらが正常に機能して初めて卓越した実行能力を発揮できると説明している。

カルチャーは過去の成功体験を通じて育成された面もあることから、成功体験自体が時代の変化に対応できなくなるのは、ある意味当たり前であることから、カルチャーも状況に応じて変化させなくては、時代錯誤の対応しかできなくなり、新しいイノベーションを生み出すことはできないという著者の主張には納得できた。

評価は、5/5です。

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